仕事がら日経コンピューターという本を読んでいます。
今回は1月18日号の中で気になった記事があったのでブログに書いておこうと思います。
記事のタイトルは「最適価格はAIに聞け」です。
これ、どういうことかというと「AIを活用することによって需給に合せて価格を変動させる」ということなんです。
具体的に何が起こるのかというと『企業が値引き販売する必要がなくなる』ということです。
よくスーパーマーケットで賞味期限の近づいたお惣菜が見切り品ということで表示価格から3割引きとか5割引きと書かれた赤いシールが貼ってあることがありますよね。
これは賞味期限が近づいた商品を売り切るための値下げです。要するに売れると見込んで仕入れたんだけど、売れ残っちゃったんで捨てるくらいなら値下げして売り切っちゃえ!ということですね。
賞味期限までの日数が短いだけで品質には問題ないので、すぐに食べきってしまうのであれば、割引価格で買えるのでタイミングが合えば、僕のようなお客さんとしてはお得な商品です。
しかしこれから先、AIでの需給予測の精度が大幅に上がると、こういった見切り品の数が激減するかもしれません。
企業としては安売りせずに済むので利益が上がりますが、見切り品を狙って買い物されていた人からすれば「なんか最近、お得な値下げ品が少なくなっちゃった」と感じるようになるかもしれません。
日経コンピューターの特集記事ではコンビニのローソンでの取り組みが紹介されていました。
ローソンでは販売状況に応じて価格を自動で変動させたいと考えているそうです。
スーパーの食品は消費期限が近付くと値引き販売されますが、コンビニでは消費期限が過ぎた弁当は廃棄されます。その場合、廃棄ロスはフランチャイズのオーナーが負担するので、廃棄が減ればオーナーの利益が増えるということになります。
ちなみにコンビニ本部側では廃棄ロスが出ても店舗側にロイヤリティの支払を求めるロスチャージ会計という仕組みで運営されているので、廃棄ロスが増えても本部には影響が出ないようですが。
(この話題もけっこう深い話なので、次の機会ということで)
実際には弁当にRFIDタグという電波を発信できる特殊なタグを取り付けて、賞味期限が切れかかった商品の価格を自動で変更できるようにすることを計画しています。
例えば幕の内弁当は500円だとしたら、どのローソンに行っても500円で買えましたが、もしお弁当が変動価格になったとしたら、あっちのローソンでは500円だったのに、こっちのローソンでは450円になってた、ということになりそうです。
実は僕も最近知ったのですが、商品の価格って日本では「定価」という考え方が主流なので、商品のパッケージに定価があらかじめ印刷されてますよね。でも、この定価という考え方は日本独特のものなのだとか。
商売の基本は需要があれば価格が上がり、需要が下げれば価格も下がるという原則を考えたら、弁当の価格が変動するのもあながちオカシナ事ではないのかもしれないですが。
そういう世の中になると、現在位置の周辺にあるコンビニの弁当価格をリアルタイムに検索して、一番安いお店を調べるアプリができるかもしれませんね。コンビニ弁当の価格.comといったところですかね。
近い将来、コンビニ価格も「時価」という時代になるかもしれないですね。