松田軽太のブロぐる

企業の情シスで働いています。会社の中では何をしてるのかナゾな職場の情シスあるあるなどや読んだ本のことなどを思いつくままに書いています。

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マーケット感覚を考えたら「これってセブンイレブンなんじゃね?」と思った

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ちきりんさんの著書「マーケット感覚を身につけよう」を読んでみました。

 

こんにちは! 松田軽太です。

毎度、ちきりんさんの本を読んで感じるのは「マーケット感覚なんていう説明しにくい内容を、よくここまで噛み砕いて書けるなぁ」と驚きます。長年、読者と距離の近いブログを運営されてきたからこそなのかもしれません。

さて、論理的思考法とマーケット感覚の違いですが、論理的思考は物事を俯瞰して「あー、この業界はこういう構造になっているんだな」と客観的に分析しますが、マーケット感覚はもっと広い視野で世間を見ながら、埋もれている需要を掘り起こしていくことなのだと感じました。

 

 

コンビニという小売革命

さて、マーケット感覚ということで、パッと思いついたのはセブンイレブンで日本にコンビニという文化を持ち込んだ鈴木敏文氏の発想法です。

 

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セブンイレブンは今でこそ、日本中に当たり前のように存在しますが、そもそもセブンイレブンが誕生した当時は、小売業界から異端な存在として扱われていました。

約40年前の日本で勢いのあった小売業はイトーヨーカ堂ダイエーといったスーパーマーケットです。

昔の個人商店では魚屋には魚しか売ってないし、肉屋には肉しか売っていません。まぁ、当たり前ですが。

しかしスーパーマーケットに行けば、欲しいものは何でも揃っているので、色んなお店に欲しい物を買い回りしに行かなくて済むので、便利なワケです。

 

また個人商店とは比較にならない大量仕入れにより、仕入れ価格も下げることができました。特にダイエー中内功氏は「安売り」に情熱を燃やしていました。

そんな時代にスーパーマーケットよりもお店の規模の小さな雑貨屋みたいなコンビニが世間から受け入れられるなんて、当時の流通業界での常識からは、かけ離れた発想でした。

ある日、アメリカに視察に行った鈴木敏文氏はセブンイレブンというお店に興味を持ちました。そして鈴木敏文氏は「欲しい物を自宅の近所で24時間、いつでも手に入れることができるお店があれば便利なんじゃないか」と考えました。

これってまさにマーケット感覚だと思うのです。

 

なぜセブンプレミアムはPB商品なのに高いのか?
そもそも鈴木敏文氏は出版業界から小売業に転職したという経歴の持ち主です。異業種から小売業に来たからこその発想の転換であったのかもしれません。

しかもセブンイレブンは、その商品開発でも常識を覆すことばかり行っています。

例えばセブンプレミアムというPB商品です。
PB商品とは「プライベートブランド」の略で自社で開発した商品のことです。

セブンプレミアムが販売させる前のPB商品はいわゆるメーカー品の商品よりも「簡素だから低価格」がコンセプトでした。

高性能な商品ではなく、付加価値を削ぎ落とした基本性能の商品にすることで、低価格を実現していました。

しかしセブンプレミアムは違います。「高価格で高品質」をコンセプトに開発されています。それ自体がPB商品の常識から外れているのです。

セブンプレミアムを発案した時も「メーカー品よりも高いPB商品なんて売れる訳がない」と反発されましたが、鈴木敏文氏はこう考えるたそうです。
「お客様は安いだけの商品ではなく、価格に見合った価値があれば、値段は高くても買ってくれる」

その考え方が正しいことを証明するように、今やセブンプレミアムは、その品質の高さから、人々に買い求められています。

 

コンビニに銀行ATMがなぜ、必要なのか?
また今やコンビニの銀行ATMの展開でも金融業界との戦いがあったそうです。

そりゃそうですよね。普通に考えたら「なんで小売業のセブンイレブンが銀行を作る必要があるんだ?」と首をかしげますよね?


ここでも鈴木敏文氏の発想は「コンビニに銀行ATMがあれば、24時間、いつでもお金が引き出せるから便利なんじゃないか」というものでした。

やはりここでもマーケット感覚がその発想の原点です。

但し思いつくだけなら他の人にも出来たかもしれませんが、鈴木敏文氏のスゴいところは、他の反対を押し切って事業化して、収益を上げられるところまで育てあげた実行力も特筆される部分です。

 

例えば銀行ATMは1台の価格が400万円から500万円もする高価な機械です。

 

何故、高価になるのかといえば、入金と出金以外にも振込みなど、多くの機能が組み込まれているからです。

 

しかし鈴木敏文氏が考えていたのは、単純に入金と出金だけを行えれば、良かったので

通常の銀行ATMでは機能が過剰だったのです。そこで鈴木敏文氏はセブンイレブンに設置するために機能を絞った銀行ATMを開発し、1台あたりのコストを200万円にまで下げることに成功したのです。

普通の人なら、周りから猛反対されたら「まぁ、そりゃ反対するわな」と凹んで諦めてしまいます。

しかし多くの人が反対することというのは、誰もやろうとしないことでもあります。

 

そこに新しい価値を見出せれば、競合のいない市場を見つけることができるハズです。

いわゆるブルーオーシャンっていうヤツですね。


その外にもコンビニ弁当を美味しくしたり、コンビニでおでんを販売したりと、レジで公共料金の支払いができるといった、今や当たり前のような便利さも、誰かが開発したから、今、存在してるのです。

 

まぁ、挙げていていたらキリがないので、これらの内容はまた次の機会に書きたいと思います。

 

「見えないものを見る」方法とは?

セブンイレブン鈴木敏文氏の発想の原点は「お客様の便利とは何か?」という顧客目線でです。

この発想って、もはや小売業の考え方ではありません。コンビニという店舗でお客様への利便性という「価値」を販売しているわけです。

そう考えると、案外、鈴木敏文氏とスティーブ・ジョブス氏の考え方は似ているのではないかと感じます。

 

最近ではブログの運営でも「書きたい記事を書くのではなく、人の役に立つ記事を書け」と言われていますが、顧客目線に通じるものがありますね。

 

まだまだセブンイレブンの常識破りの商売に興味がある方はこちらの本がオススメです。 

 


iPhoneでのアップル社の成功をキッカケに上司から「我が社もiPhoneみたいなイノベーションを考えろ」と無茶振りされている人も多いのではないでしょうか?

そんな時はマーケット感覚を意識してみるとブレークスルーが生まれるかもしれません。

マーケット感覚を磨き上げることが、次の時代のイノベーションを生み出すことが出来るのだと感じます。

 

 

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