小久保 重信氏の著書「ITビッグ4の描く未来」を読んでみました。
こんにちは! 松田軽太です。
ITビッグ4とはアップル、アマゾン、グーグル、フェイスブックの4つの会社のことを指します。この4社が私たちの日常生活を大幅に便利にしてくれているというのは、今更、説明する必要はないでしょう。
しかし、この4社がどのようなことを考えて何に注力しているのかは、あまり知る機会がありません。
この本ではこの4社-ITビッグ4がこれから目指す未来についても描かれています。
アップル社
アップルといえば私たちにもっとも身近なiPhoneを発明した会社ですが、その売上げ規模の大きさを知ると驚きます。
スマホの全世界シェアではAndroidが約85%、iPhoneが15%といった構成です。日本ではとりわけiPhoneのシェアが60%と高いようですが、全世界では15%程度というのは意外に少ないと感じます。その大きな理由はiPhoneはアップル社の一社だけでの製造販売ですが、androidは世界中に沢山のメーカーがあり、600機種も販売されています。1対600と考えると15%というシェアでもスゴいことだと分かります。
しかし視点を出荷台数から利益額に変えると、驚きの事実を目にすることになります。数では15%のiPhoneが、なんと全世界のスマホの利益の9割を占めているのです。
台数では負けていますが、利益では圧勝しているのです。
なんと3ヶ月で6兆円ということなので、1年で24兆円もの売上金額になります。そのうち、アップル社は3割の利益を確保しているので、6兆円ものの利益を上げていることになります。
そんな絶好調ともいえるアップル社ですが、課題はiPhoneにその利益の7割を依存している点です。
スマホ市場も徐々に飽和状態に近づいているので、次の革新的な商品の開発が望まれています。
まずはiPadですが、発表当初に比べると売上げが落ちてきています。それはiPhoneの大型化が大きく影響されていると言われています。
4インチのiPhoneでは画面が小さかったので、ipadに価値がありましたが、画面の大型化でiPhoneがipadの代替えとなってしまったのです。
しかしiPadの大きな強みはキーボードやペンといった入力方法が可能な点です。それによりiPhoneとの利用用途の差別化ができるようになります。
そして他にもApple Watchがあります。一時期、大々的に広告も見かけましたが、最近ではおとなく感じます。
発売当初の高級路線から現在はより実用的な戦略に切り替わっています。
現在は3世代目となったApple Watchですが、特に注力されているのが健康管理の機能です。
アップル社は非浸襲的方法で血糖値を測定する開発を進めています。
要するに身体に傷をつけずに血糖値を検査できるようにする技術です。これをApple Watchに機能として搭載すれば、定期的にApple Watchが血糖値を測定してくれるのです。例えば糖尿病の場合、血糖値を測定して適切なタイミングでインシュリンを投与できるようになります。これが実現すれば全世界の4億人の糖尿病患者に朗報となります。
そのほかにも自動運転技術の開発を手掛けています。現時点ではそれが車本体も含めた自動運転車なのか、自動運転を制御するソフトウェアなのかは定かではありませんが、テスラのように自動運転車だとしたら、アップル社がどのようなクルマをデザインするのか見てみたいものです。iPhoneのように自動車の再発明といわれるかもしれません。
アップル社はiPhoneで得た巨額の利益で、このような私たちの未来の生活を劇的に変革する技術の開発に取り組んでいるのですね。