松田軽太のブロぐる

企業の情シスで働いています。会社の中では何をしてるのかナゾな職場の情シスあるあるなどや読んだ本のことなどを思いつくままに書いています。

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かつて超ブラック企業だったサイボウズ社は、なぜ働き方改革を実現して超ホワイト企業になれたのか?

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5月9日から11日にかけて東京ビッグサイトで開催されたソフトウェア・アプリ開発展に行ってきました。

 

こんにちは! 松田軽太です。

 

そこでたまたま通りかかったサイボウズブースで働き方改革についてのミニセミナーを行っていたので聞いてきました。

 

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衝撃!かつてサイボウズ社は超ブラック企業だった!

 

サイボウズ社といえば働き方改革のお手本となる日本を代表する超ホワイト企業として、いろんろなメディアで社長の青野慶久さんが働き方改革の提言をしています。

 

もはや死語になりつつあるプレミアム・フライデーが大々的に報道されたころに新聞広告で働き方改革について意思表明したのは、ひどく新鮮で驚きました。

 

さてそんなどこから見ても超ホワイト企業のサイボウズ社ですが、創業当時から超ホワイト企業だったのか?というとそうではなく、10年前まではゴリゴリの超ブラック企業だったというから驚きです。

 

サイボウズ社は10年かけて超ホワイト企業に変革できたのです。

 

10年前のサイボウズ社はどれだけブラックだったのか?

 

10年までのサイボウズ社はまさに昭和テイストのベタベタの日本企業のような価値観だったそうです。

 

何があろうと朝9時までには会社に来なければならないそうで、前日にどれだけ飲み過ぎても

とにかく9時には会社に来て、そのまま倒れ込むといった感じだったそうです。きっとどんなに大雪が降ったとしても這ってでも会社に来なければならなかったのでしょう。

 

上司から夕方に「明日の会議資料を朝までに用意して」と言われれば徹夜してでも資料を仕上げるといったこともよく見られた光景だとか。

 

深夜残業は当たり前で土日も休まずに出勤して仕事をするのが当たり前だったのです。

きっとITベンチャー企業ってそういうものだという刷り込みもあったのでしょう。

 

こういった昭和テイストの気合いと根性の価値観では、耐えられない人も続出して、離職率は3割近くまでになっていったのです。

 

しかし悪いサイクルに陥るとなかなかそこから抜け出すのは難しいのが現実です。

人が辞めるから新規に採用しても、激務に耐えられずにまた辞めて・・・を繰り返すわけです。

 

さすがにこうなってくると会社としても事業へ影響が出てくるのでなんとかせねばということになり会社での仕事のあり方を変えることにしたのです。

 

しかし、こういう会社至上主義な価値観の会社はサイボウズ社だけじゃなくて、日本には珍しくないですよね?特に創業数十年経つ会社であれば、なおのこと、高度経済成長期の成功体験から抜け出せないということはあるでしょうから。

 

昭和の時代、会社員は「会社が給料という生活費をくれるのだから、人生の全てを会社に捧げる」のが普通であり、残業や休日返上することで会社への貢献度が測られていたワケです。

 

それは年功序列による終身雇用制が確立された時代だからこそ成立する価値観ですが、昭和のように物を作って売れば儲かるという時代はとうの昔に終わって、いくら数を売っても儲からないという時代に変わってしまいました。企業はすでに社員の人生を背負うだけの負担に耐えられなくなっているのです。

 

ということで「会社が社員の人生を保証します」という前提が崩壊しているにも関わらず、社歴の長い管理職は意識変革が進まずに「残業したか/残業しないか」が潜在的な頑張り計数の評価基準になっています。

 

で、サイボウズはどう変わったのか?

では現在のサイボウズはどう変わったのかというと、

 

・副業OK

・給与基準は市場価格に連動

・退社しても復職OK

・育児休暇は最大6年

・リモートワークでどこで働いてもOK

・100人100通り人事制度

 

と、このように日本の会社とは思えないフレキシレっぷりです。

 

 

サイボウズ以外の会社では同じことができるのか?

 

しかしこんな改革が実現できたのはサイボウズ社がグループウェアというコミュニケーションツールを開発して販売している会社からだいう背景はあるでしょう。

 

グループウェアを活用することで、社員それぞれの仕事が見える化されることで「みんな頑張って働いている」と分かるから「自分だけ頑張っているんじゃないか?それでは損ではないか?」という疑心暗鬼から解放されます。

 

これが例えばパンとかネジとか特定の商品を作っているような製造業の会社では、ここまで改革は難しいだろうなと。

何しろ商品を製造する機械を操作しなくてはならないのだから、どこでもリモートワークで働けるなんてことは不可能ですよね。

 

しかし、全部は無理にしても、取り入れられることは取り入れるという意識変革は必要ですよね。

 

いわゆる社畜という価値観は終身雇用の崩壊した現在では成立しないので、これからの世代では通用しなるでしょう。

 

そして現在の働き方改革という風潮も10年後には、さらに変わっていくでしょうから、今が最善というわけではないわけです。



昭和テイストな意識からの脱却へ

 

僕の働いている会社はベタベタの日本企業なので日常的に「まったくアイツは残業もしないで帰れるからヒマなんだな」といった会話が横行しています。

 

そして定時きっかりに帰る人は申し訳なさそうに「いやぁ~、今日は奥さんの誕生日で・・・」とか誰も聞いていないのに定時に帰る言い訳や理由を呟きます。

どうしても「定時に帰るのは悪」という意識が骨の髄まで染み込んでいるんですね。

 

僕も含めて昭和テイストの古い価値観にズブズブになっているような世代は、新しい時代に世界が変わったことを認めて、むしろ自分の価値観を柔軟に変えていく必要があるんですね。

 

 

 

会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない

 

サイボウズ社が変革できた大きな理由は変革しなくてはならない事態に追い込まれたからであって「最近、政府もウルサイから、いっちょ我が社も働き方改革をしてみるか」なんて甘っちょろい考えでは、本当の変革はできないでしょう。

 

実際、僕の働いている会社でも、今期の会社目標に突然「働き方改革を実現する」なんて掲げられていますが、そのための具体的な施策は何ひとつ書かれていません。

書かないというよりは書けないのかもしれませんが。

とはいえ何かを成すにはどうやって実現するのか?という実現方法が分からなければ、何もできません。

 

ミニセミナーの中で青野社長の著書「会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない」が紹介されていました。

社長が自著で会社をモンスターといっているのが斬新です。

 

セミナー自体はわずか30分程度と短い時間でしたが、そこで知った内容は衝撃的でした。立ち寄ってよかったと思います。

 

もちろん、このわずかな時間で全てを知ることは出来ないですが、知らないことを知るというキッカケは大切です。

 

キッカケが無ければ興味も持てないでしょうから。

 

ということで、このセミナーをキッカケにもっと深くサイボウズ社が変革していった様子を知りたくなったので、この本を読んでみようかと思います。

 

会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。

会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。

 

 

 

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