先日、沢渡あまね氏の著書『職場の問題地図』を読んで、自分の職場が問題だらけだと気がつき愕然としました。
こんにちは! 松田軽太です。
『職場の問題地図』を読むといかに自分の職場に問題あるのかということを痛切に感じさせられます。
問題を解決するには、まずは「問題がある」ということを認識する必要があります。
まずは問題を認識できなければ、解決するという行動をとるキッカケができませんから。
だがしかし!
いくら職場の問題に気がついたとしても、所詮、一個人だけのチカラではどうにもならないのが組織というものですよね。
かくゆう僕も裏ぶれた一従業員にすぎないので、いくら「この職場にはこんなに問題がある!みんなでこの問題を解決していきましょう!」をコブシを振り上げたところで「はぁ?寝言は寝てから言えや!こちとら今、忙しいんじゃ!ボケ!」と口汚い言葉で罵られるのが関の山です。
では、僕たちはこのまま問題を認識しつつ、何もせずに悶々と仕事をするしかないのでしょうか?
ということで今回は『仕事の問題地図』という本を読んでみました。
今回も『職場の問題地図』同様にものすごく身近な事例を挙げてくださっていて、分かりやすく書かれています。
この「分かりやすい」っていう部分がものすごく大事なんです。
いくら素晴らしい内容が書かれた本であっても、読んだ側が理解できなければ、その本は存在しないのと同じです。
結局のところ「伝わってなんぼ」なんです。
沢渡氏の著書はそのあたりを心得ているので非常に分かりやすいのです。
では『仕事の問題地図』について書いていきます。
自分の仕事から改善してみる
まずは自分の仕事を改善して、働きやすくしてみたいと思ったのが「仕事の問題地図」を読んでみようと思ったキッカケでした。
世間では「働き方改革、働き方改革」と呪文のように唱えていますが「本気で働き方を変えよう!」と思って人なんて、少なくとも僕の周りでは居なそうです。
というか…ほとんどの人は働き方を変えたいなんて思ってないんじゃないでしょうか?
だって、慣れた仕事のやり方を変えるって「めんどくさい」じゃないですか。
だからみんな変える気が無いんです。
だったら自分だけで出来ることをやって仕事のやり方を改善した方がよっぽど気が楽になります。
「仕事がうまくいかない」とはどういうことか?
まずは仕事がうまくいかないってどういうことかを認識することから始まります。
本書ではそれをこのように著わしています。
・「いつかやらなくちゃ」とは思っていて、期限を過ぎてしまった…
・計画やルールを決めても、定着しない、続かない
・「し忘れ」「やり漏れ」が常態化
・そもそも最初から終わる気がしない
・いままで勘と気合で何とかなってきたから、計画なんて立てない
と、この5つを読んで「あれ?これって俺じゃん」と思ったアナタ!
おめでとうございます!
自分の仕事を変えるキッカケを見つけたのですから。
では次になんで仕事がスムーズに片付かないのか。
本書ではその理由を以下のように整理しています。
・「計画を立てられない」「進捗が見えない」など仕事の進め方の問題
・「期限に終えることができない」など、個人のスキルも関係する問題
・「一体感がない」「モチベーションが低い」など意識や気持ちの問題
・「誰も意見を言わない」など職場環境や意識の問題
・「やり方を知らない」「有識者がいない」など、知識の問題
・「抵抗する人、邪魔する人が多い」など、人間関係の問題
・「同じ失敗を繰り返す」「失敗から学ばない」など、組織風土の問題
こうして箇条書きにして書き出すと、何が問題点なのかが明確になりますね。
まぁ、僕にとっては耳が痛いことばかりなんですが。
しかし沢渡氏はそんな僕を微笑ましく見守りながらこう言ってくれます。
「だって、人間だもの」と。
決して「このダメ人間め!」と責められたりしないので安心してください。
さて、本書の中でも僕が参考になったと感じたのは「5丁目(第5章) 期限に終わらない」です。
インシデント管理表で仕事を整理する
期限を厳守しなければならない仕事がある時に限って、緊急性のある飛び込み仕事って入ってきますよね。
そういう場合、飛び込み仕事もやらなくちゃいけないし、厳守すべき仕事の進捗も気になるし落ち着かないですね。
僕もそういうことがよくあって、精神衛生上、よくないこともありました。
そんな状況を変えるのに役立つ手法が『仕事の問題地図』で紹介されています。
それがインシデント管理表です。
インシデントという言葉は最近、新幹線の整備不良のニュースで使われるようになりましたが、まだあまり一般的でもないように思います。
インシデントとは「事故にはならなかったけど、危険だったこと」という意味です。
例えていうなら「駅で歩きスマホしていて、うっかり線路に落ちそうになったけど、
危ないところで助かった」といったことですね。
この場合「線路には落ちなかったので良かった」ではなく、そもそも歩きスマホが危険の原因なのでインシデントへの対策は「歩きスマホを行わない」ということになります。
では仕事で起こるインシデントとはなんでしょうか?
本書ではこのように説明されています。
インシデント管理とは「通常の業務を妨げる何か」だと思ってください。
たとえば突発的なオーダー、トラブル、クレーム、問い合わせなど。
いわゆる「横入り」そのもの捕らえて良いでしょう。インシデント管理とはそのような横入り=インシデントにどう向き合うかを組織で判断し、対応を計画し
着実な実施をフォローするための取り組みです。
と、このように通常業務以外の作業への対応方法をを記録・管理することで、次に発生する似たような突発的な仕事にも素早く対応できるようにするのです。
表のイメージはこんな感じです。
最初は書くのが面倒だと感じるかもしれませんが、習慣化すると、書かないと逆に落ち着かなくなります。
本書にあるように、このインシデント管理表に記録した内容をいずれは職場のみんなに共有できるようになるのが理想です。
しかしいきなり「みんなでインシデントを管理しよう!」と言っても「はぁ?意味わかんないんだけど」と相手にされないので、まずは少し未来の自分宛てと思ってインシデント管理表を記入していくと良いでしょう。
皆さんの仕事には年に2~3回くらいしかやらない作業ってありますよね?
年次締め処理とか半期に一度の棚卸し作業とか、そういう頻度は少ないけれど、確実に行わなければならない作業を記録しておくと「えーと、前回ってどうやったっけ?」とイヤな汗をかかずに済みます。
種別、依頼部署、優先度、ステータスといった入力内容が決まっている項目はリストから選択するように設定しておくと、いちいち入力する手間が省けます。
特に注意しておきたいのは№2のように実際に作業する日が一ヶ月くらい先の課題です。
こういう課題はついつい忘れがちになるので、条件つき書式でセルの色をピンクにすると表をパッと見て分かるので、うっかり忘れ防止になります。
ステータスが完了や中止の案件はセルの色をグレーにしておけば、これは終わった案件だとすぐに分かります。
もしくはフィルタで完了と中止は通常は表示しないという方法も余計な表示が減るので有効でしょう。
とまぁ、こんな感じでインシデント管理表を記録する習慣をつければ、いざという時に役立ちます。
一般向けのプロジェクトマネジメントの本
こういったインシデント管理表はIT業界では普通に使われている管理手法です。
しかしそれ以外の業種や部門ではあまり運用されていないのではないでしょうか?
そもそもプロジェクトマネジマントというカタカナ用語だから自分には関係ないと感じてしまうのであって「仕事の進め方」と言い表せば、すべての仕事をする人に関係する話になります。
そこで本書『仕事の問題地図』は一般的に仕事を進める上ので障害となる要因とその対策方法を教えてくれています。
たとえば上司の身勝手な期待と部下のモチベーションのギャップが仕事へのやる気を下げる理由であるとか、どこの職場にもある課題の対処法についても書かれています。
もし「自分の仕事のやり方を変えたいけど、どうやっていいのか分からない」といった人は、是非、『仕事の問題地図』と読んでみてください。
このほかにも当ブログでは『働き方の問題地図』についても書いています。
上司との関係について悩みのある人はこちらの記事も参考になると思いますので是非、お読みください。
「仕事の問題点は分かったけど、職場を改善方法はないだろうか?」といった人には『職場の問題地図』を読んで欲しいと思います。