最近は一般の経済誌でもAIとか人工知能の記事が掲載されるようになりました。
それらを読むと「そうか、進化した人工知能が人間の仕事を奪うのか」と漠然と感じますよね。でも、ふと考えたら「そもそもAIって何なんだ?」って思いませんか?
今回はAIの基礎についてまとめてみたいと思いました。
参考にしたのは 野口 悠紀雄著「入門 AIと金融の未来」です。
では、いってみましょう!
1.そもそもAIってなんでAIというのですか?
AIとは「Artificial Inteligence」の略です。
けっこう知らない人が多いと思うので、豆知識として覚えておくと良いとおもいます。
2.なぜ今、人工知能が注目されているのですか?
現在、人工知能=AIがブームになっていますが、実は今回のブームは3回目です。
一回目は1956年から1960年頃、二回目は1980年代にブームになりましたが、いずれも技術的な壁にぶち当たり終焉しました。
三回目は2010年頃から現在も継続中です。
3.AIは私たちの実生活に本当に影響があるんですか?
AIは私たちの生活や全ての産業を変えていくだけの大きな力を持ちつつあります。
第三次AIブームの前までは、主に製造工場などにロボットが導入されて自動化が進みました。
この時は組み立てなど作業、いわゆるブルーカラーの自動化でした。
しかし現在のAIは事務仕事などのホワイトカラーの領域を自動化していくのです。
4.AIには創造的な仕事(クリエイティブ)な仕事はできないのではないですか?
現在のAIは作曲をしたり、新しい絵画を書いたり、文章を翻訳したりすることができます。
これらの仕事は人間にしかできないと言われていましたが、ディープラーニング(深層学習)という新しい技術によってできるようになりました。
ある実験でAIが作曲した音楽でコンサートを行ったところ、AIが作曲した音楽で多くの人が感動したのです。
「クリエイティブな仕事であれば人工知能に仕事は奪われることはない」と、ウカウカしていられない時代になりつつあります。
5.従来のコンピューターとAIは何が違うのですか?
従来のコンピューターは人間がコンピューターに対して「○○の場合は○○する」のように指示することが必要でした。
しかし、現在のAIはコンピューターは自分で学習することができるのです。
そのことを「機械学習」といいます。
また言葉だけではなく図形も認識できるようになったのです。
6.機械学習で何でも自動的に学習することができるのですか?
機械学習で人間がプログラムによって指示する必要はなくなりましたが、コンピューターが学習するデータは人間が与える必要があります。
例えば映画「フィフスエレメント」のようにコンピューターがテレビやネットからあらゆる情報を吸い取って超人的な知識を得るような段階ではありません。
機械学習はある特定の分野に限っては有効になります。
例えば大量の画像から特定の物や人を探し出すといった作業は人間よりもAIの方が優れています。
具体的には犯罪捜査で防犯カメラの画像から犯罪を探したり、空港などで防犯カメラの画像からテロリストを探し出すといった使い方が考えられます。
7.AIは万能ではないのですか?
現時点でのAIは万能とは言えません。
AIには「汎用AI」と「特化型AI」に分けられます。
「汎用AI」は人間と同じようにあらゆる状況を自分で判断して、臨機応変に対応するコンピューターです。
「特化型AI」はある分野に特定して人間と同じように対応するコンピューターです。
現時点では「特化型AI」までが実用化できる部分であり「汎用AI」までは実現できていません。
8.汎用AIが無理なら仕事は奪われないのですか?
特化型AIはある特定の分野では人間以上の能力を持つでしょう。
特化型AIは「新しい機械」のようなものです。
例えば、飛行機は「空を飛ぶ」という能力がありますが、人間がいくら飛行機に対抗しても空を飛ぶことはできません。
そして、今、全世界で開発競争に凌ぎを削っている「自動運転」技術が確率したら、運転手という仕事は人間から奪われることになるでしょう。
人間は特化型AIと張り合うのではなく、上手に使うことが必要なのです。
9.いずれ全ての人間の仕事が無くなってしまうのですか?
どんなにAIが進化しても、全ての仕事がAIに奪われることはないでしょう。
現時点では特化型AIですが、いずれ汎用AIができるかもしれません。
しかし、それでも何か必ず人間にしかできない仕事は残ります。
ということは「AIにできなくて、人間にしかできない仕事は何か?」を考えるべきです。
人間にしかできない仕事の価値が上がるからです。
大切なのは「AIに奪われる仕事は何か?」に怯えるのではなく「どうやってAIを活用するか?」を考えて、仕事を効率化することなのです。
特に日本は超高齢化社会と人手不足が深刻です。そのような社会状況なので、上手くAIを活用して仕事の効率化を進める必要があるのです。
今日のところはこの辺にしておきましょう。
もっと詳しく知りたい人は「入門 AIと金融の未来」を読んでみてくださいね。