2019年5月31日、ついに話題の映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が公開されましたね。
こんにちは! 松田軽太です!
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』レジェンダリー・ピクチャーズが製作するゴジラ映画の第2作目にあたります。
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』にはどんな怪獣が登場するのか?
映画の「モンスターズ」のタイトル通り、今回は「ゴジラ」をはじめとして「ラドン」「モスラ」「キングギドラ」といった東宝版ゴジラ映画でもおなじみの怪獣が登場します。
そのいずれの造型も東宝オリジナル版をベースにデザインされていて素晴らしい出来映えです。
これらの怪獣が大暴れするのを観るだけでも大満足できる作品となっています。
ゴジラ
キングギドラ
ラドン
モスラ
「ハリウッド版ゴジラ」は2種類ある
前作は2014年に公開されたギャレス・エドワーズが監督する『GODZILLA ゴジラ』です。
実はハリウッド版ゴジラには『GODZILLA ゴジラ』の前、1998年に製作された『GODZILLA』という作品があります。
こちらは『インデペンデンス・デイ』や『デイ・アフター・トゥモロー』などの世界が滅亡する映画を得意とするローランド・エメリッヒが監督しました。
しかし、この時のゴジラまるで巨大なトカゲのようで迫力に欠け、およそゴジラという名前を科すにはふさわしくないデザインであり、多くのゴジラファンが失望しました。
(まぁ、ゴジラではない別の怪獣映画だと思ってみれば、そこそこ楽しめるとは思いますが)
ということでこのブログの記事では1988年のハリウッド版ゴジラと区別するために「レジェンダリーゴジラ」と呼びますね。
初代ゴジラは反戦・反原爆映画だった
『ゴジラ』という怪獣は1954年に東宝が制作した映画『ゴジラ』が原典となります。
ポツダム宣言受諾による終戦が1945年8月15日なので、それからわずか9年後に初代ゴジラ映画は製作されたのです。
そのような時代背景もあり初代『ゴジラ』は反戦映画であり反原爆がそのテーマとなっています。
ゴジラという怪獣は「戦争」や「原爆」のオマージュなのです。
ちなみに『ゴジラ』という名前の由来は「クジラとゴリラを組み合わせてゴジラにした」ということです。
シン・ゴジラと初代ゴジラの共通点
『ゴジラ』といえば2016年に公開された庵野監督の『シン・ゴジラ』の印象が強いですね。
しかしシン・ゴジラとレジェンダリーゴジラでは、同じ『ゴジラ』を主役とした映画でありながら、その趣きは大きく異なります。
庵野監督のシン・ゴジラは「東日本大震災」や「福島原発事故」という人間の手ではコントロールできない災害に突如、襲われた人々の姿を描いた作品として、非常に完成度の高い作品になりました。
そういう意味では庵野監督のシン・ゴジラは1954年の初代ゴジラの系譜を継いだ由緒正しいゴジラ映画だと言えます。
レジェンダリーゴジラと平成ガメラの共通点
レジェンダリーゴジラは正当な怪獣映画を大規模な予算で作り上げた傑作となりました。
レジェンダリーゴジラは従来のハリウッド映画にありがちな、オリジナル作品のコンセプトを覆すようなムチャクチャにするような設定はなく、ゴジラ映画に対するリスペクトを感じられる仕上がりになっていました。
前作のハリウッド版ゴジラの出来に不安を感じていたゴジラファンも一安心したことでしょう。
しかし僕はレジェンダリーゴジラは何度見ても『平成ガメラ』に近い方向性を感じるのです。
平成ガメラとは?
平成ガメラとはシン・ゴジラでも特技監督を務めた樋口 真嗣さんが特技監督した作品です。
平成ガメラは今観ても、その圧倒的な映像美に目を奪われます。
特にガメラとギャオスの飛行シーンは素晴らしい映像です。
平成ガメラは三作ほど作られましたが、その中でガメラは一貫して「地球の守り神」として描かれています。
あくまでも地球の調和を取り戻すためにガメラは戦うのです。決して「ただの人間の味方」のような存在ではないのです。
レジェンダリーゴジラでも平成ガメラと同じく、地球の生態系のバランスをとる存在として描かれています。
2作目の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』も面白い
映画はヒットすると二作目が作られますが、なかなか二作目は一作目を越えるのは難しいものです。
一作目は「ゴジラ」という謎の怪獣の存在意義を描くことで、物語を進めることが出来ます。
しかし、二作目はすでにゴジラが存在したという前提で物語を描く必要があります。
登場シーンまで引っ張ることが出来ないのです。
またその他にも大きな不安な点がありました。
前作を監督したギャレス・エドワーズから監督が変わったのです。
多くの映画の二作目は、一作目ほどの面白さを感じられないことが多いのです。
例えば巨大ロボットと怪獣が対決する『パシフィック・リム』の一作目は傑作として特撮映画ファンから大絶賛されました。
それは監督であるギレルモ・デル・トロの巨大ロボット愛や怪獣愛が作品から溢れ出ていたからです。
しかし二作目の「パシフィック・リム アップライジング」は一作目ほどの感動を得ることができませんでした。
その大きな理由はギレルモ・デル・トロが監督しなかったからです。
ギレルモ・デル・トロは当時、映画『シェイプ・オブ・ウォーター』を製作していたのです。
『シェイプ・オブ・ウォーター』は第75回ゴールデングローブ賞の監督賞、第90回アカデミー賞の監督賞という大きな評価を得ることができたので、結果的にギレルモ監督のキャリアにとってはプラスにはなりましたが、多くの『パシフィック・リム』ファンは再び、ギレルモ監督が復帰してくれることを望んでいることでしょう。
ちょっと話が脱線しましたね。
監督変更というのは、このように大きな影響があるのですが、幸いにもレジェンダリーゴジラ二作目の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は非常に良い出来映えになりました。
ネタバレせずに一言で著すなら「正しい怪獣プロレスを観られる映画」となっており、怪獣映画ファンの満足度も高い仕上がりです。
そして平成ガメラに通じる怪獣映画としての情景美を感じることができます。
怪獣が街で暴れて壊しまくるだけではなく、そこに映像美が加わることで、単なる怪獣映画の域を越えることができたと感じます。
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』を監督したマイケル・ドハティとは?
大傑作となった『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』ですが、これは監督のマイケル・ドハティの手腕によるところが大きいでしょう。
マイケル・ドハティ監督は1974年生まれなので『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』で監督した時は44歳です。
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』をご覧になった人は分かると思いますが、ゴジラ映画に対する大きな愛を感じることができました。
ちなみにマイケル・ドハティはX-MEN2で脚本を担当しています。
映画のパンフレットからマイケル・ドハティ監督の言葉を引用しますね。
今回の映画では脚本も担当しましたが、子供の頃からゴジラ映画を観ていて巨大なクリーチャーが僕たちの生活をしている地面の下で眠っていてある時、それが目覚める。
彼らはもともといた存在だから、どこを見ても怪獣がいる世界になっていて、人類はそれに合わせて生きていかなくてはいけない。
そんなことを子供ながらに夢想していたんです。
この言葉、もうまさに『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の本質を的確に表現しているといえます。
つまりマイケル・ドハティはまさにゴジラ映画を作るために生まれてきたような人なのです。
今回、いわゆるハリウッド映画にありがちな、過剰な家族愛の描写は行われていません。
あくまでも怪獣映画を進めるためにストーリーが存在します。そのドライさも作品を引き締めているといえるでしょう。
パンフレットは2種類ある
最近はパンフレットも豪華版と普通版の2種類ありますが、僕は豪華版のほうを購入しました。
豪華版の方はイラストが豊富に載っており、画集を買うような感じです。
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の世界を非常にクオリティ高く表現したイラストが多数、収録されているので個人的には豪華版の方がオススメです。
豪華版のカバー
まとめ
ということで大傑作な怪獣映画の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』を観るのであれば、IMAXなどの大画面と大音響の中で観ることをお勧めします。
ぜひ大画面で『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』を満喫してください。
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