松田軽太のブロぐる

企業の情シスで働いています。会社の中では何をしてるのかナゾな職場の情シスあるあるなどや読んだ本のことなどを思いつくままに書いています。

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100円ショップ『ダイソー』が急成長した秘訣は尋常ではないくらいの「お客様第一主義」だった

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100円ショップのダイソーといえばどこの街にもあって、なんでも100円で売っていて便利ですね。


こんにちは! 松田軽太です。


ダイソーはデフレ時代の王様と言われています。


物価が上がり続けるこのご時世で、お財布の中身を気にせずにお買い物できるのは楽しいものです。


ダイソーは今や日本中に進出しており、店舗数は3000店舗を超え、売上高も3000億円を越える超大企業です。


最近では日本以外の海外にも進出し大成功を収めています。

 

今回はそんなダイソーについて考えてみました。

 

百円の男 ダイソー矢野博丈

百円の男 ダイソー矢野博丈

 

 


矢野社長のクチ癖は「ダイソーなんかすぐに潰れる」


と、まぁ、僕のような一般人からすれば、100円ショップで世界征服しちゃった感があるダイソーには、もはや怖いモノなんかないように感じてましたが、意外にもダイソーの社長のクチ癖は「ダイソーなんかいつ倒産てもおかしくない」と不安で不安で仕方がないというのです。


ダイソーを創業したのは矢野博丈氏です。


矢野社長がいつも不安で仕方がないのは、若い頃に700万円もの多額の借金を背負ったり、信頼していた人から裏切られたり、夜逃げしたりと様々な苦労を経験しているからです。


しかし過剰なまでの臆病さがあったからこそ、現在の成功を手に入れられたのだと思います。


「安物買いの銭失い」と言われてことが悔しかった


日本には「安物買いの銭失い」という言葉があります。


欲しいと思っていたモノを安く買えて嬉しいと思ったのもつかの間、使い始めたら、あっという間に壊れてしまった、という時に「あーあ、もう壊れてちゃった。これじゃ『安物買いの銭失いだな』なんて言いますよね。


今でこそダイソーのお店はキレイな感じになってますが、その昔は車で地方を巡回する移動販売でした。お店もベニヤ板に商品を並べて売る露天商みたいな販売方法でした。


そんな感じで販売していた矢野社長はある時、お客さんがボソリと言った「安物買いの銭失いだな」という言葉が非常に悔しくて「こうなったら、徹底的に品質をあげて驚かせてやる!」と心に誓ったのです。

 

採算度外視でも顧客満足度向上させる


当時の100円均一商品といえば、その仕入れ原価は10円とか20円が一般的でした。


しかし矢野社長は原価を最大限に上げて、品質を徹底的に向上させたのです。


100円で売る商品の仕入れ原価が98円なんてこともザラにありました。


他の100円均一商品の原価がせいぜい20円なのにダイソーの商品は同じ100円でも原価が3倍も4倍も高いのだから、品質も圧倒的に高いのは当然といえば当然です。


その差は商品を目にしただけで分かる違いです。


なのでダイソーの商品は飛ぶように売れました。同業他社と比べても圧倒的に売れます。


しかし利益は決して高くありません。


いくら原価が高くても、販売価格は100円と決まっているのですから。


普通の商売であれば『仕入れ価格 - 販売価格 = 利益』という計算をして、どの商品がいくら儲かったのかと分析しますが、当時の矢野社長は「お客様が驚く顔が見たい」というのが商売のモチベーションだったので、利益計算なんかしなかったのです。


「まぁ、潰れなければなんとかなる」という考え方なのです。

 

実はそれこそが同業他社との違いなのです。


その矢野社長の考え方は現在のダイソーにも受け継がれています。


ダイソーに足を運ぶたびに「え?この商品が100円なの?マジで?」という驚きの体験ができるのは、矢野社長のおかげなのです。


セブンイレブンとダイソーの共通点


昔の100円均一商品はイトーヨーカ堂やダイエーなどのスーパーに設けられた特設催事場で販売されてました。


ある日、矢野社長はセブンイレブンを率いる「コンビニの父」である鈴木敏文会長の仕事ぶりを見て驚いたのです。


その当時のセブンイレブンは流通業での成長企業であり風雲児でした。


ある時、鈴木敏文会長はパンのバイヤーを呼びつけて大激怒したのです。


鈴木会長「おいこら!お前、このカレーパン、美味しくないじゃないか!!」


バイヤー「いや、会長。お言葉を返すようで申し訳ないですが、そのカレーパン、スゴく売れてますよ」


鈴木会長「何だと!こんな美味しくもなんともないパンが売れてるだと!美味しくもなんともないパンが売れてるなんてお前はセブンイレブンを潰す気か? 即刻、カレーパンを廃棄しろ!!」


・・・と、大激怒したのです。


普通の会社であれば


社長「このカレーパン、美味しくないんじゃないか?


業者「そうですか?でもよく売れてますよ」


社長「そうか、ならいいか」


・・・で終わってるところでしょう。


この違いがセブンイレブンと他のコンビニの商品の品質の圧倒的な差になったのです。


「今日を否定」する凄さ


セブンイレブンの商品は一年で7割近くの商品が入れ替わります。


お店の看板は「セブンイレブン」であっても1年~2年も経つとほとんどの商品が入れ替わっていることになります。


普通の会社は、一度、成功すると、その商品やその商売の方法を「成功の方程式」として秘伝のワザとして踏襲します。


しかし、セブンイレブンがここまで成功した大きな理由は鈴木会長流の「変化し続ける」という姿勢を貫いたからです。


矢野社長はそんな鈴木会長の姿を見て「変化し続けること」と「妥協のない商品開発」の重要性を学んだのです。


ダイソーでは新商品が毎月700種類も販売されます。

 

商品アイテムは7万種類にもおよび99%を自社開発だというから驚きです。

 

これだけの商品を取り揃えることで、消費者に飽きられないお店を維持しています。

 

そして消費者から飽きられないためには新商品を出し続けることの大切だということをセブンイレブンから学んだのです。


商品を大量発注する


ダイソーではメーカーに対して一つの商品につき100万個という規模で大量発注します。


一般的に企業は在庫を持つことを嫌います。


トヨタ自動車のトヨタ生産方式では、極力在庫を持たないように工夫します。


いくら「在庫は資産」といっても、在庫では仕入れたり、支払いはできません。


無駄な在庫は資金の無駄という考え方が一般的です。


しかしダイソーは真逆な発想で大量発注します。


大量発注することで商品の仕入れ価格を抑えることができますが、同時にメーカーの生産ラインを占有することができます。


100万個もの発注を貰ってもメーカーの生産数は限りがあるので、せいぜい10万個を10回分納するようになります。


するとそのメーカーの生産ラインはダイソーが占有するので、そのメーカーが同業他社や異業種から新規参入した会社の発注を受け手も、ダイソーが発注した分の生産が終わらないので商品を仕入れることができず、参入障壁を作ることができるのです。


ダイソーが徹底するお客様第一主義


ダイソーのお客様第一主義は徹底している。


矢野社長はとにかく高品質な商品をいかに100円で提供できるかを真剣に考えています。 

矢野社長の喜びは「ホントにこの商品が100円なの?」という驚きの表情を見ることが生き甲斐だからです。


だからダイソーのバイヤーは矢野社長から常々、こう言われています。


「100円で売って50円儲かる商品と1円しか儲からない商品があったら、1円しか儲からない商品を大量に売ること」


その方がお客様が喜んでくれるので、結果的に利益も増えるのです。


平成8年のダイソーは売上高が233億円でした。


それから20年後の平成28年後の売上高は3950億円です。


わずか20年で20倍近くも売上高が大きくなっています。


これこそダイソーの商品がお客様から信頼されている証しなのです。


まとめ


このように平成のデフレ時代を破竹の勢いで急成長したダイソーですが「売価100円」という価格の縛りがあるからこそ、知恵を絞って商品開発を行うことができたと言えます。


そして矢野社長の創業から一貫した「お客様第一主義」という姿勢が多くのダイソーファンを作ったのです。


セブンイレブンにせよニトリにせよダイソーにせよ、いつの時代も消費者の心を惹きつけるのは「価格以上の価値」なのです

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