松田軽太のブロぐる

企業の情シスで働いています。このブログでは読んだ本など思いつくままに書いています。

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「値下げしても儲かるカラクリ」について考えてみた

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さて、今回も永井孝尚氏の著書『なんで、その価格で売れちゃうの?』をベースに
「値下げしても儲かるカラクリ」について考えてみたいと思います。

 

前回、「値下げは一時的な集客はできるけど、値下げした値段にお客さんが慣れちゃうと、定価で買ってもらえない」ということで安易な値下げはヤバい!と書きました。

 

www.matudakta.com

 

今回は「定価から値下げして集客する」ということではなく「利益をキチンと確保した上で戦略的に低価格を実現する」というものです。

 

いわゆる「価格破壊」というヤツですね。

 

一流の味を手軽に楽しめる「ティム・ホー・ワン」

 

ところで皆さんは日比谷にある「ティム・ホー・ワン」というお店をご存知でしょうか?

 

僕は本書を読んで初めて知ったのですが、このお店は香港点心屋さんなのですが
なんとあのミシュランガイドで1つ星を取ったという名店なのです。

 

それだけなら、他にもたくさんのお店がありますが、「ティム・ホー・ワン」の
スゴイところは、その価格が非常にお手ごろな点にあります。

 

ということでまずはサイトを見てみました。

 

timhowan.jp

 

トップ画像から美味しそうなメニューがてんこ盛りです。

 

「店舗案内」ページを見ると、日比谷店のほかに新宿にもお店があるのですね。

 

「ABOUT」ページでは以下のように説明されてます。

 

4年連続でミシュラン3つ星を獲得したフォーシーズンズホテル香港の広東料理店「龍景軒」の点心師を務めたMak Kwai Pui シェフが、パートナーのLeung Fai Keung シェフと共に「よりカジュアルに、日常的に本物の味を」という想いから独立して2009年にオープン。

 

日常的な料金で一流ホテルの味を楽しむ事ができるレストランとして評判を呼び、2010年にはミシュラン1つ星を獲得。


今では香港を訪れる外国人観光客も詰めかける世界的有名店となりました。

 

 

「よりカジュアルに」とありますが、本書でも書かれていたようにメニューは500円~700円とお手ごろな価格です。


この価格でミシュランガイドで星を取ったお店の味が楽しめるのだから、価格以上に価値がありますよね。

 

でも何でこんなに安い価格で提供できるのでしょうか?

 

その辺りのカラクリが本書では説明されています。

 

「ティム・ホー・ワン」の料理の材料は、特別な高級食材を使っていないのです。

普通のスーパーマーケットで売っている普通の食材を使用しています。

 

しかし、食材は普通でも味付けが超一流なのです。

 

ABOUTページにも書かれていますが、まさに『日常的な料金で一流ホテルの味を楽しむ事ができるレストラン』なのです。


日比谷か新宿に足を運んだ際には、是非、立ち寄ってみたいお店です。

 

劇的に美味しいお弁当屋「旬八」

 

次に紹介するのは「旬八キッチン」というお弁当屋さんです。

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※旬八サイトより

旬八青果店 旬八Kitchen

 

こちらも価格以上の美味しさを提供してくださっています。

 

お店のコンセプトは以下のようになっています。

 

いつも新鮮な野菜を食べて欲しいから徹底的に価格にこだわります。

「せわしない毎日でも、新鮮な青果を食べてほしい」

そんな想いから、旬八キッチンは味だけでなく、価格にも徹底的にこだわっています。


都市で働く、不本意な食生活をしているみなさんへ。 旬の青果をふんだんにつかったお弁当やお惣菜やサラダやスムージーを、 お手頃価格でお届けします。

 

<参考価格>
八百屋の平弁・・・・・509円~
旬八丼・・・・・・・・463円~
八百屋のサラダ・・・・139~324円
旬ムージー・・・・・・185円~
※税抜き価格

 

 

ほぼコンビニ弁当と同じような価格帯ですよね。


それでいて新鮮な野菜が食べられるのだから、近所にあったら通ってしまいますね。

さて、旬八の美味しいお弁当をこの低価格で提供できるのには、もちろん、カラクリがあります。


実はサイトにその秘密が書かれているのです。

 

こだわって作られたおいしい青果を、無駄なく利用しています。
産地とつながっている私たちだからできること。

 

旬で取れすぎちゃった野菜やちょっと傷のついた果物なども仕入れ、お弁当やお惣菜に使用しています。


例えば夏に取れすぎたきゅうりは、サラダに、スムージーに、ドレッシングに。

新鮮でおいしい青果を、すぐに食べられる形に生まれ変わらせています。

 

どのメニューも野菜や果物がたっぷり。食材本来の味が楽しめるお弁当やお惣菜をお楽しみください。

 

 

これを本書ではこんな風に説明してくれます。

 

旬八のお弁当は500円台で食べられるのに非常に美味しい。
食べてみると分かるが、内容は1000円くらいするお弁当と同等です。

「きっと原価ギリギリで儲けは少ないんだろうな」と思ったが、意外にも材料費は130円程度だという。
なんと粗利益にして75%というから儲かっているのです。

もともと八百屋の旬八は市場からではなく、農家と直接取引をしているのです。
しかし野菜の中には色や形が出荷できる基準に満たないものも中にあります。

通常、出荷できる基準にない野菜は捨てるしかありません。

旬八はそんなちょっと規格からハズれてしまった野菜を半値で仕入れて、お弁当の材料にしているのです。

 

 

これって売るほうも買うほうもお客さんも関わる人たちの全てがハッピーになりますよね。

 

ちなみに八百屋さんのほうの「旬八」のサイトはこちら

http://shunpachi.jp/


八百屋さんとは思えないオシャレなサイトです。

 

 

やらないことを決めることで価格破壊を実現する


「ティム・ホー・ワン」にせよ「旬八」にせよ、価格破壊を実現できるているのは
やらないことを決めた』からです。

 

「ティム・ホー・ワン」は『美味しさ』をこだわりのポイントとし、材料は普通の食材にしたことで一流レストランでは出来ない価格を実現しました。


「旬八」は一般的には青果市場で仕入れるという常識を覆して、農家と直接取引をすることで廃棄してしまう規格外野菜を半値で仕入れて美味しいお弁当の提供を実現しました。

 

分かりやすく書くと

・「ティム・ホー・ワン」→高価な食材は使わない
・「旬八」→青果市場から仕入れない

これが『やらないこと』なのです。

 

本書ではこの方法を『コストリーダーシップ戦略』と説明しています。
経済学者のマイケル・ポーターが提唱している競争戦略です。

 

このコストリーダーシップ戦略でもっと皆さんの身近なお店はQBハウスという
1000円カットの散髪店です。

 

従来の床屋さんでは、髪を切る以外に顔剃り、洗髪、マッサージなどの「髪を切る」以外のサービスを行っていました。

それらのサービスも込みで1時間で5000円という価格でサービスを提供していたのですが、「髪を切る」以外のサービスをやめることで、10分で1200円を実現したのです。

 

こちらも『やらないこと』を決めたわけです。

 

「業界の常識」を否定する

 

コストリーダーシップ戦略のポイントは『やらないことを決める』ワケですが、
それって『やるのが当たり前』というその業界の常識や商習慣にコダわらない
ということです。

 

しかし、これってけっこう難しいですよ。

 

自分だけでやっている個人経営であれば、どんな方法も可能ですが、その業界で
長く働くたくさんの人と一緒に商売をしているのであれば「これ、やめてみようか?」
と言ったら「はぁ?ウチの業界では、やるのが当たり前ですよね? そんなのいきなり
止めたら、お客さんが全員、逃げてしまいますよ」と間違いなく警告されます。

 

「常識を否定する」というのは、その警告を聞いても、それでも止めるという強い意志が必要なのです。

 

なんで、その価格で売れちゃうの? 行動経済学でわかる「値づけの科学」 (PHP新書)

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www.matudakta.com

 

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