皆さんは「企業の寿命」って考えたことがありますか?
「企業の寿命は30年」だと言われています。
こんにちは! 松田軽太です。
創業30年以上の会社はわずか0.02%
30年以上、事業を継続できている会社の割合は0.02%です。
30年以上前ってスマホもインターネットも無い時代ですよね。
この30年の間に世の中は大きく変わっています。
そう考えると昭和の時代から続いている会社って、それらの激変する社会環境を
乗り越えて生き残っているので、実はすごく逞しいんですよね。
最古の会社はどこか?
では「日本で一番古くから続いている会社ってどこだろうか?」と気になったのでググってみたら『100社起業したら、30年後に何社残るの?』という記事が目がとまりました。
これのブログ記事によると
世界最古の起業は『金剛組』である。
578年創業で、最初のクライアントが聖徳太子というからスゴイ。
四天王寺建立のために作られた会社らしい。
「100年なんてあっという間やで」とか言われそうだ。
なんと聖徳太子がクライアントですよ!
「聖徳太子がクライアント」なんて言葉を書く機会なんてそうそうありませんよね。
ということで『金剛組』が気になったのでググってみました。
おぉ!ありました!そしてなんか荘厳なサイトですよね。
会社概要を見てみると「創業:飛鳥時代第30代敏達天皇7年(西暦578年)」とあります。
今年が2019年ですから、なんと創業から1441年も経っているんですね。
スゴイ・・・。
ちなみにこのような業務内容です。
「業務内容:総合建設およびこれに附帯関連する一切の業務。
社寺建築の設計・施工・文化財建造物の復元、修理等を特技とする」
どうやら文化遺産となっているお寺や仏閣などを修復されているようです。
もう興味が沸いて仕方がないので沿革を見てみました。
「578年 聖徳太子の命を受けて、海のかなた百済の国から三人の工匠が日本に招かれました。
このうちのひとりが、金剛組初代の金剛重光です。
工匠たちは、日本最初の官寺である四天王寺の建立に携わりました。
重光は、四天王寺が一応の完成をみた後もこの地に留まり、寺を護りつづけます」
本当に聖徳太子ですよ!
作業工程はウォーターフォール型だった
では「建築の流れ」を見てみます。
すると
「企画」⇒「合意形成」⇒「設計」⇒「契約」⇒「施工」⇒「竣工」⇒「保全」
と書かれています。
これを見ていたら「あれ?なんかこの流れ、見たことあるような・・・」と思いましたが
システム開発のウォーターフォール型開発と全く同じですよね。
確かにウォーターフォール型で構築されたシステムは堅牢ですよね。
逆に言えば堅牢であるが故に「DX-2025年の崖」という危機に陥ったとも言えます。
価値があるから存続していく
2006年に高松建設の支援で再出発したとあります。
高松建設株式会社の出資を受け、新生 金剛組として再出発。
創業以来1430年余にわたる伝統の技術と心、ならびに従業員・宮大工といった人材をすべて引き継いで新たなスタートを切りました。
現在、金剛組が擁する宮大工の数は約120名。最近ではこの伝統の技を知りつくした力に加えて、最新技術と伝統工法の融合を図り、いつまでも歴史に残る社寺建築をつくりたいと願う若い力が大きく育っています。
金剛組には120人もの宮大工がいるのですね。しかも若い人材も確保できているようです。
1400年以上の長きにわたり存続できているのは、事業自体に価値があるからに他なりません。
リクナビNEXTでは金剛組の刀根社長のインタビューが掲載されていました。
『【聖徳太子の命で創業】世界最古の会社・金剛組の倒産危機を救った国宝級の匠技となにわ節』
この記事に中に高松建設の会長の言葉があります。
これが非常に心を打たれます。
金剛組を潰したら大阪の恥や。古いものは一度なくなってしまうと二度と元に戻すことはできない。
そうなれば長い年月、積み重ねてきた人の努力も技術もなくなってしまう。
商人の街、大阪の上場企業として、それを見逃すようなことはできない
日本の伝統的な技術を守るという素晴らしい志ですよね。
「企業の寿命は30年」と言われる時代にも生き続けている時代に1400年以上も生き残り続けることができるのは、目先のお金儲けだけが事業ではないということを教えてくれる逸話だと思います。
1400年も続いた老舗企業も時代に合わせて進化している
高松建設の支援はお金だけはなく経営にも大きく関わるようになりました。
昔からある企業の多くに見られるように、それまでの金剛組は経営者のワンマン体制でした。
高松建設の指導のもと、合議的な運営をする「ガラス張り経営」に移行したのです。
企業が長く存続していくためには時代に合わせて、企業内部の体質も変化していく必要があるのです。
しかし「企業の寿命」を調べていたら、まさか「聖徳太子がクライアント」の会社に辿りつくとは思いもよりませんでした。
金剛組の書籍もあるようなので読んでみたくなりました。