皆さんの会社の情シス部門って何人いますか?
こんにちは! 松田軽太です。
最近では情シス部の平均的な人数は従業員数の1%だと言われています。
従業員100人の会社であれば1人ということになります。
長年、情シス部は利益を生まないコストセンターとしての異名をとるだけの
ことはあって、人員数は少ないんですよね。
まぁ、さすがに誰も居ないと困るけど、たくさん居ても利益なんか生まないんだから
目先、困らない程度の人数だけ確保しておけばいいかというところでしょう。
ということで今回は福田敏博:著『ひとり情シスのためのRPA導入ガイド』を参考に
考えていきたいと思います。
では100人以下の会社には情シス部はないのかといえば、そんなことはなくて
情シス部がある会社もあれば、総務とか経理で兼任しているという会社もあります。
その前に「そもそも情シス部ってどんな仕事してるの?」と思われた方はまずは
こちらの記事をご覧ください。
情シス部を取り巻く環境は大きく変わっている
では情シス部の人数は割合的に従業員100人に対し1人で足りるのでしょうか?
ここ数年、情シス部を取り巻く環境は大きく変わっています。
何が変わったのかというと『人手不足』と『デジタル・トランスフォーメーション(DXと略します)』です。
もちろんこれらは情シスだけの問題ではなく、日本にあるすべての会社で共通する課題です。
従来のDX以前の情シスは「基幹システムを安定稼動させる」が使命でした。
基幹システムの安定稼動とは通信回線であったりセキュリティであったりBCPであったりします。
ちなみにBCPとはビジネス・コンティニティ・プランの略で日本語に訳すと事業継続計画です。
いずれにせよこれらは基幹システムを安定稼動させるために必要です。
ではDX後は何が変わったのかといえば「基幹システムを安定稼動させる」以外の部分が増えたのです。
よく日経 xTECH/日経コンピュータの『木村岳史の極言暴論!』でも論じられてますが、従来型の情シス部門もままではいずれ不要になるだろうと危惧されています。
いつまでも金喰い虫のコストセンターのような仕事ではなく、会社の利益に貢献する情シスになるべきだというのが世間の風潮です。
『攻めの情シス』ってことですね。
『攻めの情シス』ってドコを攻めればいいの?
とはいえ『利益に貢献する』とはいってもシステム開発を受託するとか、ソフト開発して外販するとかの本気で営業するようなことではありません。
基幹システムには山ほど情報が蓄積しています。しかしこれまではこれらの蓄積した情報を活用できていたかというと、そうではないでしょう。
そこでインテリジェンスBI(Tableau とか MotionBoard といった高性能なBIツール)を活用して今まで見えなかった企業の課題や潜在的な顧客の発掘などを行うことで、今まで気がつけなかった需要を掘り起こすといったことを情シス部が先導するということです。
「そんなの経営企画の仕事じゃないか?」と思うかもしれませんが、どこにどんな情報があるのかを一番把握してのは情シス部でしょうから、経営企画と一緒に仕事すれば良いのです。
インテリジェンスBIで利益に貢献する事例
トランコム株式会社という物流会社の事例を挙げてみます。
日通や西濃といった大手の物流会社では自社でトラックを保有しています。
しかしトランコムは物流会社でありながら、自社でトラックを保有していません。
トランコムという会社はトラックの「空車情報」と荷主の「貨物情報」のマッチングさせて荷物を運ぶというユニークな物流会社なのです。
「それってUber(ウーバー)みたいじゃん」と思いますよね。
そうトランコムは物流業界でUber(ウーバー)のようにトラックのマッチングビジネスを20年以上も前から行っているのです。
つまりいかに効率よくマッチングできるかで業績が変わるのです。
マッチングの精度を向上させたのがインテリジェンスBIの MotionBoardなのです。
人手不足対策には業務改革が必要
そして日本は人手不足先進国とでも言えるくらい、劇的に労働人口が減っています。
しかし皆さんもお気づきのように、仕事自体は人手が減る前と後でもそんなに変わっていません。
となるとどう考えても過重労働になるのは明らかです。
それを解決するためには業務改革や業務の自動化が必要になります。
業務改革をするといっても、会社の中の多くの部門の人は自分の所属している部署の仕事しか詳しい内容が分かっていません。
まぁ、やったことがない仕事の内容なんか知ってるワケがないから当たり前ですよね。
しかし、情シス部は例外といえます。
何故なら基幹システムは会社の中を縦断して導入されているからです。
例えば「購買・仕入れ⇒製造⇒在庫⇒販売⇒請求」といった会社の大きな流れをデータとして把握しているのです。
なので情シス部の知識が業務改革には不可欠だといえます。
ということで『攻めの情シスとなって利益に貢献する』とはこういうことを指すのでしょう。
要するに今までよりも仕事が増えるってことです
では実際のところはどうかというと『やることが劇的に増える』ということです。
今までの『守りの情シス』でやっていた「基幹システムを安定稼動させる」もモチロン継続しますから、単純に考えても仕事は増えこそすれ、減ることはありません。
昨今の働き方改革とは真逆のように感じまよね?
経営陣からすれば「今の基幹システムは安定してて問題ないから仕事が増えても問題ないだろう」と考えがちです。
実際は情シス部が『大事故が起こる前に対処して、安定稼動させている』だけなのですが、残念ながらこの世の中、事故が起こってからでないと、水面下の危険には気がつかないものなのです。
業務効率化の領域でRPAが活躍する
RPAはご存知のとおり、パソコンが人間の代わりに作業を自動で行ってくれる便利なソフトです。
当初は『プログラミング知識のない現場の作業者でもRPAロボットを作れる』というふれこみでしたが、昨今では『RPAといえども少なからずプログラミング知識がないと長く使い続けるロボットを作るのは難しい』という方向に変わってきています。
という話を聞くと「けっきょく情シスがRPAの面倒をみるんじゃん」と苦情が殺到しそうです。
RPAを導入した会社の中にも、実際に現場主導でRPAロボットを作っている事例もあります。
しかし、そういう会社もあるというだけで、RPAを導入した全ての会社で現場主導で運用できるわけではありません。
その会社ごとの実力で大きく変わるのです。
もし皆さんが「え?ウチの会社で現場主導でRPAの開発や運用なんてできるワケないじゃん」と思うのであれば、たぶん、そのとおりなのです。
まぁ、だいたい自社の実力や状況って分かりますよね?
PRAを超高速開発ツールと位置づけする
PRAは従来のプログラミングより圧倒的に簡単で生産性が高いのは間違いないでしょう。
ビジネスロジックやデータモデルや業務フローを考えることは、今までの開発とあまり違いはないでしょうが基本的にはノーコード開発なので、プログラムのコーディングが少なく生産性が高いのです。
またシステムの間をまたがって操作できるので、EAIツールのような他システム連携も可能になります。
ということでひとり情シスにとってのRPAの魅力は『超高速開発ツール』といえるからなのです。
長くなったので、今日のところはこの辺で。
この続きは次回に書きますね。
情シスに関する記事は下記にもありますので、宜しかったらお読みください。
システムの問題地図 ~「で、どこから変える?」使えないITに振り回される悲しき景色
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