Twitterでよく見かける高田ゲンキさんのマンガ『フリーランスで行こう』を読んでみました。
こんにちは! 松田軽太です。
昨年くらいから大企業で大々的に40代からのリストラが大流行していますね。
まぁ、この傾向は経団連の会長やトヨタ自動車の社長から『もう終身雇用はムリっす』という発言が出るようになってからのように思います。
20~30年前に『これで一生安泰』と思って入社した大企業がまさかの『高齢社員、要らない』という大方向転換ですから、もうちょっと我慢して会社で働けば一丁上がりと思っていたベテラン社員は右往左往することになりました。
これって入社時に約束されていた(・・・と思い込んでいた)、大企業に就職したら一生安泰という暗黙の約束事を反古にされたということです。
そもそも「40年も社会が変わらない」なんてことはない
戦後、高度経済成長と共に長く続いた日本式の終身雇用制度ですが、それはあくまでもずっと変わらない経済成長が持続するという前提でした。
しかし『ものづくり』を得意としていた日本の成功の方程式はこの時代には通用せず、今や高品質部品メーカーになりつつあります。
まぁ、日本製の部品は品質が良いので、部品としての評価は高いのでしょうが、やはり一番利益を取れるのは、商品そのものを企画した会社です。
日本の製造業で大きな利益をあげて成功しているのは、ユニクロやニトリのように自社で商品企画を行っている製造小売業(SPA)ですから。
このようにずっと変わらない世の中はない訳です。ましてや情報技術がこれだけ速く発達する時代では尚更です。
会社の平均寿命も短くなっている
最近では会社の平均寿命は35年から20年に縮まったと言われています。
そんな世の中なので20代前半で就職し、60代後半までの40年を一つの会社で働き続けること自体、今やムリがあるのです。
会社に依存しない働き方を考える
さて、高田ゲンキさんはフリーランスのイラストレーターです。
それまでは大手の会社員として働いていましたが、会社員生活がしっくりこずに、会社に束縛されない働き方として、フリーランスを選択しました。
そう考えると高田ゲンキさんの場合は「絵を描く」という特技があるからフリーランスになるたのであって、特に何の取り柄もない「普通の人」がフリーランスになるなんて自殺行為にしか思えないかもしれません。
高田ゲンキさんがフリーランスになったのは、2004年ですから今から15年近く前です。
その頃であれば、何の保障もないフリーランスという生き方を選択するのは、人によっては無謀だと感じるでしょう。
しかし、前述したように終身雇用制度が崩壊しつつある現代では、いつ会社から「もうアンタ要らないから」と通達されておかしくない時代なのです。
ということは、これからの会社員は「自分の価値」を自分で客観的に把握しておくべきでしょう。
高田ゲンキさんがフリーランスになった方法は再現性があるか?
Amazonのレビューを読んでいると「この本の中で書かれているフリーランスになる方法は今では通用しないから役に立たない」という批判もあります。
まぁ、でも高田ゲンキさんがフリーランスになったのは今から15年近く前です。
その頃と現在では社会情勢などの環境が異なります。
だって15年前といったら、まだiPhoneだって販売される前だし、Googleだって今のような巨大企業になる前だしでしょう。
あくまでも高田ゲンキさんの体験談なのですから、それに対して「今では通用しない」というのは、いささかお門違いな批判だと感じます。
むしろこの本は「このまま会社員をつづけるべきか?」と疑問に感じている人や「終身雇用が崩壊しつつあるこれからの日本社会で、この先、どうやって働きうこうか?」と漠然と考えている人が「会社に縛らなれない生き方の一つにフリーランスという働き方があるよ」と提案してくれているのだと考えるべきでしょう。
なぜなら、アナタは高田ゲンキさんではなく、別の個性を持った人間だからです。
もし「自分もフリーランスになってみたい」と思ったのであれば、高田ゲンキさんの行動をトレースするのではなく、現代の環境や自分をの志す業界や自分のみ性格といったことを、自分なりに分析したり計画して、自分にマッチした計画を自分でたてるべきなのでしょう。
情報収集の方法はたくさんある
高田ゲンキさんがフリーランスになった頃は今ほどブログの情報も豊富ではなかったし、FacebookやTwitterもありませんでした。
それに比べれば現在は多くのSNSで有益な情報収集が発信されています。
もし自分が本気でフリーランスになりたいのであれば、いくらでも情報収集することは可能なハズです。
「いつかフリーランスになれればいいな」というくらいの感覚だと、おそらく実現することはないでしょう。
まずは自分で捜してみることが大切になるなのです。
何故ならフリーランスになるということは新しい技術や新しいメディアといった環境変化への対応策も自分でやる必要があるのですから。
複業(副業)でも自分のスキル棚卸しは役立つ
終身雇用制度の崩壊と共に複業(副業)を解禁し始める会社も徐々に増えています。
とはいえ、まだまだ複業(副業)を禁止さている会社の方が多いのですが、国の方向性が複業(副業)を推奨しているので、これからは複業(副業)を解禁していく会社も増えていくでしょう。
では複業(副業)が解禁された場合、どんな仕事をすれば良いでしょうか?
人手不足が顕著なコンビニであれば、すぐに働くことはできるでしょう。
しかし、コンビニバイトのような時給での働き方では、作業に対する報酬なのであまり経験値が増えるとは思えません。
せっかく複業(副業)をするならば、自分が興味を持てる仕事に就く方が視野も人脈も広がるでしょう。
それに本業の会社で疲れてしまうのだから、自分の興味や趣味につながる仕事を選んだ方が人生が豊かになると思います。
リアタイア世代も「自分が何をしたかった」のかを振り返ることが大事
40代や50代でリストラされてしまう時代です。
あるいは年金支給額も減額されていき、これからは75歳くらいまで働く必要があるとも言われています。
65歳になったとしても、その後、10年近く働く必要があるということです。
それらの場合、よく言われるのが自分が若い頃に興味があったことを再度、トライしてみるということです。
例えば「バンド活動をしていた」「バイクで旅をしていた」「小説を書いていた」「絵を描くのが得意だった」などなど、熱中していたことがあるかと思います。
社会経験をした今、敢えてそれらの活動をしてみることで、新たな人間関係が構築されたりします。
それこそ今ならSNSを活用することで、多くの出会いを実現できるハズです。
いずれにせよ「自分は何がしたいのか?」ということを常日頃から考えておくことが大切なのだと思います。
マンガなので読みやすい
本書はマンガで描かれているので、非常に読みやすいです。
若き日の高田ゲンキ青年に感情移入しながら、楽しみながらフリーランスという生き方について、高田ゲンキ青年の経験を知ることができます。
さらにフリーランスについて知りたくなったら
この本をキッカケにさらにフリーランスについて知りたくなったら、高田ゲンキさんの著書『世界一やさしいフリーランスの教科書』を読むと良いでしょう。
こちらの本ではより一層、網羅的にフリーランスという生き方について書かれています。