松田軽太のブロぐる

企業の情シスで働いています。会社の中では何をしてるのかナゾな職場の情シスあるあるなどや読んだ本のことなどを思いつくままに書いています。

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【IT介護】情シスはこのまま永遠にIT介護しなければならないのか?

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なにやら最近、Twitterで気になるワードが目につきました。

 

それは『IT介護』という言葉です。

 

キッカケはこのツイートです。

 

 とんでもなくバズってますから、それだけこの内容に共感する人がいるということですね。

 

で、IT介護っ何?

『IT介護』でググると多くは介護業務のIT化に関する情報が見つかります。

 

しかし、IT介護というのは、そういうコトではありません。

 

絶望的にITリテラシーが欠除したITオンチの高齢経営者や高齢管理職に対して、手とり足取りして、超初歩的なパソコンやらExcelやらの使い方を介助することです。

 

その様子がまるで介護のように見えることからIT介護という言葉が生まれたのです。

 

なぜ、ことITに限っては使えない方が偉そうなのか?

パソコン操作が苦手なのは世代を問わずある一定数います。

 

特に最近はスマホ世代が社会に出てきているので、以前よりもパソコン操作の苦手な若者が増えていると実感します。

 

それらの若者世代はパソコン操作やExcel操作を教えたら、素直に喜んでくれるのです。

 

しかし、役職者になるとこれが様変わりします。

 

パソコン操作やExcel操作を教えても「それじゃ分からん!」とか「もっと分かりやすく丁寧に教えろ!」とか上から目線で文句ばかり言い出します。

 

つまり、そのような態度だから教える人たちから「IT介護」と陰口を言われるのです。

 

なぜ情シスは『何でも屋』されてしまうのか?

Twitterの情シス系アカウントを見ていると『情シス=何でも屋』といった内容を目にします。

 

どのくらい何でもやらされているかというと…


・オフィスグリコの納品立ち会い(情報漏洩対策だとか・・・)

・乾電池の管理(電気絡み)

・蛍光灯の交換(これも電気絡み)

・役員への新型iPhoneの操作(携帯ショップは混むから)

・役員の孫のゲーム器操作方法(ゲーム機とパソコンの区別がつかいないのかも?)

・総務が導入した複合機の操作説明

 (導入は総務だけど、総務に聞いても分からないという答えしかこないから)

・オフィスの引っ越し計画(机や什器もパソコン移動のついでにやらされる)

 

もう挙げたらキリがありませんが、これをみんな情シスの人たちが押し付けられているのです。

 

どうやら電気を使うありとあらゆるモノは情シスに聞けば良いと思われている風潮があるようです。

 

まぁ、情シスの人たちは親切でマメな人が多いので、お門違いな問い合わせに対しても、ソツなくこなしてしまうからなのかもしれません。

 

情シス部門の悲哀に満ちた現実は、こちらの記事でも紹介しています。

 

www.matudakta.com

 

ITオンチの集まる会社の驚くべき事例

ツイッターにはあーちゃんという地方の製造業でRPAやグループウェア導入のために孤軍奮闘されている人がいます。

  

あーちゃんの職場で起こる出来事は、もはやコントみたいな実話ばかりで目を疑います。

 

例えばこれ。

  

新型コロナウィルスの感染拡大への対策として蜜を避けるという行動が推奨されてますね。

 

その考え方で言えば、長時間のパソコン作業を隣接して行うのは感染リスクがあると考えるのは、まぁ、間違いではないでしょう。


でも、それはそのパソコンがデスクトップ型で移動が難しい場合でしょう。

 

なんとあーちゃんの会社では、ノートパソコンを利用禁止にしたのだとか。

どう考えてもノートパソコンを使う場所をちょっと動かせば良いだけなんですけどね。

 

そしてこれ。 

 

なんで箱にしまっちゃうの??

もはや何をしたいのかが分からないレベルの行動です。

他にもこんなエピソードがあります。 

 

1台のノートパソコンでむりやり大人数でリモート会議をしようするからこんなおかしなコトになってしまうわけです。

 

そして、さらにこの症状が深刻になると、こんなことになってしまいました。  

 
大人数で行うなら専用のTV会議システムを使えば良いのですが、そんな発想もないのでしょう。


ツイッターで紹介されているだけのエピソードでも強烈ですが、きっと他にも驚きの行動があるのでしょう。

 

しかし、2020年の令和の時代に、こういう会社が実在しているのです。

 

なぜIT介護の必要な経営者が生まれるのか?

これからはソフトウェアファーストと言われています。
世界的に冨を築いているのはGAFAMを代表とするプラットフォーマーですからね。

 

では日本の高齢経営者は果たしてソフトウェアファーストという考え方を受け入れるでしょうか?

 

少し前にこんなニュースが話題になり、ザワつきました。 

『経団連会長の執務室、ついにPC導入。中西会長「正直、無いのは驚いた」 事務方「対面が基本だから…」
これまでの財界トップがパソコンを導入せず、メールで指示を出していなかったのか?』

www.huffingtonpost.jp


高齢経営者でもスマホは使っているハズですが、電話とメールが多いのではないでしょうか?

 

そうえば必要なアプリのインストールも情シスのスタッフがやっているという会社もよくわると聞きます。

 

ではIT介護されている経営者はデジタル・トランスフォーメーションを実現できるのでしょうか?

 

どう考えても、そんなことできるワケがないですよね。

 

創業時期が1998年頃を境に企業文化が大きく変わる

これらのIT介護の必要な経営者が鎮座している会社は、創業から数十年の歴史のある会社が多いのではないでしょうか?

 

ITを抵抗無く受け入れて活用できる会社の共通点は「1998年以降に創業された企業」というのが、ひとつの目安だと言われています。

 

日本の企業にパソコンが大きく普及したのはWindows 98以降だからだという説です。

 

実際、楽天やサイボウズやサイバーエージェントやディー・エヌ・エーやZOZOTOWNのzozoといったITを経営基盤として柔軟な会社は1998年前後に創業されています。

 

つまり創業した時からパソコンを始めとするIT技術に抵抗のない会社はわずか20年足らずで大きく成長しているのです。

 

歴史のある会社でも経営者の世代が変われば企業文化も変わる

では歴史のある会社の経営者がすべからくIT介護が必要なのかといえば、もちろん、そんなことはありません。


年齢に関わらず、新しい知識や技術に関心を持つ人も多くいます。

 

しかし、残念ながらそうではなく、今はITに疎い経営者であったとしても、経営者の世代交代がすすむと状況は大きく変わります。


例えば、「イシイのミートボール」でお馴染みの石井食品の現在の社長はアクセンチュア出身のスクラムマスターだったりします。

 

■『イシイのミートボール』でお馴染みの石井食品の社長がアクセンチュア出身のスクラムマスターだと知って驚いた話

www.matudakta.com


あるいは陣屋という老舗旅館はSalesforceでシステム内製化を行い、IoTを使いこなしデジタル・トランスフォーメーションを実現しています。

 

■老舗旅館『陣屋』が実行した驚くべきICT経営革命【SalesforceによるDX事例】

www.matudakta.com


なので「ウチの経営者はIT介護が必要だ・・・」と嘆いている人にとっての希望があるとすれば、いずれ時間の流れが解決してくれるだろう、ということです。

 

まぁ、それまで待てれば・・・ですがね。

  

 

 

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