日経コンピュータの2024年3月21日号にこんなタイトルの特集がありました。
「生成AIでシステム内製」です。
なんとも魅力的なタイトルではないですか!
内容は生成AIに対応したノーコード・ローコードツールでのシステム内製化です。
ただしシステム内製化には2種類あります。
一つ目は業務部門に在籍するいわゆる市民開発者が使うツールと基幹システムに関わる大規模なシステムを開発するツールです。
市民開発者向けの生成AI搭載のツールとして紹介されていたのが、MicrosoftのPowerApps(搭載されている生成AIはCopilot in PowerApps)とGoogleのAppSheet(搭載されている生成AIはDuet for AppSheet)です。
大規模なシステムを構築できるノーコード・ローコードツールとして紹介されていたのはOutSysytems(搭載されている生成AI(開発中)はMorpheus:モーフィアス)とGeneXus Next(生成AI搭載を開発中)です。
市民開発者向けの生成AI搭載のツールの活用事例
市民開発者向けの生成AI搭載のツールの活用事例で紹介されていたのがTBSです。
TBSはGoogleのAppSheetでアプリ開発を内製しているのだとか。
例えば従来は紙の管理で行っていたドラマのエキストラ(1000人規模)の管理をアプリ化したそうです。逆に考えると1000人のエキストラを紙の台帳で管理していたのを考えるとゾッとしますよね。
下記のサイトに詳しいことが書いてあります。
・TBSもシステム内製を始めた、決め手は生成AI対応のノーコードツール
もう一社は住友ゴムです。生成AIを活用してプログラミングの内製化に取り組んでいるそうです。
・生成AIでシステム内製が当たり前になる未来、「外注」という概念が消える
生成AIを活用すれば将来的にシステム構築は内製化できるのか?
さて気になるのは「生成AIを使うことでシステムを内製化することはできるのか?」ということですが、この記事の中での結論としては、今後も生成AIは凄まじい勢いで進化していくので、遠くない未来にそうなるだろうということでした。
自部署でやりたい事を生成AIに投げれば、コードを生成AIが書いてくれるのでしょう。
そうなると重要になるのが「生成AIと上手く会話する技術」です。
いかにして生成AIが理解できるように「やりたい事=要件」を伝えることができるかどうかでシステム構築に影響を与えてしまうのでしょうから。
生成AIが作り出すコードの精度が上がれば、ノーコード・ローコードツールを活用する必要性も下がってくるかもしれません。
あるいはいにしえの昔から動いているCOBOLのプログラムコードを生成AIに喰わせたら、このシステムがどういう処理をしているのかという仕様書を書いてくれるということはできそうです。
この場合は翻訳ですものね。
そうは言っても未来は分からない
ということで生成AIの進化は目を見張るものがあるので、数年先にはとんでもなく進化している可能性は高いです。
しかし反面、いつの時代でも「魔法の杖など無い」と言われるのもITツールの世の常です。
過度な期待をしすぎずに、かといって喰わず嫌いにもならずに便利なツールは取り入れていくという姿勢が大事なのだろうと思います。