めちゃコミってご存じですよね?
実はめちゃコミって帝人系SIerインフォコムの事業だと知って驚きました。
あまりにも異業種すぎますものね!
こんにちは! 松田軽太です。
日経クロステックの『「めちゃコミ」の会社の秘密、情シス子会社転生物語』で知って腰を抜かしました!
情シス界隈の人だとインフォコムはERPのGRANDITの会社としてご存じかもしれませんね。
現在の漫画の市場規模は6937億円で過去最高なのだそうです。
その中でも電子コミックは好調で4830億円で市場全体の約7割を占めるのだとか。
電子コミックの業界ではkindleのAmazonをはじめ、LINEマンガやピッコマなど
参入業者の数は多いですね。
それ以外に集英社や講談社や小学館といった大手出版社自身も電子コミックの
サービスを展開しているので、群雄割拠の様相を示しています。
そんな熾烈な戦いを繰り広げる業界でちょっと特殊な立ち位置なのが有吉さんのCMでお馴染みの「めちゃコミック」なのです。
めちゃコミックを運営しているのはアムタスという会社
そもそも運営してるのがアムタスという会社だということも今回知りました。
企業情報のページを見てると
「アムタスはインフォコム株式会社のネットビジネス事業として誕生しました」
と大きく書かれています。
「アムタスの事業推移」というページを見ると業績は右肩上がりです!
2006年にサービスを開始した「めちゃコミック」は、2017年度に売上高200億円、2020年度には売上高400億円を超え、
国内最大規模の電子書店に成長しました。
親会社であるインフォコムの2024年3月の決算説明資料を見てみましょう!
「電子コミック、ヘルスケアの好調により増収増益」と書かれています。
というかセグメント構成の68%が電子コミック配信サービス、つまり「めちゃコミ」なのです。
「重点事業の取り組み」のページを見ると、トップが電子コミックになっています。
ってことは最重要なビジネスがめちゃコミということですよね!
ではなぜインフォコムは「めちゃコミック」という事業を始めたのでしょうか?
インフォコムはめちゃコミ以外にも着メロやCDなどの販売、洋菓子やアパレルなど様々な事業にトライしていたそうです。しかし、どれも実を結ばず結果的に残ったのが電子コミックというサービスなのです。
ではなぜ電子コミックだったのかというと、電子コミックの取次会社が現れたことがポイントでした。
電子コミックの取次会社とは出版社と電子コミックストアの間に入って、契約を仲介してくれるのです。
そのため取次会社を活用すれば、個別に出版社と交渉せずに済むため、商機があると思ったのです。
サイトに公開されている2015年3月の決算説明資料を見るとすでにめちゃコミへの期待が見てとれます。
この頃の重点事業は「ネットビジネス」「ヘルスケア」「GRANDIT」でしたが2024年の重点事業は電子コミックとヘルスケアになっています。2017年の資料から「GRANDIT」の項目は重点事業には載っていませんね。
めちゃコミックは2006年からサービスを開始しているのです。その頃はガラケー時代であり当時の電子コミック市場ではTLやBLといったジャンルが主流だったのです。
そして2009年から独自性を出すために編集プロダクションに依頼してオリジナル作品の
制作に取り組んでいます。
その結果、100万部を超える大ヒット作品も多数生まれています。
1「恋愛不感症-ホントはもっと感じたい―」:2016年
2「青島くんはいじわる」:2019年
3「偽装カレシに愛されてしまった」:2021年
4「今夜、うちにおいで~冷徹上司の理性が溶けたら」2022年
5「凛子さんはシテみたい」2017年
6「RISKY~復習は罪の味~」2018年
7「離縁は致しかねます」2020年
更に2018年の漫画村閉鎖によって売上が大きく伸びたのです。
めちゃコミの強みはデータ分析
めちゃコミを運営しているアムタスの強みは何かというとデータ分析による
広告やマーケティングです。
有吉弘行さんの「無料~」って連呼するCMは耳に残りますものね。
WEB広告でもめちゃコミの「〇〇話まで無料」という広告はよく目にしますしね。
この無料サービス、読者が無料で読んだ分をアムタス側がコンテンツ使用料を出版社に払っているケースもあるのです。
なんと売上の30%、2023年は139億円もの額を広告費に投じているのです。
またアムタスには独自のコンテンツ作成ノウハウも溜まっています。
待遇は親会社超え
そんなワケで快進撃を続けるめちゃコミですが、それは従業員の待遇にもあられています。
親会社のインフォコムの賞与が2ヶ月分だったのに対し、アムタスの賞与は8ヶ月分!
なんとインフォコムの4倍です!
異業種から参入して、ここまで成長することができたのはスゴイですね!
でも新規事業に本気で参入したからこそ、今のめちゃコミの成功があるのです。
やはりチャレンジすることが大切なのですね。
これって「両利きの経営」と言えるのだろうと思います。
「両利きの経営」とは従来からの事業の他に新規事業の開拓を同時並行で行う経営のことです。
日本の企業ではAGCの事例が有名です。
詳しくはAGCのサイトでも紹介されています。
現在、めちゃコミはインフォコムの本業であるSI事業よりも大きな収益を上げられていますが、もちろん最初から順風満帆だったワケではありません。
しかしそれでも根気強く新規事業を育て続けたからこそ今のめちゃコミがあるのですから。