SNSって自分の意思とは違ってバズったり炎上したりするものですよね。
こんにちは! 松田軽太です。
さて、2024年9月6日のダイヤモンドオンラインにこんな記事が載っていました。
この記事に印象的な記述があり興味を持ちました。
以下、引用しますね。
興味深い現象なのだが、アスリートを誹謗中傷する人たちというのは、あまりご自分の言動を客観視できない。
自分自身のことを「熱狂的なサポーター」「○○選手を何年も応援しているファン」という善の側だと思い込んでいるので、まさか自分がアスリートにとって「害」を与える存在になっているとは夢にも思っていないのだ。
こういう「罪の自覚ゼロ」の熱狂的なファンに、既存の誹謗中傷対策が効果的でないことは、容易に想像できよう。
「AI監視システム」はあまり役に立たない。コメントを投稿する前に「これは誹謗中傷ではありませんか?もう一度落ち着いて確認しましょう」なんて確認画面が出たとしても「これは正当な論評だからな」と自分に言い聞かせて即座に閉じるだろう。
実はこの「罪の自覚ゼロ」こそ、アスリートへの誹謗中傷がなくならない根本的な理由だろう。
ファンというのは、熱狂的にチームやアスリートを応援しているので、その期待が裏切られたときは一心不乱に怒り、憤る。
そういう人たちを観察して思ったのは、好プレーを褒め称えるときと同じくらい、ダメなプレーをボロカスに叩くのが「楽しそう」ということだ。
「あいつ使えないよな。なんだよ、あのへっぽこシュートは」「もうクビでいいよ」「終わったな」などと「戦犯」を厳しく吊し上げることは、そのチームやアスリートを長年支えてきた熱狂的ファンの「愛のある批判・論評」として許容されるかのような風潮があるのだ。
だから、ハタから聞いていると「うわ、エグい誹謗中傷だな」と思っても、熱狂的なファン本人たちからすれば、純粋にスポーツ談義に花を咲かせているだけということがよくある。
そんな人たちに「アスリートへの誹謗中傷に気をつけましょう」と呼びかけたところで、心に響くわけがない。
これを読んだら、ちきりんさんの著書『自分の意見で生きていこう』を思い浮かべました。
SNS時代は人々のなにげない反応に囲まれる世の中だと書かれていました。
たとえばSNSの無い時代はテレビを見ながら”この歌手、衣装がダサいな”と声を出して、衣装を着ている本人には伝わりません。
しかしSNS時代は、そのような何気ないつぶやきが本人の目にも届いてしまいます。
それを読んだ当事者である歌手の心は傷つき落ち込むでしょう。
ところがつぶやいた本人はそんなことは気にしません。
だって独り言を言ってたような感覚なのですから。
ダイヤモンドの記事では大谷選手のようなスター選手やオリンピックのアスリートへの心無い誹謗中傷について苦言を呈していますが、それとて言った本人は誹謗中傷という自覚すらないのは最初の記事の通りです。
ちきりんさんのインタビューも載っていました。
そもそも「意見」というのは、「自分のポジションをとること」なんです。
たとえば何かの社会問題に対して、「私は〇〇に問題があると思う。
なぜなら~」というように、自分の立ち位置をはっきりさせないと「意見」とは言えません。
ところが、多くの人は、他者が言った「意見」に対して「それはちょっと違うと思う」「一概には言えないよね」「ちきりんの言っていることはおかしい」などと
「反応」するだけで満足してしまっている。それが「意見」でないことに気がついてないんです。
SNSというのは、「誰もが自分の意見を発信できるツール」と見せかけて、実は「『意見』を言った気になれるツール」です。
特に「いいね!」ボタンやリツイートなどの機能を使えば、なにひとつ考えず、タップ一回で発信することができます。
それらは「反応」にすぎないけれど、それでも「発信」ですから満足感が得られる。
ここで重要なのは「反応」と「意見」は違うという認識です。
Twitter(現X)でも炎上したりしますが、この視点をもって観察すると9割くらいは反応だと分かります。
なので「反応」だと理解できると「あー、スマホの画面に向かって話している声が聞こえてしまっただけだな」と冷静になることができます。
「反応」と「意見」は違うということを知らなければ、すべてのポストに目を通して世間から責められていると落ち込んでしまうと思います。
とはいえ、反応にすぎないと分かっていても、数多くの罵声のようなつぶやくを浴びてしまうと精神的に辛くなってしまうこともあるでしょう。
マジメな人ほど、すべてのポストに返事をしないと失礼だと思いがちですが、それは独り言に返事をするようなものです。
そんな時は思い切ってスマホの電源を切ってしまうのも一つの手です。
電源を切ると電話やLINEができなくて抵抗あるのであれば、SNSのアプリをアンインストールしてしまうという方法もあります。
反応の多くはたいてい2~3日で消えてしまいます。
(反応している人たちはすぐに飽きて他の話題に移ってしまうので)
ということで、SNSで炎上した時は「反応」と「意見」を見極めることが大事という話でした。