松田軽太のブロぐる

企業の情シスで働いています。このブログでは読んだ本など思いつくままに書いています。

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成城石井の商品はローソンの救世主になるか?

ローソンから「2019年1月19日から高級スーパーとして人気のある成城石井の商品を扱う」というニュースが流れてきました。

 

www.lawson.co.jp

 


こんにちは!松田軽太です。


成城石井の商品は高品質であり固定ファンも多いと聞きますが67店舗と店舗数が少ないので、興味があってもなかなか手に入れることができませんでした。


しかしローソンの3300店舗で扱うということであれば、かなり買いやすくなりますね。


ところで何故、ローソンという庶民的なコンビニで成城石井という高級スーパーの商品を扱うことが出来るのでしょうか?


そこにはローソンの置かれた厳しい事情があります。


2016年に発刊された大前研一氏の著者「ビジネスモデルの教科書」でもローソンの成長戦略として成城石井の商品を扱うべしと指南されていました。

 

 

大前研一「ビジネスモデル」の教科書

大前研一「ビジネスモデル」の教科書

 

 

ちなみに大前研一氏は日本一、頭のキレる経営コンサルタントとして知られています。

かつては世界的な大手コンサルタント会社のマッキンゼー日本支社長を務めていたほどの人物です。

マッキンゼー出身の有名人にはディー・エヌ・エーを創業した南場智子さんや勝間和代さんがいます。

 

現在はビジネス・ブレークスルーという教育機関を運営しており、日本の人材育成に力を入れています。

www.bbt757.com


まず、ローソンの状況ですが、2015年にファミリーマートとサークルKサンスクが統合しました。


それによりコンビニ業界が大きく変わりました。


それまで店舗数では一位がセブンイレブン、二位がローソン、三位がファミリーマート、四位がサークルKサンスクでした。


しかし三位と四位が統合することでファミリーマートが二位に浮上し、ローソンは三位に転落したのです。


またコンビニ業界の事情としては、セブンイレブンが圧倒的に強いという事実です。


店舗数も多いし1日の売上も10万円以上も多いのです。


何故、セブンイレブンだけがそれほどまでに強いのかといえば、商品開発力の違いと言えます。


特にセブンイレブンが開拓したセブンプレミアムといったPB商品は、非常に高品質です。


PB商品とはプライベートブランドの略で、そのお店でしか売っていない商品です。


セブンプレミアムが販売される前のPB商品は、いわゆるメーカー品に比べると「若干、品質は落ちるけどちょっと安いからいいか」と割り切って買う商品でした。


ところがセブンイレブンはそれとは違う顧客がいるのではと仮説を立てたのです。


「品質が良ければ、顧客は価格が高くても買うのではないか?」と。


当時、その発想は業界の常識では考えられないことでした。


なのでセブンプレミアムが発売された当初、「値段が高いPB商品なんて売れるワケがない」と嘲笑していたと言います。すぐに企画倒れになると。


ところが大方の予想を裏切り、セブンプレミアムはお客様に受け入れられました。


今やその売上は一兆円にも登ります。


まぁ、それはそうですよね。


セブンイレブンの商品って、食べ物にしても美味しですよね。明らかに実感が出来る品質の良さが受け入れられたのです。


その後、他のコンビニでもPB商品は増えましたが、なかなかセブンプレミアムまでの高品質にはいたりません。


それだけセブンプレミアムには先行した高品質PB商品開発力のノウハウが蓄積しているのです。


ところで成城石井は2014年にローソンに買収されました。


当時はローソンが成城石井を買収して何のメリットがあるのか?と疑問を持ちました。

なんせローソンと成城石井では余りにも客層が違うと感じたからです。


しかしローソンで成城石井の商品をショップ・イン・ショップとして扱うのは双方にとってメリットがあります。


成城石井というブランドがあるだけで高品質だというイメージができます。

 

www.seijoishii.co.jp


これであればセブンプレミアムという高品質PB商品にも対抗できるブランド力を手に入れたことになります。

 

ということで、今後のローソンの成長戦略が気になります。

 

これからの5年、人工知能はどのようにして僕たちの仕事を奪うのか? 

ここ数年、「急速に進化した人工知能が人間の仕事を奪っていく」という怖い話がアチコチでいわれていますね。

 

こんにちは! 松田軽太です。 

 

果たして本当に仕事が人工知能に奪われて、人間は大量に失業してしまうのでしょうか?

 

今回は鈴木 貴博著『「AI失業」前夜―これから5年、職場で起きること』を参考にこれから数年後の人工知能と人間の仕事について考えてみたいと思います。

 

 

「AI失業」前夜―これから5年、職場で起きること (PHPビジネス新書)

「AI失業」前夜―これから5年、職場で起きること (PHPビジネス新書)

 

 

 

2045年に人口知能が人間の能力を超える 

 

そもそもこの説の2014年に発表されたオックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が発表した論文が発端になっています。

 

これから20年後に人工知能やロボットによって人類の仕事の半分が失われると論じられています。

 

また2045年には人工知能が人間の知能を超えると言われています。それをシンギュラリティと呼びます。

 

徐々に仕事が消えていく近未来


いずれにせよ今から20年後くらいには人間の仕事は機械に奪われてしまうということです。


しかし多くの人は「まぁ、20年も経てば人工知能も相当、進化しているんだろうな」と漠然と遠い未来に訪れる危機だと感じているのではないでしょうか?


何しろ現在の日本は空前の人手不足です。


人工知能でも機械でも外国人でも何でも良いから、とにかく仕事をこなしてくれ!と叫びたくなっている状態なので、減ってくれれぱ渡りに船というところでしょう。


とはいえ本当にそんなに呑気に構えていていいのでしょうか?


仮に2045年に人工知能が人間の能力を超えるにせよ、それは2045年に突然、起こるのではありません。


徐々に人工知能は進化していき、それに合わせて徐々に人間の仕事が消えていくのです。


つまりこれから進化していく人工知能に合わせてジワジワと失業していくのです。


5年後になくなる仕事は?


ではこの数年のうちにどんな仕事が無くなっていくのでしょうか?


現在、人工知能を活用する領域で巨額の投資によって開発競争が行われているのは、自動運転と金融業です。


ともに市場規模も大きくお金を動かし易い業界です。


いわゆるGAFAと呼ばれているAmazon、Google、Facebook、Appleは各社、一兆円規模の投資をして人工知能を開発しています。


実際、日本でも日産は2023年までにレベル5の完全自動運転の実用化を計画しています。


「いやいや、そうはいっても自動運転なんてまだまだ先の話でしょ? 今でさえ、自動ブレーキや車線のはみ出さない程度なんだから」とタカをくくってませんか?


でもよく考えてみてください。


人間の目は2つしかありませんが、自動車の目はカメラの他にも赤外線やミリ波レーダーのように人間では不可能は方法で周りの状況を感知できます。


また人間と違ってカメラの位置も前方以外に横や後ろにもいくらでも設置可能です。


技術進化のスピードを考えると、自動運転が人間の運転を超える日もそう遠くないと思えます。


とくに自動車のように世界中にマーケットがあり、売上高規模も大きな業界には巨額が投資され、開発競争は熾烈です。


すでにトヨタ自動車の社内では、現在、創業以来の危機的状況だと認識し、かなり焦っています。


たとえ世界的な大企業のトヨタ自動車でさえ、今までの常識に捕らわれていては、無くなってしまう可能性があるのです。


さて、問題は自動運転技術が確率した後です。


当然ながらトラックやタクシーやバスの運転手は必要なくなります。


運送関係で運転手という職業の人は120万人ですから、今後、数年のうちに120万人が失業してしまうことになります。

 

もはや堅い銀行も安泰ではない時代


また金融業では、大手都市銀行が今後、数年で数万人規模の人員削減を計画しています。


QR決済など現金以外の決済方法が普及すれば、銀行員は今ほど必要なくなるかもしれません。


そのほかにも株のトレーダーであるとか、高額な年俸をもらっている人の仕事が無くなっていくのです。


そういう世の中の流れに気が付かないと、親世代では常識だった「銀行のような堅い仕事に就けば安泰」という固定観念で銀行に就職してしまうことになります。


よく言われるのが「でもね、たとえ運転という仕事が無くなっても、他の新しい産業が発達するから、そういった仕事に就けばいいんじゃない?」というものです。


しかし、よく考えてみれば分かりますが、昨日まで運転手だった人が、ある日突然、人工知能の開発という全然、違う仕事に就けるでしょうか?


ほとんどの人は難しいでしょう。

 

RPAが事務仕事を消滅させて派遣社員や皆殺しにする


では自動車業界や金融業界以外の普通の事務仕事であればなくならないのでしょうか?


残念ながら今現在もRPAと呼ばれる事務仕事をもくもくとこなすロボットが導入されつつあります。


ロボットとはいってもpepperのように機械のロボットではありません。


ソフトウェア(プログラム)のロボットなので実体は見えないのです。


RPAは2016年頃から大企業を皮きりに導入されはじめました。


大企業では35%程度の企業に導入されています。

2019年時点では中小企業への導入は3%程度ですが、徐々に価格も下がってきたので、多くの企業に導入されるでしょう。


そうなると経理や総務や営業事務といった事務仕事はRPAに食われてしまいます。


日本では正社員は法律で保護されているので、総務や経理での事務仕事がなくなっても、他の部署に配置転換されることになるでしょうが、派遣社員であれば契約解除や契約更新されないということになり、失業してしまいます。


RPAは事務仕事の派遣社員を皆殺しにする技術なのです。


では事務仕事ではなく、コールセンターのように人間と会話するような仕事であればどうでしょうか?


事務仕事は同じ仕事の繰り返しなので、ロボット化しやすいですが、人間との会話は人工知能でも難しいのではないかと思いませんか?


しかし、コールセンターのようなある範囲の知識であれば、人工知能は非常に得意分野です。


実際、Googleはホテルの予約を人工知能の音声案内で実現しています。


まだ英語での実験段階ですが、技術進化を考えると早晩、実用化されるでしょう。

 

家電品メーカーの仕事はなくならないか?


本やCDや映画のようにデジタルで置き換えられるものは将来、無くなる可能性があります。


また2020年には5G(ファイブ・ジー)という高速回線が普及すると映画くらいの容量のデータでさえ、ほぼリアルタイムで送信できるようになります。


では、家電品のように物理的な商品であれば安泰なのでしょうか?


エアコンのように部屋を暖めたり、冷やしたりすることはデジタルではできません。


電子レンジのように冷めたお弁当を暖めるのもデジタルではできません。

電子炊飯器や洗濯機もデジタルではできません。


そう考えると家電品メーカーであれば、将来的になくなることはないでしょう。


しかし、物理的には存在しますが、性能的な部分はどうでしょうか?


例えばAmazonが販売したプライベートブランドの電子レンジがあります。


この電子レンジの価格はわずか7000円と安価です。

今までの常識で考えたら7000円の安い電子レンジは食品を温めるくらしかできず、高機能とは言えません。


当たり前ですよね。

安いのだから必要最低限の機能しかないに決まってます。


ところがAmazonの格安電子レンジはアレクサと接続する機能があります。

それによって格安電子レンジがネットからレシピ情報を取得して、自動調理ができるようになるのです。


つまりわずか7000円の格安電子レンジが家電品メーカーが数万円で販売している高機能電子レンジに早変わりするのです。


ということは、いずれ電気炊飯器や洗濯機もベーシック品の価格であっても、アレクサのようなスマートスピーカーと接続することで、高機能家電になってしまうでしょう。


こういう流れになると家電品メーカーはなくなることはないかもしれませんが、製品はベーシック品ばかりになり、価格は下がる一方なので、高い収入を得るのは難しいでしょう。

 

www.itmedia.co.jp

 

警備の仕事はなくならないか?


では警備員はどうでしょうか?


夜間の警備などは建物の中を巡回する必要があります。

が、建物の中は段差や階段もあり、ルンバのようなロボットでは巡回は難しいでしょう。


となると人が見回りしなければなりませんので、この仕事は安泰ではないでしょうか?


ところが、この仕事にも強敵のロボットが登場しました。


四つ足で歩くロボットがありますが、このロボットを警備員代わりに利用するという会社が現れました。


ロボットであれば、深夜であっても居眠りすることもありませんし、夜間割り増し料金を払うことも必要ありもせん。


こうして考えていくと、やはり、多くの産業で人工知能やロボットが人間の仕事を奪っていきそうです。

 

japan.cnet.com

 

どんな仕事がなくならないのか? 


ではどんな仕事に就けば、将来、失業する心配が無くなるのでしょうか?


人工知能やロボットが人間の仕事を奪っていくということは、人工知能やロボットを開発したり販売する会社であれば、どんどん業績が上がっていくのではないでしょうか?


人工知能やロボットの会社といっても、何もロボット工学であったり、人工知能の開発をするだけではありません。


少なくとも最初は人工知能の性能は社会に認知されていないので、これらの商品の便利さを売り込む人が必要になります。


つまり我々の仕事を奪う側の人工知能を普及させる側になれば良いのです。


もちろん既に就職してから数十年も経っているベテラン会社員が、これらの新興産業に移るのはリスクが高いでしょう。


しかし、今、学生であればどうでしょう?


これから将来の職業を決める段階の若い世代であれば、人工知能などを扱う会社を目指してみてはどうでしょう?


現在でもRPA業界は前年比の6倍の勢いで需要が増えて人手不足になっており、中には年収3000万円にもなる人も出ています。


例えばご自分のお子さんやお孫さんや親戚のお子さんなど、これから将来の職業を考える世代へ、人工知能などの新しい産業を目指すことを勧めてみてもいいと思います。

 

 

シンギュラリティの経済学(第二版)

シンギュラリティの経済学(第二版)

 

 

 

 

「で、AIって何なの?」今さら聞けないAIの基礎知識

最近は一般の経済誌でもAIとか人工知能の記事が掲載されるようになりました。

 

それらを読むと「そうか、進化した人工知能が人間の仕事を奪うのか」と漠然と感じますよね。でも、ふと考えたら「そもそもAIって何なんだ?」って思いませんか?

 

今回はAIの基礎についてまとめてみたいと思いました。

参考にしたのは 野口 悠紀雄著「入門 AIと金融の未来」です。

 

 

入門 AIと金融の未来 (PHPビジネス新書)

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では、いってみましょう!

 

1.そもそもAIってなんでAIというのですか?

 

AIとは「Artificial  Inteligence」の略です。

けっこう知らない人が多いと思うので、豆知識として覚えておくと良いとおもいます。



2.なぜ今、人工知能が注目されているのですか?

 

現在、人工知能=AIがブームになっていますが、実は今回のブームは3回目です。

 

一回目は1956年から1960年頃、二回目は1980年代にブームになりましたが、いずれも技術的な壁にぶち当たり終焉しました。

 

三回目は2010年頃から現在も継続中です。

 

3.AIは私たちの実生活に本当に影響があるんですか?

 

AIは私たちの生活や全ての産業を変えていくだけの大きな力を持ちつつあります。

第三次AIブームの前までは、主に製造工場などにロボットが導入されて自動化が進みました。

 

この時は組み立てなど作業、いわゆるブルーカラーの自動化でした。

 

しかし現在のAIは事務仕事などのホワイトカラーの領域を自動化していくのです。

 

4.AIには創造的な仕事(クリエイティブ)な仕事はできないのではないですか?

 

現在のAIは作曲をしたり、新しい絵画を書いたり、文章を翻訳したりすることができます。

 

これらの仕事は人間にしかできないと言われていましたが、ディープラーニング(深層学習)という新しい技術によってできるようになりました。

 

ある実験でAIが作曲した音楽でコンサートを行ったところ、AIが作曲した音楽で多くの人が感動したのです。

 

「クリエイティブな仕事であれば人工知能に仕事は奪われることはない」と、ウカウカしていられない時代になりつつあります。

 

5.従来のコンピューターとAIは何が違うのですか?

 

従来のコンピューターは人間がコンピューターに対して「○○の場合は○○する」のように指示することが必要でした。

 

しかし、現在のAIはコンピューターは自分で学習することができるのです。

そのことを「機械学習」といいます。

 

また言葉だけではなく図形も認識できるようになったのです。

 

6.機械学習で何でも自動的に学習することができるのですか?

 

機械学習で人間がプログラムによって指示する必要はなくなりましたが、コンピューターが学習するデータは人間が与える必要があります。

 

例えば映画「フィフスエレメント」のようにコンピューターがテレビやネットからあらゆる情報を吸い取って超人的な知識を得るような段階ではありません。

 

フィフス・エレメント [Blu-ray]

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機械学習はある特定の分野に限っては有効になります。

 

例えば大量の画像から特定の物や人を探し出すといった作業は人間よりもAIの方が優れています。

 

具体的には犯罪捜査で防犯カメラの画像から犯罪を探したり、空港などで防犯カメラの画像からテロリストを探し出すといった使い方が考えられます。

 

7.AIは万能ではないのですか?

 

現時点でのAIは万能とは言えません。

AIには「汎用AI」と「特化型AI」に分けられます。

 

「汎用AI」は人間と同じようにあらゆる状況を自分で判断して、臨機応変に対応するコンピューターです。

 

「特化型AI」はある分野に特定して人間と同じように対応するコンピューターです。

 

現時点では「特化型AI」までが実用化できる部分であり「汎用AI」までは実現できていません。

 

8.汎用AIが無理なら仕事は奪われないのですか?

 

特化型AIはある特定の分野では人間以上の能力を持つでしょう。

 

特化型AIは「新しい機械」のようなものです。

 

例えば、飛行機は「空を飛ぶ」という能力がありますが、人間がいくら飛行機に対抗しても空を飛ぶことはできません。

 

そして、今、全世界で開発競争に凌ぎを削っている「自動運転」技術が確率したら、運転手という仕事は人間から奪われることになるでしょう。

 

人間は特化型AIと張り合うのではなく、上手に使うことが必要なのです。

 

9.いずれ全ての人間の仕事が無くなってしまうのですか?

 

どんなにAIが進化しても、全ての仕事がAIに奪われることはないでしょう。

 

現時点では特化型AIですが、いずれ汎用AIができるかもしれません。

しかし、それでも何か必ず人間にしかできない仕事は残ります。

 

ということは「AIにできなくて、人間にしかできない仕事は何か?」を考えるべきです。

人間にしかできない仕事の価値が上がるからです。

 

大切なのは「AIに奪われる仕事は何か?」に怯えるのではなく「どうやってAIを活用するか?」を考えて、仕事を効率化することなのです。

 

特に日本は超高齢化社会と人手不足が深刻です。そのような社会状況なので、上手くAIを活用して仕事の効率化を進める必要があるのです。

 

今日のところはこの辺にしておきましょう。

 

もっと詳しく知りたい人は「入門 AIと金融の未来」を読んでみてくださいね。

 

 

入門 AIと金融の未来 (PHPビジネス新書)

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カルロス・ゴーン氏の逮捕をキッカケに「日産式改善」を考えてみる

カルロス・ゴーン氏の逮捕をキッカケに日産自動車について興味が沸きました。

 

こんにちは! 松田軽太です。

 

世界的に自動車関連の生産管理システムのお手本といえばトヨタ自動車のトヨタ生産方式です。

 

よくいわれるのがジャスト・イン・タイムやカンバン方式です。

 

では日産自動車にはトヨタ生産方式のようなものはないのでしょうか?

 

もちろんそんなことはありません。

ちゃんと日産自動車にも独自の生産方式のノウハウはあります。

 

それがNPWです。

 

今回は『日産式「改善」という戦略』という本を参考に日産式改善についてまとめていきます。

 

人が変わる、組織が変わる! 日産式「改善」という戦略 (講談社+α新書)

人が変わる、組織が変わる! 日産式「改善」という戦略 (講談社+α新書)

 

 

NPWとは?

NPWとはNissan Proeuction Wayの略で日本語に訳すと日産生産方式ということになります。 

 

NPW自体はカルロス・ゴーンが日産の社長に就任する前から行われていた活動でした。

カルロス・ゴーンはすぐにNPWの有効性を理解し、より一層、NPWを推進したのです。

 

NPWは次の5つの考え方で構成されています。

  • 二つの「限りない」
  • 三つの柱でモノづくり
  • 四つの箱でプランづくり
  • 五つの基本行動でチャレンジ

 

ではそれぞれを確認してみましょう。

 

二つの「限りない」

まず二つの「限りない」ですが、二つとは次のことをさします。

 

  • 限りないお客様への同期
  • 限りない課題の顕在化と改革

 

まず「限りないお客様への同期」ですが、自動車は約2万点もの部品を組み立て作られます。

 

同期とはお客様がら注文を受けて部品を手配し組み立てることでお客様に近づいていきます。

このお客様への納入の日時をいかに近づけていくことが同期という考え方です。

 

二つ目の「限りない課題の顕在化と改革」は

品質の不安定や生産計画の不備といった負の要素を日々、取り除くことを継続するということです。

 

そのためには何が異常で何が正常なのかが分かるようにする必要があります。

正常と異常が全てのスタッフに周知されていれば、品質のバラつきは抑えられます。

 

三つの柱でモノづくり

続いて「三つの柱でモノづくり」についてです。

 

  • モノの流れのしくみ
  • 加工のしくみ
  • 作業手順のしくみ

 

モノの流れのしくみ」ですが、自動車の製造工程は多岐に渡ります。

その中には「価値のない工程」と「価値のある工程」に分けられます。

付加価値を高めるには「価値のない工程」をいかにして減らすことができるかになります。

 

そのためには視野を変える必要があります。

 

視野を高くして俯瞰から全体を見回して、何かありそうだと気が付いたら、そこからズームアップして詳細を見ることで状態を把握できます。

 

次に「加工のしくみ」です。

組み立て加工にはいくつかの手順があります。

 

例えば「ボルトを締める」という作業ではボルトを手にとり、工具を持って、ボルトを締めるワケですが、この中で価値がある作業はボルトを締めるという作業だけです。それ以外の作業はボルトを締めるための準備でしかないのです。

 

これらの価値のない作業をいかにも少なくするかが価値を高めることになります。

 

次に「作業手順のしくみ」です。

これは先ほど二つのしくみ(モノの流れと加工工程)を合わせてよりよいしくみにするとこで、作業手順の全体が改善されるです。

 

四つの箱でプランづくり

  • 現状のやり方
  • 現状の値
  • 目標の値
  • 新たなやり方

 

まずは「現状のやり方」ですが、これは文字通り、どのような作業をどのような手順で行っているのかを把握する作業です。

 

次に「現状の値」では先ほどの「現状のやり方」で洗い出した作業に対してどのくらいの時間がかかっているのか?どのくらい費用がかかっているのか?といった数値を当てはめます。

 

次に「目標の値」ですが、「現状の値」で確認した時間や費用をどのくらいまで減らせるか?という目標を立てます。

「こうしたい」「こうなればいいな」という理想を掲げることで目標値を設定できます。

 

次に「新たなやり方」では目標値を実現するための方法を考えます。もし今までのやり方の効率を上げても目標値に届かないようであれば、やり方そのものを見なすことも必要になります。逆に考えると「今までのやり方」に縛られずに、いかに改善するかという発想の転換が求められます。

 

五つの基本行動

  • 異常があったらラインを止める
  • QRQC(迅速対応による品質管理)の徹底
  • 生産順序と時間の遵守
  • ベンチマーキング(外部から見た自分たちの水準)の徹底
  • 人を育てる

 

まず最初の「異常があったらラインを止める」ですが、これ、意外に実施するのは大変です。自分が異常を感じたら作業を止めるのですから、けっこう勇気のいる行動です。

 

もし前工程から流れてきた部品に違和感を感じたら、前工程のスタッフに確認することになるので、風通しの良い人間関係が築かれている必要があります。

 

良い人間関係ができていないと「俺の仕事にイチャモン付ける気か?」と険悪になってしまいます。

 

そうなると「一万個のうちの一個だから、まぁ、いいか」となぁなぁになってしまいます。

 

しかし、その違和感はアラームでもあるので、今まで気が付いていなかった改善点かもしれないし、場合によっては、重大な不具合に繋がる原因である可能性もあるので、異常に気が付いたら、お客様に届く前に潰しておくべきなのです。

 

万が一、お客様に届いたあとで故障やリコールになったら、そのために失う信用や回収コストの方が大きな損失になってしまうのです。

 

次に「QRQC(迅速対応による品質管理)の徹底」ですが、先ほどの「異常があったらラインを止める」で見つかった異常に対してどのような改善策を講じるべきか、どのように品質を向上されるかを継続的に考えることが重要なのです。

 

次に「生産順序と時間の遵守」ですが、物事には何事にも順序があります。

 

特に日産では一つのラインで複数の車種を作る多品種混合生産を実施しているので、順序が大切な要素です。

 

また複数の工程に跨がって生産されるので、時間も大切です。前工程で時間が掛かりすぎると、次の工程では待ち時間が発生します。

 

計画に沿った時間と数が大切なのです。

 

次に「ベンチマーキング(外部から見た自分たちの水準)の徹底」です。

自分の会社や工場のことしか知らないと、自分たちの実力を正確に把握できず、井の中の蛙になってしまいます。

 

例えば3年前に自社の他の工場よりも優れた生産性を誇っていたからと安心していると、知らないうちに他の工場に生産性が抜かれている可能性があります。

 

また他社と比べてみることで、自社で不足していることに気が付くこともあります。

 

このように他との比較は自分たちの生産性を客観的に比較する基準になるのです。

 

と、ここまで日産式生産方式を見てきました。

トヨタ生産方式と似ている部分もあるし、異なる部分もあります。

 

生産性の改善にはゴールはない

いずれにせよ生産性の改善にはゴールはありません。

 

昔と違いこれからの時代はまとめ生産による作り置きをするのはリスクが高い時代です。

売れる筈」で作った商品が予想に外れて残る倉庫の負担は増え、割引販売すると利益が減ります。

 

マクドナルドは以前は作り置きして五分経つと廃棄していました。

しかし現在は厨房の設備を改善し、注文を受けてから商品を作ります。

 

またユニクロも情報製造小売業へ転換し、お客様が欲しい商品をすぐに作って販売し、在庫が残らないように転換しようとしています。

 

このようにお客様との同期をいかにとるか、そのための改善を継続する必要があるのです。

 

この本が発刊されたのは2011年です。

この時点で若者の自動車離れのエピソードが出ています。

発刊から7年経った現在でも相変わらず若者の自動車は変わらず、むしろカーシェアリングなど車を所有しなくて済むサービスは増えています。

 

また時間労働人口の減少高齢化社会やダイバーシティについても言及されています。

 

自動車会社はグローバル化によって色んな国で色んな文化を尊重するということが定着しているのでしょう。

 

人口減少が進む日本では、大きく働き方も暮らし方も変えざるをえなくなる可能性が高いといえます。

 

その時、日産式生産方式が参考になるかもしれません。

 

 

人が変わる、組織が変わる! 日産式「改善」という戦略 (講談社+α新書)

人が変わる、組織が変わる! 日産式「改善」という戦略 (講談社+α新書)

 

 

 

 

 

【漫画】デビルマンが何年経っても名作である理由

デビルマンといえばマンガ好きな人であれば知らない人はいないともいえる名作中の名作です。

こんにちは! 松田軽太です。

デビルマンは海外にも沢山のファンがいて、世界中で愛されています。

ということで超久々に元祖・永井豪のデビルマンを読んでみました。

デビルマン-THE FIRST- (1) (復刻名作漫画シリーズ)

デビルマン-THE FIRST- (1) (復刻名作漫画シリーズ)

デビルマンは時代を超えて愛されている

デビルマンは少年マガジンに1972年から1973年まで53話が連載されました。
かれこれ40年以上前の作品です。

もちろん最近のマンガと比べれば絵は古いし、書き込みは少ないし、背景も緻密ではありません。

しかし不思議なことに読み出すと止まらないのです。
なんというか演出手法とか、そういう小手先のテクニックではない作品から溢れ出す鬼気迫る迫力があるのです。

おそらく連載当時ではかなり物議を醸し出したと思われる残酷シーンもありますが、現代のマンガと比べれば生温いと感じられるかもしれません。

実はデビルマンの持つ残虐さは、絵としての描写ではないのです。
誰しもの心にある醜さや愚かさや人間の本質的な残酷さが描かれているところが、40年の時を超えて読み継がれる理由なのでしょう。

もしデビルマンを浦沢直樹がリメイクしたとしたら

デビルマンは単行本では、わずか5冊です。
数十巻もある最近のマンガと比べると少なく感じます。

しかしこの冊数の少なさが最近のマンガには感じられない濃密さを醸し出しているのです。

特に伝説と化している最終回は、幻想的ですらあります。

例えばデビルマンを浦沢直樹がリメイクしたら緻密な演出と多数の登場人物で数十冊になるでしょう。
現代的な演出方法でリメイクすれば作品としての完成度は高くなるかもしれません。
反面、オリジナルのデビルマンのもつある種の迫力は表現できないのではないかと感じます。

事実、同じ永井豪によって絵が描われたデビルマンレディーは絵も細かいし設定も現代風です。
が、残念ながら、デビルマンほどの長きに渡り読み継がれることはないでしょう。

おそらくあの時代の空気感が独特の迫力を生み出しているのでしょう。

エヴァンゲリオンはデビルマンから着想を得ていた

そういえば庵野監督のエヴァンゲリオンは、デビルマンから着想を得たといいます。

tsutaya.tsite.jp

ところで、永井の漫画は多くのクリエイターたちに影響を与えている。
たとえば、『新世紀エヴァンゲリオン』は様々な面で、『デビルマン』からインスパイアされたものがあると言われている。
「僕は『エヴァンゲリオン』を観たとき、特にそうは思わなかったんだけど、庵野(秀明)さんには直接言われました(笑)。
エヴァンゲリオンのあのスタイルはデビルマンですから、と。あ、そうなの?って(笑)」

ある意味で庵野監督もエヴァンゲリオンの制作中は精神的に追い込まれながら作ったといいます。
だからあの独特の世界観が生まれたのでしょう。


両作品に共通するのは、作者のストレスが作品として昇華している部分だと感じます。

もしまだオリジナルのデビルマンを読んだことがないのであれば、一度は読んでおくべき名作マンガです。

特に小学館から発売されている「デビルマン-THE FIRST- (復刻名作漫画シリーズ)」は雑誌と同じ大きさの本なので迫力もあり、連載当時の雰囲気を味わうことができます。
これから読むのであれば、このシリーズがオススメです。

デビルマン-THE FIRST- (1) (復刻名作漫画シリーズ)

デビルマン-THE FIRST- (1) (復刻名作漫画シリーズ)

デビルマン-THE FIRST-(ザ ファースト) 2 (復刻名作漫画シリーズ)

デビルマン-THE FIRST-(ザ ファースト) 2 (復刻名作漫画シリーズ)

デビルマン-THE FIRST-(ザ ファースト)  3 (復刻名作漫画シリーズ)

デビルマン-THE FIRST-(ザ ファースト) 3 (復刻名作漫画シリーズ)

カルロス・ゴーンが改革する前の「倒産寸前の日産」が驚くほどヒドすぎた話

カルロス・ゴーン会長の逮捕は日本中に大きな衝撃的を与えるニュースでした。

 

こんにちは! 松田軽太です。

 

カルロス・ゴーン氏はその巨額の報酬を不正していたという罪に問われていますが、そもそも経営危機の日産を奇跡的にV字回復させたのがカルロス・ゴーン氏です。

 

ということで、カルロス・ゴーン氏が再生する前の日産について興味がわきました。

 

そこで「日産 その栄光と屈辱」という本を読んでみました。

 

日産その栄光と屈辱―消された歴史消せない過去

 

この本はノンフィクションとして書かれていますが、大きな流れとして日産石原俊社長と塩路一郎労組の対立という構図で描かれています。

 

著者の佐藤正明氏は長年、日経新聞で自動車業界を担当してします。日産自動車についても40年の長きに渡り取材し続けている人なのです。

 

日産には三名の天皇がいた

この本の主要な登場人物は三名です。

 

 川又会長

 塩路会長(自動車労連)

 石原俊社長

 

後にこの三名は「日産には三名の天皇がいる」とまで言われる程の大きな権力を持っていたのです。

 

まず時代背景として、1970年代は日本はモータリゼーションという大きな流れの中で自動車産業が大きく発展しようとしていた頃です。

 

そして今では考えられないくらいに労働組合が大きな力を持っていました。

 

巨大な力を持った労働組合

日産自動車も過去に大きな労働争議を経験し、川又会長が社長時代は塩路会長と強調路線で会社を運営していました。

 

塩路会長は会社の生産性を上げることで会社の業績が上がり、ひいては労働組合員の生活も向上すると考えていました。

 

そのため経営に対しても厳しい視線を向け、時には経営対しても厳しい注文をつけました。

 

なぜ労組組長の塩路氏がそれほどまでの大きな力を持っていたのかというと、日産自動車の従業員(組合員)7万人の代表であり、ストライキを起こして工場の生産を止めることも可能だったのです。

 

しかし石原俊社長時代になると、労働組合との関係性は大きく変わります。

 

打倒労働組合に燃えた石原俊社長時代

石原俊社長にしてみれば、労働組合は経営権もないくせに会社の経営に口を挟んで邪魔する厄介な存在に見えたのです。

 

塩路会長はその強大な権力で人事や新車開発や事業戦略にまで影響を及ばしたとされます。

なにしろ労組が承諾しなければ新型車を発売することさえできなかったのですから。

 

川又会長が社長時代の労資協調路線は、イケイケな性格の石原俊社長からすれば「日本を代表する自動車会社の日産経営陣が労働組合の顔色ばかりみて情けない」と見えていました。

 

そこで石原俊社長が塩路会長を失脚させるために、ありとあらゆる手段を講じたことが描写されています。

 

これらを読むと「本当に日産のような一流企業が、こんな卑劣なことを画策するのか?」とにわかには信じらないことが描かれています。

 

例えば塩路会長に関する怪文書の配布や、写真週刊誌のフライデーにスキャンダルの捏造させたとか、今では考えられないような悪質な手を次々と仕掛けた様子が描かれています。

 

ことごとく裏目に出た経営戦略

また当日の日本の自動車業界は国内シェアをトヨタ自動車日産自動車が二分していました。

 

トヨタ自動車が37%、日産自動車が30%と拮抗していたのです。

 

日産自動車の目下の国内事業の目標はトヨタ自動車からシェアを奪って日本一の自動車会社になることでした。


石原俊社長時代、日産自動車は他社に先駆けて「グローバル10」という世界シェア10という目標を掲げた国際化プロジェクトを推進します。

 

アメリカでの小型トラックの生産

アルファロメオとの小型車の共同生産

フォルクスワーゲンとの提携

・英国での自動車生産

 

現在、トランプ政権は中国と貿易で揉めていますが、この頃は日本車がアメリ自動車産業を脅かすそんなということで、日米自動車摩擦と言われていたのです。

 

そんな事情もあって、確実に儲かるアメリカでの乗用車生産ではなく、別の路を探っていたのかもしれません。

 

しかし残念ながら、これらの国際化プロジェクトはどれもこれも成功せず、赤字を垂れ流すことになりました。

 

本書の中で著者の佐藤正明氏は

「石原俊社長時代のガラクタプロジェクトが日産を破壊した」と厳しく批判しています。

 

1980年代後半から1990年代前半は、間違いなく日本車が世界一の性能を誇っていたと言えます。また日本経済もバブル経済が絶頂期で、とにかく物を作れば、作っただけ売れて儲かったのです。

 

そんな経済状況なので赤字を垂れ流す国際化プロジェクトもどうにかなっていました。

マスコミも「グローバル経営で先行する日産自動車」といったようにはやし立てるので、収益が上がらなくてもメンツがあるので退くに退けません。

 

そうこうしているうちにバブル絶頂は弾け飛び、赤字を垂れ流す国際化プロジェクトは日産自動車の経営に大きな打撃を与えました。

 

1990年代の終盤には、日産自動車はいつ倒産してもおかしくない財務状況に陥っていました。

 

日産にトドメを刺した英国進出

とくに話を拗らせたのは英国での乗用車生産でした。

 

当時、英国は失業者が300万人を越え、英国は海外からの乗用車産業の進出を希望していました。

 

しかし英国はアメリカでの販売台数の1/10にしかし残念ながら、これらの国際化プロジェクトはどれもこれも成功せず、赤字を垂れ流すことになりました。

日産自動車としては英国に乗用車生産工場を作っても大きく収益にはつながらないのです。

 

なにせ試算では10年経っても黒字化の目処が立たないのですから。

 

しかし英国政府や日本政府まで巻き込んだ大騒動になり、今更、日産自動車としても「やっはばり英国で乗用車作っても儲からないから辞めます」とは言えない状態まで追いつめまれます。

 

そんなこんなで経営はグチャグチャになり、国内シェアはトヨタ自動車を追い越すどころか30%あったシェアは25%まで落ち込み、国際化プロジェクトは赤字を垂れ流し、もはや日産自動車は借金まみれになっていました。

 

新聞などでは「日産は世界4位の自動車会社」と報道されてましたが、なんとその赤字額は2兆円を超えた巨額に膨れ上がっていたのです。

 

もはや自力再建は不可能といったところまで追い詰められた日産自動車は海外の自動車会社との提携を模索しました。

 

最後に救いの手を差しのべたルノー

まずはアメリカを代表する自動車会社であったクライスラーに打診しますが、当時のクライスラーダイムラーとの提携で手こずっており、なかなか日産自動車との提携までには漕ぎ着けませんでした。

 

次にフォードに打診しますが、フォードは日産の巨額な赤字額を知ると提携には慎重になりました。

 

当時の日産自動車の赤字は、世界中の自動車会社がドン引きするほどの赤字会社だったのです。

 

しかし、そんな日産に救いの手が差し伸べられました。

 

それがルノーだったのです。

 

当時のルノーは長らく続いた赤字をどうにか構造改革で乗り切りました。

ルノー構造改革を指揮したのが、カルロス・ゴーン氏だったのです。

 

しかし大規模なリストラを行ったため、技術者不足に陥り、再建は果たしたものの、これからの競争が激化する自動車業界で単独で勝ち続けるのは無理だと悟っていました。

 

そこで技術力には定評のある日産と提携することを望んだのです。

 

またルノーの売り上げ台数の規模は日産の1/4程度です。

かつての日産からすればルノーは格下の存在です。そこも「栄光の日産」というプライドからすれば不本意だったでしょう。

 

もはや逃げ場のない日産はルノーと提携する他に道はありません。

なんせ倒産寸前まで追い詰められているのですから。

 

当時の日産の社員は5万人で、関連企業の家族を含めると50万人が日産という企業との関係性で暮らしているのですから、日産自動車の社長の責任の重さは計り知れないものがあったでしょう。

 

カルロス・ゴーンによる奇跡的なV字回復

そして1999年にカルロス・ゴーン氏が社長に就任すると、「日産リバイバルプラン」を掲げ、4年目の2003年に日産は巨額の借金を返済し、V字回復を成し遂げました。

 

その大胆はコストカットは当時、驚きをもって新聞報道されました。

何もしがらみがないカルロス・ゴーン氏だからこそ出来たリストラだったのです。

 

カルロス・ゴーン氏は経営再建にかけては天才的な手腕を発揮する人物なのです。

 

急速に再建を果たした日産ですが、その後もリーマンショック東日本大震災いった難局を乗り越えました。

 

それらの輝かしい功績からカルロス・ゴーン氏は大きな権力を手に入れるのです。

 

そこから18年後、まさかカルロス・ゴーン氏が逮捕されるとは夢にも思わないでしょう。

 

それも有価証券報告書の虚偽記載という疑惑ですから驚きです。

 

しかし、これまでの日産自動車の歴史を振り返ってみると石原俊社長時代といい、大きな権力を持つと、私利私欲に走ってしまういう歴史を繰り返しているようです。

 

なんでそうなるのか不思議ですが。

 

いずれ今回のカルロス・ゴーン氏の事件も究明されることでしょう。

 

その時が来るのを待ちつづ、これからの日産がどのように舵取りされるのかを見守りたいと思います。

 

日産その栄光と屈辱―消された歴史消せない過去

入山章栄氏の「イノベーションの本質」を聞いて「なぜ日本の会社はイノベーションを起こせないのか?」を考えた

GAFAの大躍進以降、あちこちの会社で「我が社もイノベーションを起こせ!」と大号令がかかっているわりには何も出来ていないという会社も多いんじゃないでしょうか?



こんにちは! 松田軽太です。

 

ということで社会学者の入山章栄氏の「イノベーションの本質」というセミナーを聴いてきましたので、ブログにまとめたいと思います。

 

イノベーションを起こす目的って何?

まずイノベーションを起こす目的ってなんでしょうか?

 

これはもう「今までと同じことをしていたら、将来、事業自体がなくなる可能性が高いから」ですよね?

 

特に日本企業は高度経済成長以降「同業他社よりも良い性能で安い商品を売れば儲かる」という成功体験に慣れきっていました。

まぁ、それが今までの「勝つための王道パターン」だったのだから、そうなるのは当然ですが。

 

だから「他社よりも業界シェアを確保しろ!」といったマーケットシェアの拡大を事業目標に掲げている会社も多くありました。

 

しかし、以前に比べるとマーケットシェアにこだわる会社が減ってきています。

 

何故ならGAFAに代表するような異業種から破壊的イノベーションで攻めてこられたら、シェアが3%上がったとか5%下がったとか、みみっちい話ではなく会社そのものが存在できなくくらい、コンテンパンに負かされてしまうということが、現実に起こっているからです。

もうイナゴの大群が攻めてくるみたいに根こそぎ荒地になってしまいます。

 

例えば10年前の携帯電話業界であれば、docomoauソフトバンクがどういう商品や料金体系なのかで競えばよくて、少なくとも競争はこの3社の中でしか起こりませんでした。

 

ところが今はスマホのOSはアップルとGoogleに握れてしまい、スカイプやLINEで通話コストは無料になり、格安スマホ楽天やイオンやビッグカメラといった異業種から通信事業に沢山の企業が参入してきています。

 

今までのように同じ生態系の中で棲み分けできる世界に、ある日、突然、外来種が襲ってくるような感じです。

 

今期、2兆円の利益を出し絶好調と思われるトヨタ自動車では「いずれ自動車という商品はなくなる」という物凄い危機感を持っています。

 

10年前であれば「いずれ自動車はなくなるんだからトヨタ自動車がヤバい」なんて考えられないですよね?

 

あるいは大手都市銀行ですら、大規模なリストラを計画しています。

 

これも少し前までは考えられない話ですよね。

 

ではイノベーションを起こすために必要なのはなんでしょうか?

 

イノベーションとは異なる性質を組み合わせること

入山章栄氏は「知の探索」が必要だと言います。

 

知の探索とは、異なる2つの物を組み合わせて新しい物を作り出すことです。

 

日本の会社で有名なイノベーションといえば、世界に名だたるトヨタ生産方式でしょう。

 

トヨタ生産方式の肝となるカンバン方式のアイデアアメリカのスーパーマーケットを訪れたさいに「作業者が必要な部品を必要量だけ使えば無駄な作り置きがなくなる」という着想を得たことから始まりました。

 

つまり「自動車製造 + スーパーマーケット」という全く異なる2つを組み合わせることで生まれたイノベーションです。

 

TSUTAYAでのレンタルCDという事業の発想は、消費者金融なのです。

 

消費者金融は1000円を貸す代わりに10日で100円の利子を取ります。いわゆる十一の高利貸しです。

 

レンタルCD店は1000円で仕入れたシングルCDを3日100円で貸します。 

つまりTSUTAYAというビジネスモデルは3日で一割だから、高利貸しよりも高い利益を得られるのです。

 

ということに気が付いたTSUTAYAの社長はレンタルCDを事業化したのです。

 

このように全く異なる事業領域を組み合わせることで、新しい価値が生まれます

 

一方で多くの会社で取り組んでいるのは、イノベーションではなくカイゼンであることが多いのです。

 

カイゼンのようにその商品やサービスを磨き上げて利益率を高めることを「知の深化」といいます。

 

多くの企業では、自分たちがイノベーション(知の探求)だと思っていても、実はカイゼン(知の深化)であることが多いのです。

 

でもそれは当たり前で、自社の事業領域の中で組み合わせを繰り返しても、今まで世の中に無いものを作り出すのは、極めて難しいでしょう。

 

例えば「チャーハンにイノベーションを起こす」と考えて「これは新しい!」と思ったものが、中華丼のあんをチャーハンにかけたものだとしたら、それはイノベーションだとは感じないでしょう。ただ味のバリエーションが増えただけです。

 

と、なぜこういう発想になるのがといえば、厨房という、いつも自分が料理している中だけで、組み合わせを考えてしまうからなのです。

 

それと同じように自社の中や同じ業界の中だけで異なる商品やアイデアの組み合わせを考えても、すでに出尽くしているのです。

 

だからイノベーションではなくカイゼンになってしまうんですね。

 

しかし、とはいえイノベーションなんて、そう簡単に生まれるわけではありません。

成功したイノベーションの影には、大量の失敗事例が転がっています。

 

今でこそスティーブ・ジョブズiPodからiPhoneまで、何を出しても成功する天才的なイノベーションの達人みたいに言われていますが、実は沢山の失敗をしているのです。

 

でも、それらの失敗を多くの人は知りません。

何故なら世の中に普及しなかったから、失敗したのであって、人々に知られる機会がないのです。

 

スティーブ・ジョブズの失敗作はといえば

 

・アップルTV

iPodシャッフル

iMacのマウス

PING

 

などが挙げられます。

 

実はスティーブ・ジョブズの発明品をヒット率は1割程度ではないでしょうか? 

つまりイノベーションとは沢山の失敗作の屍の上に成り立っているのです。

 

しかし、こういうことは頭では分かっていてもなかなか出来ないですよね。

 

よくあるのが部門横断型の「新商品開発プロジェクト」とか「イノベーション開発プロジェクト」といった特命チームが発足しますが、ほとんどのそうしたプロジェクトでは、最初は「知の探索」をするのですが、数ヶ月経つと「知の深化」でお茶を濁します。

 

その大きな理由は日本企業の多くが導入している業績評価制度にあります。

 

多くの企業では半期ごとに仕事の結果を査定すますが、イノベーションのような長期に渡る開発は半年程度で成果なんかでるわけありません。

 

そもそも半年程度で簡単に成果なんか出たら世の中、イノベーションだらけになります。

誰も苦労なんてしませんよね。

 

つまり日本企業でイノベーションが生まれない大きな理由は短期で結果を求める評価制度や人事制度にあるといえます。

 

だからそれなりに結果(利益)の出せるカイゼン(イノベーションではない)でお茶を濁して終わってしまうのです。

 

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