最近、アチコチで「生産性をあげろ!」という掛け声が飛び交ってませんか?
しかし掛け声だけで具体的な方法はハッキリしないですよね。
こんにちは!松田軽太です。
伊賀泰代さんはマッキンゼーというコンサル会社で17年、働いていました。
そのうち12年は人材育成部門のマネージャーをされていた人です。
マッキンゼーと日本企業の大きな違いはまさに本書のタイトルである生産性の高さです。
ではそもそも生産性とは何でしょうか?
生産性とは「やるべきことの優先順位を素早く的確に判断する力」です。
考えてみれば当たり前ですよね。
しかしその当たり前なことが出来ていないのが日本の会社の特に事務処理ではないでしょうか?
トヨタ生産方式に代表されるように日本の製造業の生産技術は世界中でお手本となっています。
しかし不思議なことに日本の会社の事務処理は実に非効率的な作業が山積みになっています。
また「生産性をあげる=コストダウンする」という意味合いになっているように感じます。
それが極端になると数字として捉えやすい「残業時間の削減」がターゲットになります。
まぁ、いくら目先の残業時間を減らしたところで、仕事量そのものが変わらないのであれば、会社で仕事が終わらないのだから、そのツケとして持ち帰り残業をするようになりますよね?
事務処理の生産性が上がらない大きな理由は仕事の多くがExcelなどのソフトウェアで行われるので他の人から残業方法や残業量が見えにくくなっていることも原因です。
パソコンが一人一台になる前の大昔はノートや台帳に電卓で計算して手書きで書き込んでいたので作業方法が見えていたんですよね。
製造工場のように作業が見えるとトヨタ生産方式のように改善がしやすいのです。
■生産性とは?
「生産性」では人材採用を例に説明しています。
アナタの会社で新人採用を目標人数が10人だったとします。
では人材採用での生産性とは何でしょう?
その答えは「10人が応募があり、その10人全員が採用基準を見通し満たしている」です。
そうすれば総務での事務作業も減ります。
しかし総務以外の他の部署の人たちは「今年の応募者は10人しかいなかったから、あまり優秀な奴はいないかもしれないな」と妙な評価をしてしまうかもしれません。
そういう評価をされないようにするために総務は応募者を増やそうとします。
「今年は100人の応募があって、その中から採用基準に沿って10人を厳選した」というほうが説得力がありますよね。
しかし不採用となった90人にも総務は不採用通知などの対応しなければなりません。
そこには事務作業があるのです。
それであれば採用基準にあった10人の応募者を集めた方が圧倒的に合理的です。
生産性をあげるとは、こういうことなのです。
どうも日本の会社では、かけた時間の多さを「頑張っている」と評価されているふしがあります。
年功序列から脱却し、目標管理だとか業績評価が導入されるようになってますが、果たしてどれだけ透明性の高い評価になったと感じていますか?
結局、残業してる人の方が頑張り計数が上がって評価が高くなっていませんか?
そう考えるとまずは評価する側の意識改革をすすめる方が先かもしれません。
- 作者: 伊賀泰代
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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