松田軽太のブロぐる

企業の情シスで働いています。会社の中では何をしてるのかナゾな職場の情シスあるあるなどや読んだ本のことなどを思いつくままに書いています。

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iPhone XSがぶっちぎりに高性能な理由

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2018年のiPhoneが発売されました。

 

こんにちは! 松田軽太です。

 

今回はiPhone XS(5.8インチ)、iPhone XS Max(6.5インチ)、iPhone XR(6.1インチの廉価モデル)の3つのモデルとなりました。

www.apple.com



すでにいろいろなメディアでiPhoneの機能については解説されています。

いろいろな人が「iPhone XSを買う理由」や「iPhone XSを買わない理由」ということで双方の立場で論じていますね。

 

japan.cnet.com


japan.cnet.com

 

そんな中で僕が気になったのは週刊アスキーに掲載されていた「スペックや機能では見えてこないアップルとiPhone XSの恐ろしさ」という記事です。

 

weekly.ascii.jp

 

多くのサイトが画面の大きさや美しさ、ホームボタンが廃止されFace IDに統一されたことについて解説されていますが、週刊アスキーの記事はちょっと異例です。

記事の冒頭はこんな文章で始まります。

 

今回、発表されたiPhone XSとiPhone XS Max、いろいろと取材を進めると、あらためて「アップルのすごさ」を感じる。
もはや、「iPhoneを超えるスマホは誕生しないのではないか」という、ちょっとした恐ろしさを抱くほどだ。

 

何もiPhone XS Maxで20万円近くする値段のことを言っているわけではない。

 

アップルの「もの作り」、いや「仕組み作り」において、同じレベルで戦えるメーカー、プレイヤーはいないのではないかという気がしてならないのだ。

 

 

 最初にこの冒頭の文章を読んだときには「え?ずいぶんと大げさなことを言っているなぁ」と思いましたが、読み進めるうちに、その理由が分かってきました。

 


iPhoneは「すべてアップル社で作っている」

世の中にはiPhone以外にもたくさんのスマホがあります。
韓国のサムスン電子が販売する「Galaxy(ギャラクシー)」とかソニーの販売するXperia(エクスペリア)」とか中国のファーウェイが販売する「Huawei(ファーウェイ)」や台湾のASUSが販売する「ZenFone(ゼンフォン)」などなど。

 

しかしこの中でもiPhoneだけは特別な存在です。


それはどういうことかいうとiPhoneに搭載されているOSは「iOS」というアップル社が自社で開発しているOSですが、それ以外のすべてのメーカーはGoogleが開発した「Android」というOSを搭載しています。

 

まぁ、スマホ自体の操作方法や見た目はiOSもAndroidも大きな違いはありません。

では何が一番違うのかというとiPhoneだけがスマホの部品のすべてをアップル社が設計しているということです。

 


垂直統合のiPhoneと水平分散のAndroidスマホ

「iPhoneはアップル社がすべてを設計している」というのはどういうことかというとCPUや通信やカメラも含めたSoC(System-on-a-Chip)をアップル社が開発しています。

上から下まで全部をアップル社が設計しているので「垂直統合」ということになります。


ちなみにiPhoneの本体そのものはアップル社で製造しているのではなく、他の会社に製造を委託しています。そのように自社で工場を持たずに他の会社に製造を委託することを「ファブレス」といいます。

 

一方、Androidスマホの場合は、OSを開発しているのはGoogleで、SoCはクアルコムの「Snapdragon」になります。


このように部分的に別々の会社が分担して開発すれば、開発費も分散されるので開発費用を抑えられます。そのためこのような開発方法を「水平分散」といいます。

 

しかし個々の機能や部品を分散して開発することには実はデメリットもあります。
いくら仕様が決められていても、やはり別々の会社が開発しているので、最終的なバランスを調整するのが大変なのです。

 

それに引き換えiPhoneはアップル社がすべて設計しているので、各機能の性能を最大限に引き出すことが可能です。なにせ全部、自分で作ってるわけですから。

 


アップルが儲かるワケ

2018年8月にアップル社は世界で初めて時価総額が1兆ドル(約112兆円)を超えたということで大いに話題になりました。

 

アップル社がこれだけ大きな会社に成長できた最大の理由はiPhoneの爆発的な大ヒットであるのは言うまでもありません。

 

とはいえ世界全体のスマホ台数シェアはわずか15%です。日本は6割以上がiPhoneですが、これは世界的にみても珍しいといえます。日本の場合は3大キャリアのすべてがiPhoneの販売代理店なので販売力がすごいことになっていますから。

 

数字だけ見ると「わずか15%」だと感じますが、ではスマホ販売の利益はどうかというと全世界のスマホを販売した90%以上の利益をアップル社が占めているのです。

 

つまりわずか15%のシェアでありながら、利益は9割以上をアップル社が占めているので、儲かっている証拠ですよね。


アップル社に年商は24兆円にもおよびます。もはや国家予算みたいなとんでもない金額なのでぜんぜんピンときませんが利益率は30%だといわれているので、なんと6兆円です。そもそも利益率が30%というのがすごいんですが。


日本の多くの製造業の利益率が3%から5%だという事実を考えると7倍くらいの差だからハンパないですね。

ではなんでiPhoneだけがそんなに大きな利益を出せるのかといえばブランドを構築できたからなんです。

iPhoneというブランドを構築したことで世界一、高額なスマホを販売できるようになったんですね。


それだけの巨額の資金を持ち、そしてiPhoneのすべての部品をアップル社が自社開発するということは他のAndroidスマホとの性能差はどんどん広がっていくと思われます。

そこがまさにiPhoneとアップル社の戦略的なすごさなのだと思います。

 

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

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