松田軽太のブロぐる

企業の情シスで働いています。会社の中では何をしてるのかナゾな職場の情シスあるあるなどや読んだ本のことなどを思いつくままに書いています。

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『クラフトボスティー』と『午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティー』を飲み比べたらビジネスモデルの違いが分かった

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今年は「スッキリ系のペットボトル紅茶」の新製品が多くリリースされていますね。

 

こんにちは!松田軽太です。

 

ということでコンビニで目についた2つの紅茶を飲み比べてみました。

 

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※画像は公式サイトから引用

 

クラフトボスティーとは?

まずはサントリーから発売されたクラフトボスティーです。

 

そもそもクラフトボスといえば「苦くない飲みやすいコーヒー」で大ヒットしたブランドです。

mobile.suntory.co.jp

 

しかしクラフトボスもコーヒーのBOSS(ボス)から派生したブランドだと思っていたので紅茶がリリースされたのは以外でした。

 

それはサントリーの商品企画部署でも思っていたようでブランドサイトのトップに

「え?ボスから紅茶?」と大きな文字が躍っているくらいですから。

 

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※公式サイトから引用

 

サントリーはすでにリプトン紅茶という超メジャーな紅茶ブランドを持っています。

では何故、クラフトボスというブランドで敢えて紅茶を発売したのでしょうか?

 

おそらくクラフトボスティーとリプトン紅茶シリーズのコンセプトがマッチしないからなのでしょう。

 

サントリーには紅茶ブランド「リプトン」があるのに?

リプトン紅茶のサイトを見るとベーシックなレモンティーとアップルティーとミルクティーの他に限定販売品として、クリームブリュレやストロベリー&クリームというデザート系のミルクティーがラインナップになっています。

 

どちらかというと甘くて美味しくてリラックスを提供するというのがブランドコンセプトなのでしょう。

 

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※公式サイトから引用

https://products.suntory.co.jp/b/0000000024/リプトン

 

しかしクラフトボスティーは「苦味を抑えて紅茶の華やかな香りを楽しむことでリラックスする」というコンセプトです。

 

これでは従来のリプトン紅茶シリーズとの整合性がとれないと考えたのでしょう。

 

むしろクラフトボスコーヒーの方がクラフトボスティーのコンセプトに近いといえます。

 

またサントリーはコーヒー市場ではボスが大きな市場シェアを確保していますが、リプトンは紅茶としてはメジャーなブランドですが、サントリーの製品だという認知はいささか低いと思います。

 

こういう事情があって、リプトン紅茶シリーズとは別になったのでしょう。

 

鼻先まで広がる紅茶の香りが素晴らしい

さてクラフトボスティーを飲んでみます。

色は澄んだ淡い茶色で色合いで、爽やかなのだろうと想像できます。

 

そして特筆すべきはその香りの素晴らしさです。華やかな紅茶の香りが口の中から鼻先まで広がって、まるでジャスミンティーのようです。

 

一口飲んだだけで、気持ちがスッキリすると感じます。

 

紅茶自体も確かに紅茶独特の渋みが除去されていて、非常にクリアな味わいです。

 

この感じはクラフトボスコーヒーでのコーヒーの苦味を除去したのと近い感覚です。

 

逆に考えると渋みも含めて紅茶の楽しみ方だと思われる人には物足りないかもしれません。

 

まぁ、それはクラフトボスコーヒーでも同じですよね。

 

クラフトボスコーヒーも従来のコーヒーとは苦味を楽しむものという既成概念で考えると、コーヒーから逸脱した商品です。

 

このあたりのバランスが難しいですが、今までのコーヒー開発から考えると味が薄くて出がらしみたいなコーヒーだと思われる可能性があるのです。おそらく開発チームのプレッシャーは相当なものであったと想像できます。

 

しかし販売してみると大ヒットしました。

 

まさに消費者の嗜好は分からないものです。

 

そのようにサントリーにはクラフトボスでのヒットの経験があるのでスッキリした飲みやすさを楽しむ紅茶というのは確かに新しいかもしれません。

 

午後の紅茶 ザ・マイスターミルクティー

一方、キリンの「午後の紅茶」ブランドからも新しいミルクティーが新発売されました。

 

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※公式サイトから引用

 

深田恭子さんのCMがバンバン流れているので、目につきますね。

 

www.youtube.com

 

午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティーは新しいコンセプトのミルクティーです。

  

コンセプトを読むと

ティーインストラクター監修のもと、独自の新技術「リーフリッチブリュ―製法」によって引き出された紅茶葉本来の豊かでリッチなおいしさと、ミルクのまろやかなコクを楽しめる、甘くない※微糖ミルクティー。働く大人の気分転換にぴったりなおいしさ。

・・・と、あります。

 

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※公式サイトから引用

 

そう、ここでのポイントも「甘くないミルクティー」という部分なのです。

 

実際に飲んでみると、従来の『午後の紅茶』ミルクティーとの違いは明確に分かります。

 

ミルクティーというと、どうしても甘ったるいという印象があるのですが、このミルクティーは紅茶の香ばしさとミルクのまろやかさを楽しめる仕上がりになっています。

 

従来のミルクティにありがちな過度なミルクティーの甘ったるさを抑えています。

 

このバランス感が素晴らしいと感じました。

 

なぜ午後の紅茶ブランドで出せたのか?

キリンの持つ「午後の紅茶」ブランドはペットボトル紅茶市場ではトップの市場シェアを持っておりのペットボトル紅茶の代名詞といっても過言ではないでしょう。

 

しかし午後の紅茶にはすでにミルクティーが存在します。

 

そこに敢えて「甘くないミルクティー」を追加しても、なぜブランドとして違和感がないのでしょうか?

 

それは「午後の紅茶 おいしい無糖」がラインナップされているからでしょう。

 

また午後の紅茶には、いくつかの特徴的なミルクティーがすでにラインナップとしてあるのです。

 

ミルクティのラインアップを挙げてみるとこんなにあります。

 

  • ミルクティー(レギュラー)
  • こだわり素材のヘルシーミルクティー
  • マスカルポーネ薫るチーズミルクティー
  • ザ・パンジェンシー茶葉2倍ミルクティー
  • ティー ウィズ ミルク(TEA with MILK)
  • 芳醇ロイヤルミルクティー

 

これだけあるのだから、ここに新しいミルクティーが増えてもあまり違和感がありません。

 

サントリーのリプトン紅茶シリーズとキリンの午後の紅茶シリーズとの違いはこの部分なのでしょう。

 

サントリーはコーヒーが強いが紅茶が弱く、キリンは紅茶が強いがコーヒーが弱い

サントリーは紅茶よりもボスというコーヒーブランドの方に商品企画を注力していたと言えます。紅茶はサントリーとしては弱いカテゴリーです。

 

それであればすでに認知度の高いクラフトボスのブランドを最大限に活用して、新しい紅茶市場を開拓するほうがいいかもしれません。

 

 

そしてキリンはすでに圧倒的な紅茶市場を制しています。

 

しかしキリンのコーヒーブランドはファイアです。残念ながらファイアはコーヒーブランドとしては、いささか弱いと言えます。

またファイアのコンセプトはコーヒー豆を焼くことで、コーヒーの香りと苦味を楽しむというコンセプトです。

 

これではミルクティーとはマッチしませんし、午後の紅茶ブランドを強化するほうが得策です。

 

また現在、人気のあるカフェラテの顧客に対して、キリンが得意な紅茶商品に甘くないミルクティーを投入することで、突き崩すという使命を帯びています。

 

このようにサントリーとキリンでは同じペットボトル飲料メーカーでありながら、かなり事情が異なっています。

 

クラフトボスティーと午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティーを飲み比べた結果

さて、この2つのスッキリ系紅茶ですが、個人的にはキリンの午後の午後 ザ・マイスターズミルクティーが好みのテイストだと感じました。

 

クラフトボスティーは香りは素晴らしいのですが、紅茶自体があまりにもスッキリしているので、紅茶を飲んでいる感じが薄いのです。

 

それはクラフトボスティーの顧客ターゲットが「いままでは紅茶の渋みを敬遠して、紅茶を飲まなかった」という層を新たに紅茶市場に取り込むということだと思います。

 

このあたりは確かにバランスが難しいですよね。

 

そして午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティーは紅茶の渋みをミルクが抑えてまろやかになっています。更にミルクティー独特のべったりとした甘さがなく、スッキリしています。

 

なので非常に飲みやすいと感じます。

 

実際、僕はすでに午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティーを5本、リピートしてます。

 

まぁ、それらは個人の好みの部分も大きいので一概にはいえませんが。

 

ということで、これからはスッキリ系紅茶が大きな市場を築いていくのだと感じました。

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