松田軽太のブロぐる

企業の情シスで働いています。会社の中では何をしてるのかナゾな職場の情シスあるあるなどや読んだ本のことなどを思いつくままに書いています。

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『カイゼンジャーニー』を読んでカイゼンという孤独な戦いの仕方を考えてみた話

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さて、今は2020年の3月。

 

世の中は新型コロナウイルスの話でもちきりです。

おそらく今、私達は歴史に残る疫病との戦いの真っ最中なのでしょう。

きっと100年後の歴史の教科書にも載っているハズです。100年前のスペイン風邪のように。


だが、しかしです。

 

それが3ヶ月後なのか来年なのか3年後なのかは分かりませんが、新型コロナウイルスもいつかは収束するでしょう。

 

今は経済活動もズタボロでどうしていいか分からないかもしれませんし、大きな不安を感じる日々なのは間違いありません。

 

しかし、いつかは乗り越えることが出来るハズです。

 

新型コロナウイルス以外にも危機はある

なので、家での自粛要請がでている今、新型コロナウイルスの危機が去ったあとのことを考えてみることにしました。

 

この記事を読んだことがキッカケでした。

 

toyokeizai.net

 

日本では、全企業の99.7%が中小企業です。これらの中小企業をひとくくりにして「日本の宝だ」というのは、究極の暴論です。冷静な目で見ると、中小企業は日本という国にとって、宝でもなんでもありません。宝なのは、大企業と中堅企業です。

特別な理由がないかぎり、小規模事業者や中小企業に「宝」と言えるような価値はありません。将来、中堅企業や大企業に成長する通過点としてのみ、価値があると言えます。永遠に成長しない中小企業は、国の宝どころか、負担でしかないのです。

 

新型コロナウイルスの後にも、残り続ける課題は何かというと人口減少社会と人出不足です。

 

新型コロナウイルスのワクチンは作れても、人口減少を解消するワクチンは作れません

 

もしかしたら人出不足を解消するワクチンはRPAなのかもしれませんが、まだまだ本当の意味でRPAを扱える人は少ないのが現実です。

 

いずれせよ人出不足への対策は、仕事の仕方のカイゼンしかないでしょう。

 

しかし「仕事のやり方を変える」というのは一筋縄ではいきません。

 

必ず今やっている伝統的な仕事のやり方に固執する人がいるからです。

というよりも、そういう人の方が多いと思った方が良いでしょう。

 

なぜ、仕事のやり方を変えることに抵抗したがるのか?

今までの伝統的な仕事のやり方の良さは、長い間、その方法や手順で大きな事故が起こっておらず、実績という信用があるからでしょう。

 

まぁ、実績があるのは事実です。

 

しかし、実績があるから「今でもベストなやり方なのか?」というと必ずしもそうではないでしょう。

 

時代の変化によって事業の在り方が変わるように、事業の変化によって仕事のやり方も変えるべきなのです。

 

計算のやり方だって、そうでしょう。

ソロバンから電卓に変わり、電卓からEXCELに変わったワケです。

 

しかし、計算手段が変わっただけで、集計表を変えることに気がついていない人も多いでしょう。

 

電卓を叩いてノートに集計値を手書きしていたものが、EXCELで計算するようになったりしますが、それは紙がEXCELに置き換わっただけです。

 

しかし、作業してる人が知らないだけで、実はその集計値をBIツールの実行ボタンを押せば、自動で集計してくれてたりします。

 

そう、怖いのは「知らない」ということなのです。

 

カイゼンと言う名の孤独な戦い

ノートからEXCELに変わったとしても、作業する人からしたら、大きな問題ではありません。

 

この段階では「集計する」という作業は残っていますから。

 

しかしBIツールの集計ボタンを押しただけで誰でも集計できるとなると話は別です。

 

その瞬間にその人の仕事に価値がなくなるのですから、BIツールに対して敵意を持つかもしれません。

 

でも、集計している人の本当の仕事の価値は「集計をする作業」ではなくて「集計した結果から判断をする」ことなんですよね。

 

そこを履き違えると「集計作業が仕事」ということになってしまいます。

 

カイゼンは仕事の見える化から始まる

サイボウズの青野社長のインタビューが話題になっていました。

 

 

「在宅勤務が機能するポイントは?」という問いに対する青野社長の答えはこうでした。

 

普段から誰が何の仕事をしているのか可視化することだ。


サイボウズの出社率は普段から7割程度。ある曜日だけ在宅勤務といった社員も多い。
多様な働き方を受け入れると、連携しなければそれぞれの仕事は成り立たない。


そうなると情報共有が徹底される。
困っていれば発信できるチームワークは必ず必要。


あとは社員が嘘をつかなくていい組織風土づくりだ。


短い言葉の中にいろんな大切な要素が詰まっていますね。

中でも僕が大事だと感じたのは「普段から誰が何の仕事をしているのか可視化すること」という部分です。

 

カイゼンジャーニーはソフトウェア開発以外でも参考になる

『カイゼンジャーニー』という本に興味を持ったのは、アジャイル開発という、すばやくソフトウェアの改善を繰り返していく開発手法に興味をもったからです。

 

最近では、事業開発にもアジャイル思考が有効だとされています。

 

ということで『カイゼンジャーニー』を読み始めました。

 

 

さっそく読んでみたところ、カイゼンジャーニーの第02話でもこう書かれています。

 

仕事のカイゼンは状態の見える化から始まる」のです。


では「見える化」するにはどうれば良いのでしょうか?

 

カイゼンジャーニーでは

 タスクマネジメント、
 タスクボード、
 朝会、
 ふりかえり

の4つを提案しています。

 

タスクマネジメントとは

タスクマネジメントと言われても、なかなかピンと来ませんよね?

 

タスクマネジメントとは「仕事の目的を管理する」ということです。

 

創業から数十年も経っている会社には多くの属人化した仕事がありますよね?

「あの仕事は〇〇さんにしかできないから」とかありますよね?

 

長い期間、その人に任せきりの仕事ではよくあることです。

 

しかし、なんのためにその作業をしているのか?は把握しておく必要があります。

「仕事の目的を明確化する」のです。

 

目的が明確化すれば、作業の手段が適切なのか判断できます。

 

多くの属人化している仕事は、やり方が時代遅れになっている可能性があります。

特にソフトウェアの進化は早いです。

 

例えば、2003年ごろにEXCEL化した作業は2020年であれば、もっとカンタンにできる関数に置き換えできる可能性が高いでしょう。

 

あるいは先程のようにBIツールを活用すれば作業そのものを無くせる可能性もあります。

 

そして作業の見える化ができれば、作業工数に対して適切な人数なのか?という部分も見えてくるでしょう。

 

タスクボードとは

タスクボードはタスクを見える化するための手段です。

 

タスクの進捗などの状態を可視化することで、正常に仕事が進んでいるか分かるようになります。

 

もし、いつもよりも進捗が遅かったら、何かトラブルか発生していることになります。

 

仕事の進捗が見えてなかったら、きっと担当者が必死になんとかしようとして、結果的に手遅れになってから管理職に泣きつかれることになります。

 

なので管理職がそのトラブルを知った時点では手遅れなのです。

ということで、常に仕事が正常に流れているかを把握できるようにする必要があるのです。

 

製造設備であれば、IoTで生産ラインの流れを監視しますよね。

それと似たようなイメージです。

 

朝会とは

朝会とはタスクボードを更新するための報告会です。

毎朝の習慣化によって「正常に仕事が流れているのか」「何か問題が発生しているのか」が分かります。

 

ふりかえり

ふりかえりとは、その仕事を進める上で「何か問題があったか?」「この仕事、こうすればもっと良くなるかも?」と仕事を振り返ることで、新しいアイデアや、ここはもっと注意しようと気がつきます。

 

でも、本当にこんなことができるのか?

言葉で読むとタスクマネジメント、タスクボード、朝会、ふりかえりといったことはカンタンそうに感じます。

 

でも、これをやり続けるのって、難しいと思いませんか?

 

最初は興味を持ってやり始めるかもしれませんが、次第に「今日は忙しいから」と中止すると、そのうちにめんどくさいと感じてやらなくなります。

 

そもそも「忙しい」のであれば、何で忙しくなったのかを客観視する必要があるハズです。

 

まずは自分だけで試してみる

可能であれば、これらの作業を課内や部内といったチームで行う方が良いです。

 

ですが、いきなりこれらの作業を始めよう!と言っても、おそらく賛同を得られないでしょう。

 

だってめんどくさいですから。

 

なので、まずは自分一人で始めてみると良いでしょう。

なんせ言い出した人が継続できないようでは、説得力が欠けますよね。

 

ということで、まずは自分の仕事を棚卸して、タスクを管理してみましょう。

   

 

チーム・ジャーニー 逆境を越える、変化に強いチームをつくりあげるまで

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  • 作者:市谷 聡啓
  • 発売日: 2020/02/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

 

 

 

 

 

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