昨今はDXブームで「さぁ、DXだ!事業の足かせにしかならない大昔から使っている
メインフレームなんか捨ててしまえ!」と言われていますね。
こんにちは! 松田軽太です。
なるほど、ごもっともです。
だが、しかし。
IT予算を用意できる大企業ならいざ知らず、多くの中小企業では、実務で困らない限りは過去のソフトウェア資産を使い続けることのできるメインフレームを継続して使っている会社もまだまだ多いでしょう。
さて、メインフレームで基幹システムを運用している会社とのデータ交換する場合に
困るのは文字コードではないでしょうか?
パソコンの文字コードと違ってメインフレームの文字コードはEBCDICやパック形式が使われており、変換しないと文字化けしてしまいます。
ということで今回は文字コードの変換ツールを調べてみました。
F*TRAN+
まずは富士通が販売している『F*TRAN+』です。
F*TRAN+は、汎用機/オフコン/UNIXなどのホストのファイル転送データと、パソコンの標準であるWindowsRファイルとのデータ交換をする汎用性の高いファイル変換ユーティリティです。WindowsRファイル間のデータ変換もできます。
EBCDIC⇔JIS8/ASCII変換はもちろん、富士通、NEC、日立、日本IBMといった汎用機固有の漢字コードの変換が可能です。また、各ベンダーごとに独自に拡張された漢字に対してもサポートしています。UNIXの標準コードであるEUC-JPについても、ベンダー独自の拡張漢字をサポートしています。UnicodeについてもUTF-16(UCS-2)とUTF-8の両符号化方式をサポートしています。
さすがに有償ソフトなので、機能は問題ないと思います。
しかし有償ソフトとなると気になるのは価格ですよね?
2021年10月時点でサイトで確認すると
F*TRAN+ V8.0 Server → 116,000円
F*TRAN+ V8.0 Desktop → 58,000円
となっています。
これくらいの金額なら稟議も通りやすいのではないでしょうか?
DataMagic データ加工・変換ツール
こちらはセゾン情報システムズが販売しているデータ加工・変換ツール『DataMagic』です。
■コード変換機能
ユーザ定義の外字やEBCDICへの変換、Unicode変換時に問題となるWindows固有文字(~?-¢£¬)に完全対応。CSV、XML形式や階層フォーマットによる全銀・CII等の標準フォーマット変換も可能です。旧バージョンでは、JIS第一、第二水準に定義されていない文字は、外字テーブルの登録が必要でした。最新版の「DataMagic Ver.3」からはSHIFT-JIS、IBM漢字、UTF-8、UTF-16間でコード変換を行う場合、JIS第一、第二水準に定義されている文字以外も変換するか選択ができます。またUTF-8、UTF-16についてはIVS(異体字セレクタ)にも対応しています。
■ユーザー定義の外字、EBCDICコードへの変換が可能
同一漢字コード種の外字変換も対応
半角⇔全角変換に対応(カナ/英字/数字/記号)
Windows固有文字(~∥-¢£¬)にも完全対応 *2011年1月末現在
Windows Vista対応として、2,642文字の外字登録用テンプレートをSJIS、UTF-8の両フォントで標準装備
こちらも機能的には十分だと思います。
こちらも有償ソフトです。価格は2021年10月時点でサイトで確認すると
DataMagic Desktop → \60,000~
DataMagic Server → \300,000~
となっています。
特徴は「【簡単】GUIの設定だけでデータの加工・変換を容易に行うことができる!」と謳われていますので、変換するのは非常に簡単そうです。
これなら使いやすいなんじゃないかと思います。
EDI-Master TRAN for ANYs
こちらはキャノンITソリューションが販売してる「EDI-Master TRAN for ANYs」です。
企業内外の多様なデータフォーマットを相互に変換できる、汎用データフォーマットトランスレータです
EDI-Master TRAN for ANYsは、様々なフォーマットを相互変換する汎用のフォーマット変換ソフトウェアです。EDIにおける取引先とのデータ交換や、自社システム間でのデータ連携に用いることで、システム連携時のインタフェース改修を最小限に抑えられます。 フォーマット変換に加え、文字コード変換や四則演算、データ置換、丸めなどの特殊処理も標準搭載。複数ファイルの同時変換、1ファイルから複数ファイルへの分割にも対応しており、既存システムから新システムへのデータ移行ツールとしても活用できます。
豊富な文字コード
シフトJISやJIS_8といったWindows系文字コードはじめとして、EBCDIC、IBM漢字、JEF(富士通漢字)などのオフコン系の文字コードにも多数対応。オフコンとの間でのEDIや、オフコンからオープン系へのデータ移行など様々な目的で利用できます。
こちらも機能的には十分だと思います。
こちらも有償ソフトです。価格は2021年10月時点でサイトで確認すると
Windows → 300,000円
Linux → 600,000円
となっています。
信頼性は高いと思います。
m2pc (v1.22) コード変換プログラム(フリーソフト)
とはいえ「いやいや、ウチはそんな予算なんかとても用意できない。どうにかタダで出来ないの?」と涙ながらに訴える情シス担当者も少なからずいるかと思います。
ということでお金をかけずに変換するツールです。
こちらはフリーソフトなので有り難いことに無料です。
説明文を引用しますね。
[機能説明]
メインフレームで作成されたEBCDICコードとJIS漢字コード(またはEUC漢字コード)の混在する固定長ファイル(例えば,メインフレームからバイナリイモードで転送したファイルなど)を入力し,文字コードを変換し,パソコン上でテキストファイルとして扱えるようにレコードの終端に制御コード(CR,LF/CR/LFの3種類から選択可)を附加して出力します。
EBCDICコード(英小文字用,カタカナ用のどちらでも可)をJIS8単位コードに変換します。
JIS漢字コードをシフトJISコードまたはEUC漢字コードに変換します。
EUC漢字コードをシフトJISコードに変換します。
おまけとして,パック形式のデータをASCII規格のパック形式,アンパック(ゾーン)形式,数字文字列のいずれかに変換します。
変換したいレコードと変換したくないレコードが混在している場合,変換したいレコードを指定できます。(例えば,マルチレコードレイアウトのファイルを,それぞれのレイアウト毎に変換した後,それらをマージすることによって処理できます。)
アルファベットの大文字-->小文字,小文字-->大文字の変換ができます。
この説明文を読む限りでは、機能的にも十分だと思います。
サクラエディタ
「いやいや、変換ツールまでは必要なくて、とりあえずデータの中身が見えれば良いんだけど」という場合はまずはエディタで開いて中身を確認するという方法もあります。
ということでどのエディタだと見ることができるのを調べてみたところ「サクラエディタ」だと大丈夫でした。
サクラエディタはこちらからダウンロードできます。
具体的な変換方法はこちらで紹介されています。
VBSで変換
「ツールを使うんじゃなくていっそのことVBSで変換できないか?」という場合はこちらにコードが載っていますので参考にしてください。
ということで普段、あまりメインフレームにはご縁の無い人もいらっしゃると思います。
もしコード変換で困った時のご参考になれば幸いです。