DXブームの後押しのせいもあるのでしょうが、よく「脱Excel」というセールスコピーを見かけるようになりました。
脱Excelというツールの多くはデータベースの知識がなくても誰でも簡単に使えるWEBデータベースです。
しかしWEBデータベースと言っても、世間一般の人には伝わらないせいか、最近ではノーコード開発と呼び名を変えています。
Excelはなぜ悪者なのか?
脱Excelがセールスポイントになるくらい世の中ではExcelデータの扱いに苦労されているようです。
Excelの悪い点として挙げられているのは
1.アチコチに似たようなファイルが散乱しがち。
2.どのファイルが最新版だか分からない。
3.同じようなデータでも人によって項目が増えたり減ったり結合されたりする。
4.入力されたデータに規則性がない(株式会社、(株)、株)など)
5.数字と文字が混在しているため集計ができない。
6.作った人しか分からないような複雑な関数やマクロによって属人化してしまう。
7.個人管理のデータだと、どこに何のデータがあるのか分からない。
…とこんな感じでしょうか?
逆に考えると、上記のようなことにならないように気を付ければ、脱Excelなんかしなくても良くなるともいえます。
脱Excelツールを導入すればExcelは使わなくてもすむのか?
そんなことはありませんよね。
残念ながら良くも悪くもExcelほど万能に使えるツールはなかなか無いのが実情でしょう。
脱Excelを謳うWEBデータベースは規則性を保ったデータの管理はできますが、分析や集計機能はそれほど充実しておらず、よくあるのはWEBデータベースからデータをExcel形式やCSVデータで出力して、自分が欲しい分析は結局Excelでやっているのです。
なので脱Excelとは言いつつも、Excelから脱するのは至難の業です。
そこは勘違いしないほうが良いポイントだろうと思います。
脱Excelツールへのデータ移行はけっこう大変
では脱ExcelのためにWEBデータベースを導入し、データの一元管理をすることになったとしましょう。
よく脱Excelの広告では「Excelデータを取り込むだけで、1分でアプリが作れます」とアピールしてますね。
確かにExcelデータを取り込むだけであれば、1分で出来ます。
だがしかし!
問題なのはExcelの悪い点で挙げた部分が悪さして、ほとんどの場合、そう簡単にはWEBデータベースにデータを移すことができません。
だってExcelってアチコチにセル結合されてたり、数字と文字が混在していたりしますよね。
特に似ているけどちょっと違うデータが散在するのであれば、どのデータに寄せればいいのか?など考えるべきことは山ほどあります。
つまりデータベースとして正しく管理をするのであれば、まずは既存のExcelデータの手直しが必要なのです。
グッチャグチャのデータを整理できたのであれば、Excelでも管理できる
実は整理が一番大変なので、その整理が出来てしまえば、Excelであっても大きな問題はありません。
Excelの世界でも最近は「データベースファーストの法則」と言ったりします。
データベースのようにExcelデータが整理されていれば、関数やピボットテーブルはパワークエリなどの機能で、Excelでも効率よく管理や分析や集計ができるのです。
なので、慌てて脱Excelを謳っているツールと導入する前に、今、困っているExcelのデータ構造を整理したほうが圧倒的に作業効率があがりますよ。
グッチャグチャなExcelデータこそ宝の山である理由
よくよく考えてみるとその部署にしかない大事なデータってExcelで管理されてますよね。その部署にしかないデータや情報というのは、自社にしかない貴重な情報です。
少なくとも同業他社は持ってないでしょう。
そう考えると部署単位に持っているグッチャグチャなExcelデータこそ宝の山であるとも言えます。
なのでそれを有効に活用できるExcelデータとして持っていれば、様々な活用ができます。
そう考えるとデータ活用まで考えてExcelデータを作る必要性を感じられると思います。