松田軽太のブロぐる

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カルロス・ゴーン氏も効果を認めた「日産式改善」を考えてみる

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カルロス・ゴーン氏の逮捕をキッカケに日産自動車について興味が沸きました。

 

こんにちは! 松田軽太です。

 

世界的に自動車関連の生産管理システムのお手本といえばトヨタ自動車のトヨタ生産方式です。

 

よくいわれるのがジャスト・イン・タイムやカンバン方式です。

 

では日産自動車にはトヨタ生産方式のようなものはないのでしょうか?

 

もちろんそんなことはありません。

ちゃんと日産自動車にも独自の生産方式のノウハウはあります。

 

それがNPWです。

 

今回は『日産式「改善」という戦略』という本を参考に日産式改善についてまとめていきます。

 

人が変わる、組織が変わる! 日産式「改善」という戦略 (講談社+α新書)

人が変わる、組織が変わる! 日産式「改善」という戦略 (講談社+α新書)

 

 

NPWとは?

NPWとはNissan Proeuction Wayの略で日本語に訳すと日産生産方式ということになります。 

 

NPW自体はカルロス・ゴーンが日産の社長に就任する前から行われていた活動でした。

カルロス・ゴーンはすぐにNPWの有効性を理解し、より一層、NPWを推進したのです。

 

NPWは次の5つの考え方で構成されています。

  • 二つの「限りない」
  • 三つの柱でモノづくり
  • 四つの箱でプランづくり
  • 五つの基本行動でチャレンジ

 

ではそれぞれを確認してみましょう。

 

二つの「限りない」

まず二つの「限りない」ですが、二つとは次のことをさします。

 

  • 限りないお客様への同期
  • 限りない課題の顕在化と改革

 

まず「限りないお客様への同期」ですが、自動車は約2万点もの部品を組み立て作られます。

 

同期とはお客様がら注文を受けて部品を手配し組み立てることでお客様に近づいていきます。

このお客様への納入の日時をいかに近づけていくことが同期という考え方です。

 

二つ目の「限りない課題の顕在化と改革」は

品質の不安定や生産計画の不備といった負の要素を日々、取り除くことを継続するということです。

 

そのためには何が異常で何が正常なのかが分かるようにする必要があります。

正常と異常が全てのスタッフに周知されていれば、品質のバラつきは抑えられます。

 

三つの柱でモノづくり

続いて「三つの柱でモノづくり」についてです。

 

  • モノの流れのしくみ
  • 加工のしくみ
  • 作業手順のしくみ

 

モノの流れのしくみ」ですが、自動車の製造工程は多岐に渡ります。

その中には「価値のない工程」と「価値のある工程」に分けられます。

付加価値を高めるには「価値のない工程」をいかにして減らすことができるかになります。

 

そのためには視野を変える必要があります。

 

視野を高くして俯瞰から全体を見回して、何かありそうだと気が付いたら、そこからズームアップして詳細を見ることで状態を把握できます。

 

次に「加工のしくみ」です。

組み立て加工にはいくつかの手順があります。

 

例えば「ボルトを締める」という作業ではボルトを手にとり、工具を持って、ボルトを締めるワケですが、この中で価値がある作業はボルトを締めるという作業だけです。それ以外の作業はボルトを締めるための準備でしかないのです。

 

これらの価値のない作業をいかにも少なくするかが価値を高めることになります。

 

次に「作業手順のしくみ」です。

これは先ほど二つのしくみ(モノの流れと加工工程)を合わせてよりよいしくみにするとこで、作業手順の全体が改善されるです。

 

四つの箱でプランづくり

  • 現状のやり方
  • 現状の値
  • 目標の値
  • 新たなやり方

 

まずは「現状のやり方」ですが、これは文字通り、どのような作業をどのような手順で行っているのかを把握する作業です。

 

次に「現状の値」では先ほどの「現状のやり方」で洗い出した作業に対してどのくらいの時間がかかっているのか?どのくらい費用がかかっているのか?といった数値を当てはめます。

 

次に「目標の値」ですが、「現状の値」で確認した時間や費用をどのくらいまで減らせるか?という目標を立てます。

「こうしたい」「こうなればいいな」という理想を掲げることで目標値を設定できます。

 

次に「新たなやり方」では目標値を実現するための方法を考えます。もし今までのやり方の効率を上げても目標値に届かないようであれば、やり方そのものを見なすことも必要になります。逆に考えると「今までのやり方」に縛られずに、いかに改善するかという発想の転換が求められます。

 

五つの基本行動

  • 異常があったらラインを止める
  • QRQC(迅速対応による品質管理)の徹底
  • 生産順序と時間の遵守
  • ベンチマーキング(外部から見た自分たちの水準)の徹底
  • 人を育てる

 

まず最初の「異常があったらラインを止める」ですが、これ、意外に実施するのは大変です。自分が異常を感じたら作業を止めるのですから、けっこう勇気のいる行動です。

 

もし前工程から流れてきた部品に違和感を感じたら、前工程のスタッフに確認することになるので、風通しの良い人間関係が築かれている必要があります。

 

良い人間関係ができていないと「俺の仕事にイチャモン付ける気か?」と険悪になってしまいます。

 

そうなると「一万個のうちの一個だから、まぁ、いいか」となぁなぁになってしまいます。

 

しかし、その違和感はアラームでもあるので、今まで気が付いていなかった改善点かもしれないし、場合によっては、重大な不具合に繋がる原因である可能性もあるので、異常に気が付いたら、お客様に届く前に潰しておくべきなのです。

 

万が一、お客様に届いたあとで故障やリコールになったら、そのために失う信用や回収コストの方が大きな損失になってしまうのです。

 

次に「QRQC(迅速対応による品質管理)の徹底」ですが、先ほどの「異常があったらラインを止める」で見つかった異常に対してどのような改善策を講じるべきか、どのように品質を向上されるかを継続的に考えることが重要なのです。

 

次に「生産順序と時間の遵守」ですが、物事には何事にも順序があります。

 

特に日産では一つのラインで複数の車種を作る多品種混合生産を実施しているので、順序が大切な要素です。

 

また複数の工程に跨がって生産されるので、時間も大切です。前工程で時間が掛かりすぎると、次の工程では待ち時間が発生します。

 

計画に沿った時間と数が大切なのです。

 

次に「ベンチマーキング(外部から見た自分たちの水準)の徹底」です。

自分の会社や工場のことしか知らないと、自分たちの実力を正確に把握できず、井の中の蛙になってしまいます。

 

例えば3年前に自社の他の工場よりも優れた生産性を誇っていたからと安心していると、知らないうちに他の工場に生産性が抜かれている可能性があります。

 

また他社と比べてみることで、自社で不足していることに気が付くこともあります。

 

このように他との比較は自分たちの生産性を客観的に比較する基準になるのです。

 

と、ここまで日産式生産方式を見てきました。

トヨタ生産方式と似ている部分もあるし、異なる部分もあります。

 

生産性の改善にはゴールはない

いずれにせよ生産性の改善にはゴールはありません。

 

昔と違いこれからの時代はまとめ生産による作り置きをするのはリスクが高い時代です。

売れる筈」で作った商品が予想に外れて残る倉庫の負担は増え、割引販売すると利益が減ります。

 

マクドナルドは以前は作り置きして五分経つと廃棄していました。

しかし現在は厨房の設備を改善し、注文を受けてから商品を作ります。

 

またユニクロも情報製造小売業へ転換し、お客様が欲しい商品をすぐに作って販売し、在庫が残らないように転換しようとしています。

 

このようにお客様との同期をいかにとるか、そのための改善を継続する必要があるのです。

 

この本が発刊されたのは2011年です。

この時点で若者の自動車離れのエピソードが出ています。

発刊から7年経った現在でも相変わらず若者の自動車は変わらず、むしろカーシェアリングなど車を所有しなくて済むサービスは増えています。

 

また時間労働人口の減少高齢化社会やダイバーシティについても言及されています。

 

自動車会社はグローバル化によって色んな国で色んな文化を尊重するということが定着しているのでしょう。

 

人口減少が進む日本では、大きく働き方も暮らし方も変えざるをえなくなる可能性が高いといえます。

 

その時、日産式生産方式が参考になるかもしれません。

 

 

人が変わる、組織が変わる! 日産式「改善」という戦略 (講談社+α新書)

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