松田軽太のブロぐる

企業の情シスで働いています。会社の中では何をしてるのかナゾな職場の情シスあるあるなどや読んだ本のことなどを思いつくままに書いています。

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RPAを先行導入した企業はどのようにして成功させたのか?

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事務処理の効率化ということでRPAという事務処理自動化のソフトウェアを導入企業も増えてきましたね。

 

こんにちは!松田軽太です。

 

日経コンピューターに『RPA活用の三原則』という記事が載ってました。

 

ちなみにRPAとはロボティック・プロセス・オートメーションの略です。

 

今回はこの記事をもとにRPA先行企業の取り組み内容をみていこうと思います。

 

記事になっているくらいだから成功事例ですが、本当は成功の陰に隠れた苦労話をクローズアップして欲しいところですが。

 

日本の会社は現場主導(ボトムアップ)での導入が多い

生産管理や販売管理などの基幹システムの導入は経営層からトップダウンで押し付けられますよね。

 

この場合、現場がイヤだと言っても有無を言わせずに導入されます。

 

ところがRPAの場合は現場主導での導入が多いのです。

 

その理由はRPAが現場の作業そのものを自動化する技術なので現場が主役という事情があります。

 

なので現場が使いやすいRPAソリューションを選択することが大切です。

 

記事の中では鉄鋼総合商社の「メタルワン」の事例が紹介されています。

 

この会社では現場の業務担当者にRPAロボを開発するという運用を計画しているので、定着させるために社内で「RPAコンテスト」というイベントを開催したのです。

 

こうしたイベントを実施することで社内にRPAを浸透させ、競わせることでRPAロボを作る技術が向上します。

 

そしてRPA研修では現状業務とRPA後の業務をかき出して、RPAを導入することで、どのような業務が具体的に効率化するのかイメージさせているのです。

 

それらの取り組みの結果、2017年には79のRPAロボを作成し6000時間の効率化を実現し、2018年には93のRPAロボを作成し、10000時間の効率化をすることができました。

 

こういう社内イベントみたいな企画をするのも、RPAを社内に定着させる仕掛けとして有効でしょうね。

 

下記のサイトでも詳しく書かれています。

社員が競う「ロボットコンテスト」でRPA導入を推進するメタルワン (1) RPAはイノベーションに必要な「時間」を作り出すステップ | マイナビニュース

 

トップダウンでRPAを導入する事例

トップダウンでRPAを導入した企業として三菱重工が事例として紹介されています。

 

この会社ではBPRという大掛かりな業務改革という形で進められました。

ちなみにBPRとはビジネスプロセス・リエンジニアリングの略です。

 

まず第一段階としてビアームコンサルティングというコンサル会社の協力で効果が高そうな業務をRPAのターゲットにし、まずは月間2万件の請求書の支払い業務をRPA化しました。

 

紙の請求書をOCRで読み取って、会計システムにデータ入力し支払いするという業務です。そして入金や固定資産の業務をRPA化し、年間で2万3000時間の効率化を実施できたのです。

 

この成功により、三菱重工本体の財務経理部門にRPAを導入していきました。

 

そして三菱重工のグループ会社にもRPAを展開し、なんと11万6000時間も効率化をすることができました。

 

すごい効果がでていますね。

 

ビアームコンサルティングでは、具体的なRPA支援内容が紹介されています。

rpatimes.jp

 

社内にRPAを啓蒙する

ニチレイロジグループは「RPAと人間が対決する動画」を業務部門の担当者に見せることで、RPAの効果を訴えました。もちろん動画ではRPAが圧勝する内容です。

 

こちらのサイトではニチレイのRPAの取り組みについて詳しく解説されています。

 

ニチレイの業務改革についての記事が前編・中篇・後編の三部作で紹介されているという力作です。

 

RPAについては後編になりますが、前編もなかなかどうして、すごい内容です。

 

少しだけ前編から引用すると

1日で22万5千枚を出力、「紙に仕事をさせられている」環境を打破

とあります。とんでもない紙の量ですね。

 

online.logi-biz.com

 

損保ジャパンでは社内イベント放送でRPAで自動化したい業務を募集しました。

www.itmedia.co.jp

 

いずれにせよ各社それぞれ趣向をこらして、RPAという新技術の便利さを訴えています。なぜなら業務部門の担当者はRPAがどんなものなのかまだまだ理解していないのです。

 

まずは社内でのRPAの認知度をあげるための仕掛けも必要なのですね。

 

製造業での活用も始まっている

RPAが活躍する領域というと営業事務であったり、財務・経理といった部門が目立ちます。もともと伝票処理が多い部門がRPAの対象になったからですね。

 

そんな中、日本たばこ産業(JT)では生産管理でRPAを活用したのです。

 

作業はこんなイメージです。

・生産管理ERPから原材料の納入予定データをダウンロードする

・ダウンロードしたデータをExcelで加工し、受け入れ指示書を作成して印刷

・調達部材のExcelデータを生産管理ERPに登録して発注する

といった感じです。

 

ここでポイントになるのは生産管理ERPの存在です。

 

RPAを活用しなければ、これらの作業を効率化するならERPをカスタマイズして機能を追加する必要があります。

 

それには高額な改修費用が発生します。ウワサで聞いた話ですが、某ERPではボタンを画面に一個、追加するだけで300万円のカスタマイズ費用が掛かったといいます。

 

しかしRPAで内製すれば、ERPのカスタマイズに比べれば、そこまで大きな金額にはなりません。またERPのカスタマイズ費用はその機能のためだけの投資になりますが、RPAであれば、他の用途でも活用できるので汎用的です。

 

つまりRPAの活用方法としてERPにない機能を補うというという使い方もあるのです。

rpa-bank.com

 

経営層にRPA導入を説得するには?

現場主導でRPAを導入する上での難関はどうやって経営層を説得するかということでしょう。

 

この関門を越えられずRPAを導入できない会社も多いのです。

 

まぁ、経営層側からすれば、導入したはいいけれど思ったほどの効果がなくて情報化投資が無駄になる・・・なんてことは許しがたいことでしょうから。

 

しかし、単純に費用対効果を算出するのは難しいところです。

 

事務処理の担当者が多い会社では、作業効率化での時間削減が明確なので、費用対効果を算出しやすいですが、削減時間が多くないと毎月掛かるRPAの費用が増えただけでコストアップだと見なされる可能性が高いでしょう。

 

例えばRPAを導入することで、早朝出勤や深夜勤務が減るといった労働環境の改善というのも、現在の人手不足の時代では大きな改善効果として訴えることができるでしょう。

 

作業の改善はタダではできません。

 

もしタダで作業を効率化するのであれば、その面倒な作業を廃止することです。

 

無くすだけなら費用は掛かりませんが、そもそもRPA導入前から廃止できたハズの作業でしょう。

 

でも、全ての作業が廃止できるワケではありません。

 

業務改善には費用が掛かることを認めてもらう必要がありますね。

 

JTでの事例のようにERPの高額なカスタマイズが不要ということになれば、導入しやすいですね。

 

今回、紹介したRPA先行企業の多くは2017年ごろから導入を始めているので、すでに2年間の経験が蓄積されています。

 

今までは大企業での導入が多かったと思いますが、現在は東京都や横浜市といった前項区の自治体にRPAが導入されつつあります。

 

it.impressbm.co.jp

 

www.city.yokohama.lg.jp

 

今からRPAの自社導入に備えて準備を始めた方が良い

 各自治体でも70%だとか90%といった大きな業務効率化の成果が出ています。

 

ということは次は社員数が1000名から数百名くらいの中堅企業への導入が始まるでしょう。

 

しかしその段階になってから自社でどのようにRPAを導入すればいいかを考え始めていては、ちょっと遅いですよね。

 

その前にどんなRPAソフトがあって、どういう特徴があって、どのくらいの費用感なのかを検討しておくべきです。

 

検討不足でどのRPAソリューションも同じように見えてしまうと、結局、選定理由が価格だけということになってしまいます。

 

しかし、一度、運用を始めたソリューションを別の製品に切り替えるのもけっこうな手間です。

 

なので、すぐにRPAを導入するつもりがない会社でも、今からRPA導入のための事前調査を始めるべきなのです。

 

RPAに関する記事は下記もご参照ください。www.matudakta.com

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