最近、「脱Excel」という言葉をチラホラと見かけるようになったと思いませんか?
こんにちは! 松田軽太です。
Excelといえば会社のパソコンに必ず入っていて、誰もがノート代わりに使っていますよね?
そんな身近なExcelですが、ここ数年、Excelでの業務を運用することの闇の部分が見えはじめてきたのです。
脱Excelってなんなん?
あまりにも手軽で便利なExcelですが、大きな欠点は「みんなで同じ情報を共有する」という部分でしょう。
あれだけ何でもかんでもこなせるスーパー便利なソフトですが、誰かがExcelを開いて入力していると他の人は入力できないといったように情報共有という部分は残念ながら非常に弱いのが現実です。
またExcelはCampusノートのようにライトに使う分には何も問題がありませんが、今まで見たこともないようなマニアックな関数を使われたり、マクロ記録で書かれた定型処理は、パソコンが変わっただけで動かなくなったりします。
敷居の低さと奥の深さがExcelの魅力ではありますが、複雑に作り込まれたExcelは作った人だと使いこなせるけど、人事異動で作業者が変わってしまうと途端に「このExcel、どうやって使うの?」と戸惑うことになったりします。
特に複雑に作り込まれたExcelがガッツリと業務に組み込まれていて「Excelでの作業ありき」になっている職場では、仕事が引き継げないという事態になるので深刻です。
「特定の誰かにしか使いこなせない」ということを「属人化」と言います。
人に仕事がこびりついてしまうことですね。実は多くの会社がこの問題で困っています。
それが「脱Excel」という言葉を生み出したのです。
困ったExcel”あるある”
Excelを使っていると、一度はこんな経験をして嫌な汗をかいたことがあるんじゃないでしょうか?
- 複雑な関数の使い方が分からない
- マクロが動かない/途中で異常終了する
- マクロ記録のVBAコードが読めない
- 長年、継ぎ足ししたExcelが巨大化して、ファイルを開くのに5分かかる
- うっかり関数を消してしまった!
- 列を増やしたら、今まで動いていたマクロが動かなくなった
こういったトラブルを解決するのであればWEBデータベースを導入するという選択肢もあるのです。
脱Excelの筆頭! サイボウズ社『Kintone』
「脱Excel」というとKintoneの名前がよく挙げられます。
KintoneはWEBデータベースというものです。
ネット上にあるデータベースをみんなで参照することで情報の一元化ができて、効率があがるというサービスです。
もちろんパソコン以外にスマホでも見ることができるのが特徴です。
データベースというと身近なものだとマイクロソフト社のAccessを思い浮かべるかもしれませんが、世の中にはAccessと聞くだけで「何度かチャレンジしたけど、自分には難しすぎて使い方が分からなかった」と敬遠される人もいるでしょう。
しかしKintoneのコンセプトは「誰でも簡単に使える」です。
実際、誰でも使えるくらいに分かりやすい画面設計になっています。
そうした気配りもKintoneが支持される大きな理由の一つでしょう。
以下、Wikiからの引用です。
kintone(キントーン)とは、サイボウズ株式会社が提供している、webデータベース型の業務アプリ構築クラウドサービス。
マウス操作で直感的に自社に合ったシステムが作成できる他、豊富なAPIを通じて他システムとの連携も容易に可能となっている。
さらに、従来であればJavaScriptなどを使用したカスタマイズが必要だった部分も画面上の設定で行えるgusuku Customineがアールスリーインスティテュートよりリリースされた[1]。
同サービスを利用すれば、プラグインでは実現できず、カスタマイズ開発が必要で諦めていた機能もカスタマインで実現することができる[2]。
従来のシステム開発は、プログラミングができる社内開発体制か、システムインテグレータへの依頼が必要だった。
しかし、日本国内においてはkintoneがリリースされてからユーザーが「業務システムは自分で作る」という考えや、開発会社においても「ユーザーと一緒に良いものを作っていく」という意識が浸透し始めた。
その結果、人月商売だったシステム開発の考え方に変化が起こりつつあり、顧客の目の前で開発を行う面前開発など、新たな開発手法も見られるようになった。
Kintoneは2011年からサービスが開始されたまだ若いサービスです。
しかしすでに導入企業が1万社を超えています。
導入数が多いということは「これなら自分でも使えるんじゃないか」と感じるからでしょう。
Kintoneの魅力のひとつにkintone hive(キントーンハイブ)といったユーザー参加型のイベントも多く開催されています。
What’s kintone hive キントーンハイブとは?
日頃から業務の中でkintoneを活用しているユーザーが一堂に会し、
業務改善プロジェクト成功の秘訣や活用のコツをそれぞれの視点で解説。貴重なノウハウやアイデアを交換するリアルイベントです。
これまでに100社以上の企業に登壇いただきました。
kintoneをご利用いただいている方であればどなたでもご参加いただけます。
こうした場で成功ユーザーの事例を聞くことで「あ!このタネ、会社で使ってみよう」というアイディアが沸いたりします。
サイボウズ社は「日本の企業の働き方改革を支援する」ということを使命としています。そのためのツールがサイボウズofficeというグループウェアでありKintoneなのです。
地味ながら人気がある! JustSystem(ジャストシステム)のUnitBase(ユニットベース)
Kintone以外のWEBデータベースというとJustSystem(ジャストシステム)のUnitBase(ユニットベース)でしょうか。
ところで皆さんはJustSystemという会社をご存じですか?
現在はパソコンのワープロといえば定番はWordですが、その昔はパソコンのワープロといえば『一太郎』というソフトでした。
もちろん一太郎は今でも販売されていて一定のコアなファンも存在します。
そんなJustSystemですが、奇遇にもKintoneと同じく2011年から販売された商品です。
コンセプトもKintoneと同じく「誰でも使えるデータベース」です。
Kintoneとの最大の違いはKintoneはクラウドのみですが、UnitBaseはオンプレミスで運用できるという点でしょう。
オンプレミスとは「サーバーを買って自社で運用する」ということです。
最近はサーバーを買わずにすむ手軽なクラウドに人気がありますが、絶対に社外に漏らしたくない重要な情報を扱う場合には、まだまだオンプレミスでの運用を重視する会社も多いのです。
メジャーどころのWEBデータベースはこの2つでしょうかね。
ところが最近はこの2つ以外にも手軽なWEBデータベースが増えました。
ということでまだ地味ながらも便利そうなWEBデータベースをご紹介します。
CELF(セルフ)
SCSKが提供するWEBデータベースです。
こちらの特徴はRPAオプション機能を用意しているのが特徴です。
RPAと謳うだけあって、他のシステムからのデータ取り込みといったことができます。
このあたりはゴチャゴチャと文字で書くよりも、動画を見てもらった方が分かりやすいでしょう。
https://www.celf.biz/rpa/#section_rpa_movie
Forguncy(フォーガンシー)
グレープシティという会社が提供しているサービスがForguncyです。
こちらの特徴はExcelだけでなくAccessのデータもForguncyに取り込めるので複数人で
使えるようになります。
画面イメージはExcelそっくりです。
おまけにExcelの代表的な機能の「セルの書式設定、数式、Excel関数、データの入力規則、グラフ」がそのまま使えるというコダワリの仕様です。
「いやいやAccessだってデータベースなんだから、わざわざForguncyにすることないでしょ?」と思われるかもしれませんね。
ところがAccessは複数の人が同時更新するのって苦手なんですよ。
もしAccessで複数が同時更新するような運用をするのであればデータベースを分割する必要があります。
上記のページを見て「何が書いてあるのかよく分からない」という場合はAccessで複数の人が同時更新する運用は避けた方が無難です。
ちょっと話が脱線しましたが、Forguncyの最大の特徴は「Excelのスキルをそのまま活かせる」という点です。
つまり学習コストが極めて低いということです。
これって結構、大きなメリットだと思います。
Canbus.(キャンバス)
(株)システナが提供してるサービスです。
クラウド型なのでKintoneと同じような運用ですね。
「だったらKintoneで良いんじゃないの?」と思われるかもしれませんね。
Canbus.とKintoneとの最大の違いは料金体系です。
Canbus.は人数制限はありません。
すべてのプランでユーザー数無制限で利用できるのです。
なので社内展開していった際に「この人はライセンスがあるから使えるけど、この人はライセンスがないうから使えない」という煩わしさがありません。
たとえば一番メジャーなStandardというプランは月額35,000円です。
では何が制限になるのかというとデータ量です。
Standardではレコード数が5,000です。
なので商品見積や営業日報のような小規模なデータ量の情報共有が向いているでしょう。
データ量に制限があるとはいうものの、ユーザー数無制限というのは非常に大きな魅力だと思います。
プリザンター
(株)インプリムが開発しているプリザンターの最大の特徴はオープンソースという部分でしょう。
pleasanter.org
UnitBaseのようにサーバーを自分で用意すれば無料で利用できます。
またKintoneのようなクラウドサービスも用意されて、こちらは3名まで利用であれば無料です。
10名までのライトプランであれば、月1000円ポッキリなので、1人につき100円です。
う~ん、信じられない低価格。
それ以上であれば1人あたり月540円のスタンダードプランを利用します。
もし自分でサーバー構築までできるのであれば、無料で使えるプリザンターは魅力的ですね。
nyoibox(如意箱)
NIコンサルティングという会社が提供している「nyoibox(如意箱)」というサービスがあります。
こちらの特徴は「表計算ソフトのような操作性」ということで、画面はかなりExcelチックです。
KintoneにもKrewというアダプターをつけるとりExcelチックな運用ができますが、別料金が掛かります。
「Excelからの置き換え」という目的であれば、こちらを使うという手もあります。
楽々Webデータベース
こちらは住友電工が提供しているサービスです。
この製品の特徴はというと・・・サイトを見た限りではKintoneやUnitBaseと大きな違いは
ないようですね。
まとめ
こんな感じでKintoneのヒットをきっかけに沢山のWEBデータベースのサービスが提供されるようになりました。
とはいえこれらのWEBデータベースを導入したからといってExcelの運用がなくなるとは思えません。
WEBデータベースを導入するのであれば「どういった目的で利用したいのか?」を明確にしておかないと「導入はしたものの、一体、何に利用すればいいのだろう?」ということになってしまいます。
WEBデータベースのご利用は計画的に!