働き方改革の具体的な手段が「無計画な残念禁止令」という会社も多いんじゃないでしょうか?
こんにちは! 松田軽太です。
仕事って単純に時間の長さだけでは測れないじゃないですか。
仕事のアイディアを練っていて、良い案が浮かんだら、時間を忘れて練り上げたいですよね。
そんな時に「定時を過ぎたからはよ帰れ!」と追い出されてしまうと、湧き出たアイディアもどこかに飛んでしまいます。
自分のために生産性を上げる
いささか理不尽な部分はありますが、そういう時代の流れになってしまっているので、弱小な個人では抗いにくいのが現実です。
そこで僕たちができることは「自分のために生産性を上げる」ことです。
ムダ作業の時間を削れば、本当にやりたい事に集中する時間に作り出せますから。
ということで、今回は業務改善士の沢渡あまね氏の著者『「自分」の生産性をあげる働き方』を参考に考えてみます。
自分が成長するための環境作りをする
単に「時短を極める」だけでは、自分が目指す成長には繋がりません。
では何を目的にすれば良いのでしょうか?
本書では以下のように示してくれています。
・得意な仕事が自分に舞い込んでくるようにする
・勝てる分野で、勝てるようにする
・苦手を克服しやすい環境をつくる
・苦手を苦手といえる空気感を作っておく
・モチベーションに左右されずに、淡々とこなせるやり方に変える
・いざというとき、頼り・頼られる人間関係を整えておく
要するに自分にとって有利な環境を自分で作り出すということを、ある程度、戦略的に実施するということですね。
走るのが得意な子供が、苦手な水泳を頑張るよりも、まずは得意な「走る」で自分のポジションを築いた方が有利ですよね。
その後で自分の幅を広げるために水泳にチャレンジするという考え方です。
仕事を楽しくできるような「好きな仕事を引き寄せる」ための作戦
自分にタグ付けする
よく考えたら、自分の得意とか不得意って実は自分ではよく分かっていなかったりしませんか?
よく勘違いしてしまうのは「好き」と「得意(上手い)」ではないでしょうか?
「歌を歌うのが好き」であっても、必ずしも歌が上手いとは限りません。
しかし、世の中に価値を提供できるのは「得意(上手い)」の部分です。
なので、まずは「どんなことが自分は得意なのか」を事前に自分で書き出しておくと、自分の得意なことを整理できます。
知識を公開するとこで自分をブランド化する
自分の持っている知識は自分の引き出しの中にしまい込むのではなく、みんなに公開してあげましょう。
あなたの知識人が誰かの役に立てれば、あなたは感謝されます。
そして人は良かったことを周りの人に話したくなるので、クチコミであなたの評判が広まります。
これが積み重なるとあなた自身がブランド化するのです。
「その件なら○○さんが詳しいから、ちょっと聞いてみようよ」となるのです。
こうなれば、あなたの得意な分野の仕事が集まってくるので、成果をあげやすくなるでしょう。
ブログでいえば社内でのSEO対策みたいなイメージですね。
自分メニューを作る
あなたのブランド化が進んでくると、色んな部署から声がかかるようになるでしょう。
あなたの得意分野や経験値が高いものがいくつかあるのであれば、自分メニューを作っておくと、分かりやすくなります。
例えば自分メニューを作るとこんな感じ。
・Excel-VBAで仕事の自動化をできる
・最新のExcel活用方法を知ってるので、仕事の効率化を教えることができる
・データベースソフトを活用して業務アプリを作れる
・作業を分析して、要件をとりまとめることができる
・分析した要件からデータモデルを描ける
・業務プロセスを設計できる
・業務手順をマニュアル化できる
・社内の業務と基幹システムの関連性を把握している
・BIツールで照会定義を作成できる
・データベースにどのようなデータがあるのか知っているので業務で役立つデータ活用を提案できる
などなど、自分メニューを作ると自分の得意技を可視化できます。
自分履歴書というイメージでも良いかもしれませんね。
ポータブルスキルを増やしてどこの会社でも通用する人材になる
ポータブルスキルというのは、自分が持っている役立つ能力です。
具体的には
・プレゼンテーションスキル
・マネジメントスキル
・語学力
・資格化されたスキル
・特定のジャンルに特化したスキル
などなどです。
要するに今いる会社の中だけでしか通用しないスキルではなく、他の会社に移ったとしても活かせるスキルです。
「いや、自分は転職する気なんてないんだけど」と思う人もいるでしょう。
しかし、今はそう思っても、ある日突然、何かが起こって日常が変わることはあり得ます。
たとえば
・親の介護で実家に帰ることになった
・育児で会社を辞めることになった
・他の会社と統合されて別の部門に異動になった
・関連会社に出向することになった
・災害で今の街に住めなくなった
・働き過ぎて退社することになった
などなどです。
今はそうは思ってなくても、突然、他の働き方をせざるを得なくなる可能性があります。
そんな時にポータブルスキルがあれば、移った先の会社でも、あなたが活躍しやすくなるのです。
普段からアンテナを広げて得意の範囲を広げる
ある分野に特化した得意も価値はありますが、それに関連して他の部分まで、得意を広げるとよりあなたの価値が高まります。
「Aという得意」と「Bという得意」を掛け合わせることで、あなたの希少価値が高まるのです。
そのためには、色んなところにチョコチョコと顔を出したり参加して、自分の得意と組み合わせできそうな、他の分野を知ってみると良いでしょう。
興味の範囲を広げるということですね。
所要時間を意識する
誰かに相談したり打合せしたりすることは仕事の中で多いでしょう。
しかし、誰かに相談するということは「誰かの時間を奪う」ことです。
という認識ができれば手短に相談内容を事前にまとめておく必要があります。
事前にまとめておけば、相談したい人にも「相談があるので、10分、時間をもらえませんか?」と言えますし、相談された方も『まぁ、10分くらいならいいか』と考えてくれます。
そして、事前に相談内容をまとめると意外に効果があるのは、自分で相談内容を整理しているうちに相談しなくても「あ、こうすればいいんだ」と自己解決方法に気がついたりします。
僕自身もけっこう、こういうことがあるので、まずは自分で課題の内容を整理してみることをお勧めします。
会議の終わりに「決定事項」「宿題事項」「次回予告」を確認する
本当に多くの会社でムダな会議が横行しています。
最悪なのが二時間も会議したのに何が決まったのか分からない会議です。
それらの多くが、そもそも何をみんなで検討するのか分からないまま、とりあえず集まって話し出すというパターンでしょう。
こういうと「いや、みんなで集まって話し合うことで良いアイディアがでるんじゃないか」と反論する人もいます。
しかし、会議するということは、会議する前に、そのテーマに対する課題が存在するハズです。
それを事前に整理して置かないから、会議の場になってあーでもないこーでもないとグダグダした話し合いになって、いつしか雑談コーナーになってしまうのです。
グダグダ会議の悪いところは、長い時間、拘束されて話したことで、何も決まってもいないのに、適度な疲労感が残って、なんか仕事した気分になるところです。
それを防止するために次の準備をしましょう。
・事前に課題を明確化する
・ホワイトボードに決定事項を書き出す
・宿題事項は期限を決める
・次回の会議の日はその場で決める
これを実施するだけで、ずいぶんと意味のある会議に変わります。
自分ブランドを確立する
最近はSNSでも「個人のブランド化」を推奨していますよね。
「それって、彼らは最終的にはフリーランスを目指しているから個人の価値を上げたいんじゃないの?」と思うかもしれません。
しかし、企業内でも個人のブランドを上げるのは有効です。
そもそもブランドとは何かというと、サービスや商品に対する信頼の証しです。
決して他人に高級バッグを見せびらかすのがブランドではありません。
企業内で自分ブランドを高めるということは「彼に任せれば大丈夫」という信頼感を作るということです。
会社の中に様々な提案のプレゼンを通す「スゴイ人」っていませんか?
そうした人はもちろんプレゼン内容が優れているということもありますが、彼ら自身に信頼できるブランド力があるのも大きいのです。
ではどうすれば自分ブランドを向上させることができるのかというと、「自分の得意を周りにアピールする」ことで、あなたの能力を見える化するのです。
そのためにも自分メニューを作成しておくといった準備が有効なのです。
自分の職場は自分で働きやすくすることが「自分のための働き方改革」になるのです。
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