イマドキの業効率化の定番アイテムといえばRPAですよね。
RPAとはロボティック・プロセス・オートメーションの略で、要するに「事務作業を自動処理するソフト」のことです。
しかし、今回はRPAの話ではなく業務効率化の手段としてAI-OCRを活用してみてはどうか?ということをテーマにしてみます。
こんにちは! 松田軽太です。
なぜAI-OCRの導入を薦めるのか?
RPAを使えばWebサイトからデータを取り出してExcelに入力するといった作業を自動化できます。
しかし、RPAだけでは手書き伝票に書かれた内容をExcelに入力することは出来ません。
ここでアナログからデジタルへの越えられない大きな壁が立ちはだかるのです。
そこでAI-OCRの出番です!
AI-OCRを使えば手書き伝票に書かれた文字をデジタル化することができるのです。
そんなワケで最近ではRPAにAI-OCRを組み合わせて導入するケースも増えています。
AI-OCRで代表的なサービスは何か?
僕がデモを見て感動したAI-OCRは『DX Suite』というサービスです。
利用方法は簡単で手書き伝票をPDF化して、それを『DX Suite』のサイトにアップロードするだけで手書き文字を読み取ってくれます。
『DX Suite』のサイトで実際の読み取り例が紹介されています。
このようにこんな手書き文字が読み取れるんです。これ、すごくないですか!
このスゴさはいくら文字で説明しても伝わらないと思うので、動画を見てもらえれば納得できるでしょう!
異なる書式の伝票を読み取りさせても『DX Suite』が仕分けしてくれる
『DX Suite』には自動で伝票の書式を判断して仕分けしてくれる機能があるので超便利!
伝票って取引先ごとに異なる書式ですよね。
なのでてっきり伝票をPDF化する前に種類ごとに仕分けしておかなければいけないと思っていたんですが『DX Suite』のほうで書式を判断して仕分けしてくれるというから驚きです。
なんと賢くて親切なサービスなのかとマジ、感動ですよ!
AI-OCRの『識字率は95%』とはどういうことなのか?
AI-OCRは文字通り、AIが得意とする画像認識技術を使っているので、かなりラフな手書き文字も読み取ってくれるのです。
なにしろAI-OCRの識字率は95%とも言われています。
スゴいですよね! ほとんどの手書き文字を読めるんです。
でも95%ということは100文字につき5文字は間違える・・・ということでもあります。
なので完全にAI-OCR任せにするのではなく、最終的には人間が読み取った文字が正しいか確認する必要があるのです。
たとえば漢字の「力(ちから)」とカタカナの「カ(か)」を文字のカタチから識別するのは難しいでしょう。
これを識別するには前後の文章の意味まで解析しないと分かりませんよね。
まずAI-OCRを導入して手書き伝票の入力効率化するという手もある
ということで、かなりの精度で手書き文字の読み取りできるとはいえ、人間が最終的に確認する必要があるので、業務自動化として考えるとAI-OCRは不完全だともいえます。
ですが、目的が手書き伝票から他システムへのデータ入力の効率化であるなら、RPA導入よりも先にAI-OCRを導入するという手もあります。
なにより今まで不可能だと思われていた手書き文字をデータ化してくれるので、インパクトは絶大です!
日本人は几帳面なのでゼロリスクが大好きなので「いやいや、それだと自動化になってないじゃん。識字率が100%でなければ納得できん わ!」と考える人もいるでしょう。
確かにこれだと自動化としては不完全かもしれません。
でも、よく考えてみてください。
読み取ったデータの確認作業があるにしても、手書き伝票を目で読みながら入力するよりも、AI-OCRが読み取ったデータが正しいかどうかを確認する方が断然、早いと思いませんか?
そして手書き伝票の内容をデータ化できたら、あとはコピペで基幹システムに入力すれば良いのです。
「業務の効率化をする」が目的であるなら「今まで手書き伝票を見ながら、キーボードを叩いて入力したいた作業がコピペだけで済むなら業務効率が上がる」と言えます。
もし自分がこの作業を行っていたと考えた場合、手書き文字を必死に見ながら間違えないように手打ちするのとAI-OCRが読み取ったデータを確認して、正しくない文字を訂正するのではどっちが楽かを考えてみてください。
普通に考えれば、正しくない文字だけを訂正する方が楽だし早いし正確ですよね?
つまり「業務の中で、どの部分で担当者が苦労しているのか?」を見極めることが大切なのです。
RPAは何故、幻滅期と言われているのか?
最近では「RPAは幻滅期に入った」と言われるようになりました。
では、いったいRPAの何に幻滅しているのでしょうか?
RPAが最初に注目されたのは2017年頃ですが、その頃は「RPAを使えば誰でも簡単に業務を自動化できる」というような内容の記事を見かけました。
確かにRPAはローコード開発なので簡単に作ることができるでしょう。
しかしそれができるのは、今までプログラムを書いてアプリを開発した経験のある人の場合です。
残念ながらExcelのオートSUMくらいしか使ったことが無いという人にはRPAのシナリオ作成はかなりハードルが高いのが現実でしょう。
ところが「誰でも簡単に自動化できる」を鵜呑みにして導入した企業では「あれあれ?意外にRPAって難しいぞ」ということになり、しかもRPAは最小構成でも年額100万円程度は掛かりますから「何の役にも立たないRPAなんぞに毎年100万円も払うなんて、金をドブに捨ててるようなものだ!」と経営陣から怒鳴られる始末です。
つまり「とりあえずRPAを導入してみた」という会社の場合、経営者から見るとRPAは投資効果が実感できなかったのです。
そもそもの目的は『RPAを導入すること』ではない
他にも本末転倒になったしまうパターンとしては「我が社も働き方改革を行うので、業務改善を実施せよ。そのためなら予算を出すぞ」という指示が経営陣から降りてくるパターンでしょう。
そこで真っ先に思いつくのが「RPAで業務自動化」という手段ですね。
従来の情報化投資の場合、なかなか必要性を経営陣を説得するのは大変ですが、RPAの場合は「働き方改革」という大きなテーマがあるので、わりとすんなり稟議が通ります。
ERP導入のように数千万円も掛からないので余計に稟議書を出しやすいのです。
しかし、RPAを導入したからにはメンツもあるので、なんとしても成果を出さないワケにはいきません。
すると「RPA導入で年間○○○○時間の労働削減!」「今年は○○個のRPAシナリオを作成する!」といったテーマが掲げられたりします。
こうなると時間削減競争やRPAシナリオ作成競争に陥ってしまい、いつしか「RPAを使うことが目的」となり本来の業務改善という目的からかけ離れてしまうのです。
これでは手段と目的が逆転してしまっています。
効果がありそうならRPAじゃなくてAI-OCRを先に導入しても良いんじゃない?
というコトで「効果がありそうならRPAじゃなくてAI-OCRを先に導入しても良いんじゃない?」と考えたワケです。
…と、AI-OCR『DX Suite』のスゴさを説明してきましたが「いやいやこんなチンケなブログの言うことなんか信用できんわ!」と思う人もいるでしょう。
まだ信じられない人はデモを見て自分の目で確認してみるのがてっとり早いです。
『DX Suite』はいろんなRPAベンダーで採用されているようですから、一度、デモの場に参加してみてください。
きっと目からウロコとか既成概念とかいろんなモノが落ちること間違いないです。
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