松田軽太のブロぐる

企業の情シスで働いています。会社の中では何をしてるのかナゾな職場の情シスあるあるなどや読んだ本のことなどを思いつくままに書いています。

【スポンサーリンク】

下手にシステム内製化のブームに乗らない方がよい理由

【スポンサーリンク】

DXブームのせいか、最近は「自社の業務システムは外注するんじゃなくて、社内で内製化した方が良い」っていうことでシステム内製化に関心が集まってきていますね。

 

こんにちは! 松田軽太です。

 

とはいえこのシステム内製化ブームに安易の乗ってしまうとあとあと困るのではないかと危惧しています。

 

今、なぜシステム内製化が注目されているのか?

今までは業務システムの開発といえば、ITベンダーを呼んで、やりたい業務内容を伝えて設計・開発してもらってました。

 

なので自社内で行うことといえば、動作確認して検収するくらいでしたね。

 

ITベンダーに業務システムを開発してもらう場合、ちょっとした業務システムであれば
半年くらいはかかるし、大規模な基幹システムであれば本稼働までに2年くらいはざらにかかっていました。

 

ビジネス環境の変化がそれほど早くなかった時代であれば、それでも良かったのです。

 

しかし、ご存じのようにAmazonなどのデジタル・ディスラプターと呼ばれるデジタル技術を駆使した新興企業が従来のビジネスモデルの企業を根こそぎブチ壊していきました。

 

satori.marketing

 

それによって街中からレコード店や本屋は姿を消し、百貨店は大量に閉店しています。


何十年という長い伝統を持つ企業であっても、デジタル・ディスラプターが攻めてくるとほんの数年で息の根が止められてしまうのです。

 

そこで多くの企業がデジタル技術を活用したビジネスモデルの創出に必死になっています。

 

相手がデジタル技術に攻めてくるのであれば、防衛する側もデジタル技術で自身のビジネスモデルを変革せざるを得ないのです。

 

しかし、逃げ切れる時間はほんの数年しかありません。


従来型の外注によるシステム開発では1年~2年も掛かってしまうので、そんな悠長なことではシステムが出来上がる前に倒産してしまいます。

 

そうなると自社でITエンジニアを確保するしかありません。

 

そんなワケで大手企業は急ピッチでシステムを内製化するための人材を集めています。
自社で作った方が格段に早くシステムを稼働できるからです。

 

www.nikkei.com

 

it.impress.co.jp

 

中小企業の情シスはどうすれば良いのか?

そうはいっても多くの中小企業の情報システム部門は、とてもじゃないけど内製化なんかできるような余裕はありませんよね?

 

だって中小企業の多くは『ひとり情シス』なのですから。

 

パソコンの故障対応やらExcelの使い方やらプリンターのトナー交換やら(本来ならやらなくても良い)雑用が山のようにあるなかで業務システムの内製化なんかやっているヒマなんかありません。

 

そして、実は多くの情シススタッフは自分でシステム開発なんてしたことが無かったりします。

 

「おいおい、情シスというくらいなんだからチャチャっとプログラムを組めないなんて、そんなのおかしいだろ!」とか思うかもしれません。

 

しかし実情は前述したように業務システムの設計・開発はITベンダーに丸投げしてたのです。


どうやって要件定義すればいいのかすら分からない情シスもけっこうあります。

 

でも、それは仕方がありません。

 

中小企業では大企業と違って、四六時中、システム開発する案件がないので、沢山のITエンジニアを雇ったところで手が空いてしまいますから。

 

だから必要最低限の人数で運用しているのですが、省人化が進みすぎて、今や『ひとり情シス』になったのです。


こんな状況で内製化できるでしょうか? その答えは「無理」ですよね?

 

なので自社の人的リソースを考えずに、システム内製化の流れに安易に乗ってしまうと、あとあと大忙しになって自分の首を自分で絞めてしまうことになるのではないかと危惧します。

 

前にブログにも書きましたが、使われ始めた業務システムを使い続けるためには運用保守が重要になります。

 

しかし『ひとり情シス』が安易にシステム内製化に手を出してしますと、業務変更に伴うカスタマイズに追われまくる可能性があるのです。

 

そう、作ったからには責任が伴うからです。

 

www.matudakta.com

 

なので業務システムを内製化に手を出す前に、そのシステムの運用保守まで手が廻せるだけのリソースがあるのかよく考えた方が良いでしょう。

 

ソフトウェアパートナーシップモデル型のITベンダーに協力してもらう

さて、社内でシステム内製化人材の獲得が難しいのであれば、ソフトウェアパートナーシップモデル型のITベンダーを活用するという方法があります。


例えばソニックガーデン社や株式会社ジョイゾーなどの行っている定額のシステム開発サービスです。

 

www.sonicgarden.jp

 

www.joyzo.co.jp

 

risingsun-system.biz

 

いくら部署の呼び名が「情シス」だからといって、今まで業務システムをやった経験がないのに業務システムを見よう見まねで開発するなんて無謀としか言いようがありません。

 

どのくらい無謀かと言えば、DIYが趣味のお父さんが「次は家でも建ててみるか」と言い出すのに等しいくらいに無謀なのです。

 

そんな家に住みたいと思いますか?

 

もしお父さんがDIYで見た目だけ立派な家を建てたとしても、基本的な設計の知識がないので、ろくな基礎工事もできていないから、ちょっとした地震でも傾いてしまいます。

 

内製化したいのであれば、まず身の回りの小さな業務から行う

いずれシステム内製化することになると予測が立つなら小さな業務システムを作ってみると良いでしょう。


例えば文房具などの消耗品の発注管理はどの会社でもやっていると思います。

 

それらの細かい作業は総務がExcelで行っていることが多いでしょう。
文房具とはいっても発注管理・在庫管理・支払い管理など、実際の業務を分解していくと、そこそこ面倒な管理をしています。

 

そういった身の回りの小さな作業を業務システム化してみるのです。

 

情シス部門であるなら、パソコンなどのIT機器管理台帳でも良いでしょう。

 

いずれにせよ、まずは小さな業務システムを内製化するのであれば、万が一、手が足りなくてメンテナンスが追いつかなくても、許してもらえます。

 

そういった小さな業務システムの数をこなすことで、業務システムの内製化の経験値やノウハウが蓄積されるので、そこそこ大きな業務システムの内製化を目指すと良いでしょう。

 

 

「納品」をなくせばうまくいく

「納品」をなくせばうまくいく

  • 作者:倉貫 義人
  • 発売日: 2014/06/12
  • メディア: 単行本
 

 

開発・改良の切り札 システム内製を極める

開発・改良の切り札 システム内製を極める

  • 発売日: 2011/07/07
  • メディア: 単行本
 

 

 

 

【スポンサーリンク】