松田軽太のブロぐる

企業の情シスで働いています。会社の中では何をしてるのかナゾな職場の情シスあるあるなどや読んだ本のことなどを思いつくままに書いています。

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アマゾンに飲み込まれる出版業界から作家が逃れる方法

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すっかり日本の流通業界もアマゾンに破壊されつつありますね。

こんにちは!松田軽太です。

街の本屋さんは減っていき、ヤマダ電機のようなリアル店舗はショールーム化して商品現物を確認をするための場となり、増え続ける物量に対して配送トラックが不足し、扱い品が増えることでリアル店舗の売上は落ち、まさにアマゾンに振り回されているというのが現状でしょう。

実際、ヤマダ電機は売上高が6000億円も下がってしまったし、アメリカではトイザらスが倒産しましたしね。

アマゾンエフェクト!  ―「究極の顧客戦略」に日本企業はどう立ち向かうか

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インターネットの普及によって音楽業界は真っ先にCD販売の激減という大打撃を受けました。
今やCDを買うこと自体が珍しいことになってしまいました。
かつてオリコンチャートの上位は100万枚という規模だったのに、現在では1万枚でもチャート1位になってしまいます。いかに市場が縮小したかが分かるというのもです。

本の世界はまだまだ「やっぱり本は紙じゃないと読んだ気がしない」という人も多くいますが、これからの世代は電子書籍が普通になると、紙の書籍も減っていくのかもしれません。

かつて出版業界は漫画で稼いでいました。
一般の書籍に比べて100倍近くもの発行部数になるのだから、確かに稼ぎ頭になるワケです。
しかし最近は漫画雑誌の休刊も多くなりました。

それによって真っ先に被害を被っているのは漫画家でしょう。

クールジャパンということで、世界中に大きなインパクトを与えている漫画ですが、その産業構造はいささかイビツです。

最近では「漫画村などの海賊版サイトのせいで漫画家にお金が回らず、漫画家という文化が衰退していく」と漫画業界が危機的状況になると言われていました。

しかし、その前から漫画業界っていびつだったのだと思うのです。

海猿の作者である佐藤秀峰さんが自身のサイトなどで公開してますが、そもそも漫画家は漫画雑誌での連載だけでは赤字になるのです。

連載の赤字を単行本の印税で補うというのが現状でのビジネスモデルとなっています。

それっておかしくないですか?
仕事を受けて生産して納品したら赤字って普通の製造業では有り得ないですよね?

しかも単行本の発行部数も減りつつあります。

漫画自体、世の中になくても困らない商品なので、長く不況の続く日本では娯楽にお金をかけられないのは仕方がないのかもしれません。

まぁ、漫画家に限らず小説家やアニメーターや映画監督も厳しいというので、クリエーターになかなかお金が回らないのは製造業が強い日本の特徴なのかもしれませんね。

ではこれからの漫画家はどのように執筆活動すればいいのでしょうか?

フリー編集者の竹熊健太郎さんは「街のパン屋さんみたいな出版社」を提唱しています。

夏目漱石のような文豪の小説の発行部数は当時、2000部程度だったのです。
それを長い期間、販売し続けることで、評価されていきました。

現在のように店頭に置かれるのが2週間程度という早い販売サイクルではなかったのです。

どんな街にもその店で焼いた美味しいパン屋さんがあります。山崎製パンのような大量供給とは真逆の商売です。

今までの漫画出版が山崎製パンであったとしたら、これからの漫画出版は街のパン屋さんのようなビジネスモデルに転換すべきでは?と竹熊健太郎さんは提唱しています。

そもそも漫画は身近な娯楽なので、そのくらいの規模で発行していくのが、適性なのかもしれません。
今の漫画が巨大メディア産業として成長しすぎたのでしょう。

出版の印税は本体価格の10%です。

500円の単行本であれば作者には50円の印税収入が発生します。
しかしKindle専売であれば70%の収入になります。

ということは1/7の発行部数で今と同じ収入が確保できるわけです。
仮に3万部の本であれば、4000部くらい売れれば収入は同じようになります。

もしくは従来の出版で500円の本が3万部売れる見込みがあるなら、1/7の80円という価格付けでも同じ収入が確保できるワケです。
まぁ、むやみに下げる必要もないでしょうけど。

いずれにせよ紙での出版に拘らなければ、自分の身の回りの数千人の商圏が形成できれば漫画家の活動を続けることも可能な時代になったのですね。

新しい時代の新しい発信方法に対応するのが、これからの時代の作家やクリエーターには必要になると感じます。


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