RPAのイベント「BizRobo! LAND 2019 TOKYO」に参加してきました。
こんにちは! 松田軽太です。
ちなみに僕はRPAについて調べている段階で、まだ導入していません。
あくまでもまだRPAを使ってない人の視点で書かれています。
ということで、すでにRPAを導入されている人からすると「コイツ、何勘違いしてるんだ?分かってねーなー」と感じるかもしれませんが、ご了承くださいませ。
なぜRPAが必要なのか?
もしかしたら「RPAって何だろう?」と思われている人も読んでくださっているかもしれないのでまずは「なぜ、今、RPAが話題になっているのか?」についてご説明したいと思います。
「そんなの耳タコでもう知ってるよ!」という場合は、このコーナーはすっ飛ばしてください。
RPAとは「Robotic Process Automation /ロボティック・プロセス・オートメーション」の略です。
もっと簡単に言えば「事務処理を自動的にやってくれるパソコンに住んでるロボット」です。
ではなぜRPAが大ブームになっているのでしょうか?
日本は今、空前の人手不足に陥っています。
どのくらい人手不足が深刻かというと、2030年には働ける年代の人が660万人も不足すると予測されています。
加えて人口減少と超高齢化も同時進行なので3重苦に陥るのはもう避けられません。
ちなみに660万人ってどのくらいの数かというと、ドラゴンボールを連載していた全盛期の少年ジャンプの発行部数が600万部と言われてますから、少年ジャンプよりも多い労働者人口が減るのです。
え?これだと分かりにくいですか?
では東京都の人口で喩えましょう。東京都の人口って900万人だといわれています。
ということはあと10年で東京都の人口の7割が居なくなるのです。
まぁ、とにかく人手不足は加速していくと思ってもらえれば間違いないです。
この人手不足を解消する切り札になるのがRPAだと期待されているのです。
「BizRobo! LAND 2019 TOKYO」の大きなテーマの一つが「人手不足への対策」なのです。
なかなかRPAを導入しない4つの理由
「なるほど。でも人手不足対策に有効っていうんだったら、なんでお前の職場ではさっさとRPAを導入しないのさ?」と思われるかもしれないですね。
そりゃ、そうですよね。
なんでRPAを導入しないのかというと、下記のような理由になります。
①どのツールが使いやすいのかよく分からない
RPAにはBizROBO!の他にもいくつかのメジャーな製品があります。
一番、有名なのはWinActorですかね。その他にもUiPathとかBlue PrismとかAutomation Anywhereとかあります。
これらのRPAツールはいずれも「事務処理の自動化」ができます。
なので「じゃぁ、どれでも良いの?」かというと、きっとそんなことはないのでしょう。
ということで決め手となる選定ポイントが分からないのです。
②費用に見合った効果って本当に出るのか?
ネットや雑誌にも「PRAのしくじり先生」みたいな導入後の失敗事例が載ったりしてます。
たいてい「簡単だから事務員でもロボットを作れると聞いたのに実際に導入したら難しくてできなかった」とか「試しに作ったら動いたけど、ある日、動かなくなった」とか「現場で勝手に作っていたら、何がなんだか分からなくなった」といった後悔の声を見かけると「待て待て、慌てて導入すると大やけどするんじゃないの?」とビビってしまいます。
だってお金を掛けたのに失敗なんかしたら、経理部長から鬼のように怒鳴られるのが目に見えていますから。
③そもそも本当に実務作業者がロボットなんて作れるのか?
いくら簡単だとは言っても、作業手順をロジカルに整理できなければ、ロボットを作るのは無理ですよね。
だとしたら、実際には情シス以外の実務作業者がロボットを作るなんて夢物語のようにも思えます。
ぶっちゃけ「RPAを導入したものの現場で誰もロボットを作れなかったら、結局、情シスがロボット作りの面倒を見ないとダメなんじゃないの?」という恐怖感もあります。
④仕事の自動化ならVBAで良いんじゃないの?
上記の③の続きにもなりますが「そもそも仕事の8割はExcelで運用されてるんだから、わざわざ高いお金を払ってRPAで自動化なんかしなくたって、VBAでもExcel作業を自動化できるんじゃないの?」という意見もあります。
実際のところ、僕も割とこの意見に近いほうでした。
仮にVBAで8割のExcel作業だけでも自動化できれば、残りの作業は2割なんだから、そこだけ人がやるっていうことでも十分、作業は効率化されるし、VBAなら余計な費用が掛からないし(経理部長の顔色を気にしなくて済むし)。
・・・と、こんな思いが頭の中を駆け巡るので、導入に踏み切れないんですよね。
RPAの可能性は単なる作業の自動化ではない
しかし今回、「BizRobo! LAND 2019 TOKYO」に参加することでRPAの可能性は単なる作業のレコーディングと再生での自動化ではないと感じたのです。
今までのような基幹システムの導入は情報の一元管理だったり、仕事のルール化(ビジネスロジック)だったりします。
基幹システムでの作業は「データ入力」⇒「データ集計」⇒「データ出力、帳票出力」といったように「データをINPUTして、そのデータを加工してOUTPUTする」という運用でした。
データの入力は画面からの手入力のほかにCSVやExcelデータを取り込んだりもしますが、いずれにせよ人による操作が必要です。
しかしRPAを活用すると事情が変わります。
最近は多くの取引先で各社各様のWEB-EDIでデータ連携していますよね。
RPAであればWEB-EDIのログインからデータ取り込みといった一連の作業を自動化できます。
実は僕もRPAの用途として思いついたのは、これくらいでした。
ではIoTとRPAが連携したらどうでしょう?
例えば文房具の発注管理にIoTとRPAを応用するとします。
まず文房具置き場に重量を計れるIoTセンサーを設置します。そしてノートや消しゴムやボールペンの一つあたりの重量を登録しておけば、重量で在庫数が把握できます。
発注点を在庫5個としておけば、IoTセンサーが感知した在庫の重量から発注有無をRPAで判断できます。
そしてRPAで文房具の発注サイトに不足した文房具を自動で発注し、発注内容をチャットツールで管理者に報告するようにしておけば、今まで人が行っていた「文房具の発注管理」という仕事自体が消滅します。
こういった仕掛けであれば、文房具ではなく倉庫や工場での部材発注でも可能でしょう。
ここでふと気がついたのです。
「仕事の8割が自動化できれば人の作業は2割まで減る」と「仕事そのものがRPAで消滅する」はぜんぜんインパクトが違うのだと。
仕事のやり方自体をPRAで自動化することを前提に設計すれば、どんどん仕事の自動化が進んでいくハズです。
もちろん何もかもすぐに自動化はできないでしょう。しかし「自動化する前提で作業を設計」すれば、いずれは自動化できるようになるのです。
製造工場での自動化だって、そうでしょう。徐々に自動化されていったハズです。
人間とデジタル人との共存
いずれにせよ日本の状況はこれから先も人手不足が続きます。
そんな日本だからこそ、人間とRPAロボット=デジタル人の共存が必要になるのです。
そして意外に日本人って新しいことを受け入れてしまえば、割とすんなりと受け入れる柔軟性があると思います。
まずはRPAを毛嫌いせずに「この便利な道具をどうやって使いこなすか」という考え方に切り替えていくべきなのでしょうね。
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