AKIRA ART OF WALL Katsuhiro Otomo × Kosuke Kawamura AKIRA ART EXHIBITION | GALLERY X | PARCO ART
経済誌を見ると「日本はなぜデジタル・トランスフォーメーションに遅れたのか?」みたいな記事が毎日のように載っていますね。
こんにちは! 松田軽太です。
もちろん僕の周りでもそんな話題でもちきりですよ。
部長『我が社も本年度からデジタル・トランスフォーメーションに取り組むぞ!』
— 松田軽太 (@matudakta) 2020年1月24日
私『ということはAI活用ですか?IoTですか?』
部長『・・・いや、よく知らないけど、とにかくデジタル・トランスフォーメーションに取り組まないとイカンのだ!』
この場合、私はどうすればいいのだろうか?
ということで『デジタル・トランスフォーメーション』について考えていたところ、日経コンピューター 2020年1月9日号の「ケースステディ」という事例紹介コーナーで新装開店した渋谷パルコが取り上げられていました。
【実店舗をデジタルで革新 目指すはパルコ・アズ・ア・サービス】
2020年という令和の時代に満を持して新装開店するパルコにはどんな仕掛けで私たちを楽しませてくれるのでしょうか?
渋谷パルコは工事中も『AKIRA』でアミューズメントしていた
渋谷パルコで驚いたのは工事中の壁面が大友克洋のコミック『AKIRA』で覆われていたことでした。
『AKIRA』という作品は世界中に日本の漫画文化を広く知らしめた作品で、ハリウッド映画化も何度となく企画されています。
(でも、なかなか実現しませんが)
まぁ、AKIRAの話題はこれくらいにしておきましょうか。
『デジタルでファッションを支える』という果敢なテーマにチャレンジ
パルコの牧山浩三社長が掲げる新生パルコのテーマは『デジタルでファッションを支える』というものです。
実際、開店日には2500人もの行列ができたので、みんな新しくなったパルコに興味津々だったのでしょう。
昨今、ネット通販の躍進でリアル店舗の衰退が大きなニュースになっています。
そごうなどの昔ながらのデパート業界はじり貧状態というニュースばかりが
目につきます。
そんな中で3年の休業を経て新装開店した渋谷パルコは「これからのリアル店舗のあり方」を示しているといえますね。
では何が課題でどんな施策を実施したのでしょうか?
デジタル時代にリアル店舗はどうあるべきか?
パルコのデジタル戦略は『デジタルSCプラットフォーム「PARCO as a Service」』と
いうそうで略して「PaaS」です。
実はネット通販とリアル店舗ではお客さんの「物を買うための思考」が異なります。
ネット通販の場合、お客さんはすでに欲しい物が明確になっています。
しかしリアル店舗お客さんは、特にこれといった目的をもっておらず、ぶらぶらと店内を歩いて目についたモノや店員さんに勧められたモノが気に入って買い物します。
これは別にパルコだけに限った話ではありませんよね。
例えば本であれば、Amazonで買う場合は、ほぼ何の本を欲しいのか決まっていますが
街中の本屋さんに入ると、自分では知らなかったけど、優れた本に出会うことがあります。
そう考えるとリアル店舗での買い物の楽しさは「意外性」だといえます。
AIとXRを大胆に活用する
ではパルコでは「リアル店舗での意外性のある買い物体験」をどのようにして実現したのでしょうか?
行ったのは『データ収集』『データ連携』『XR(AR・VR)』という3つの施策です。
『データの収集』は天井に設置したカメラでお客さんの動きを捉えて解析するというものです。
これはIoT活用ということで倉庫管理などでの作業生産性を分析する際にも用いられてますね。
『データ連携』はアプリを用いた電子レシートから顧客の購買情報を取得して分析するというものですが、これらはコンビニでは何年も前からPOSシステムで行われているように思います。
なのでパルコのようなショッピングセンターでも、やっとこれらの分析が行えるようになったと感じました。
まぁ、コンビニは自社で全て行ってますが、ショッピングセンターは沢山のテナントがあって、それらは別の会社ですから権利や契約やらが複雑そうですから統合管理するのは難しかったのでしょうね。
個人的に興味深いのは『XR(AR・VR)』です。
ちなみにXRとはAR(拡張現実)やVR(仮想現実)やMR(複合現実)の総称だとのことで、こちらに詳しい説明が書かれています。
さてパルコの5階にあるXRコーナーでは「Worlds end supernova」という常設展示がおこなれていてVRヘッドセットでXRアートを体験できます。
もちろんXRと銘打っているので鑑賞中に操作することで体験が変わる「インタラクティブアート」となっています。
なんと開店からわずか1ヶ月で1万人もの人がこのXRを体験したのだというので、関心が高いのは間違いないでしょう。
リアルな店舗の強みはリアルな体験ではあるが・・・
このようにこれからの時代は「欲しいモノを買いに行く」から「体験しながら買い物を楽しむ」というように買い物自体もアミューズメント化していくのでしょう。
とはいえこれらのXR体験というのは、目新しさがあるうちは強烈な集客効果があるでしょうが、どんな驚きの体験であれ、人はいつしか刺激に慣れてしまうものです。
そしてリアル店舗はネット通販と違って建物・人・設備に維持に莫大な費用がかかります。
それを継続していけるだけの集客には「体験価値の鮮度維持」が欠かせません。
編集 見たまま https://blog.hatena.ne.jp/matuda-kta/matuda-kta.hateblo.jp/edit?entry=26006613502513272#wysiwyg
なので、これらもパルコは「新しい時代のリアル店舗での新体験を提供する」という目的で走り続けるでしょうから、きっと私たちを驚かせてくれることでしょう。
私たちは「体験する側」ですから、是非、楽しんでみたいと思います。