今回は「PDCAはKPTと合わせ技で使うと便利です!」というお話です。
こんにちは! 松田軽太です。
KPTは「ケプト」と読みます。
K=Keep、P=Problem、T=Tryの先頭文字をとっています。
KPT(ケプト)をPDCAと組合せて活用するのが、けっこう効果的だと気がつきました。
PDCAってなぁに?
PDCA(ピー・ディー・シー・エー)という言葉を聞いたことがありますか?
PDCAとは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」
のことです。[P⇒D⇒C⇒A」のサイクルを廻すことで業務を改善していきます。
なのでPDCAサイクルと呼ぶこともあります。
かなりメジャーな手法で改善活動を行う場合には、必ず「PDCAを廻せ!」と言われる
くらいの存在です。
PCDAについて詳しく知りたいのであれば、僕も読んだこちらの本が参考になります。
なぜPDCAを知っていても、なかなか実行できないのか?
PDCAと聞くと「あぁ、PDCAね」というくらいに認知度の高い有名な改善手法であるにもかからず、実際にPDCAを廻せている組織は少ないという声も多く聞きます。
おそらくPDCAをやってみて、振り返ると実際には「PDPD」や「PPPD」になってしっまっていることが多いことに気がつきます。
PDPDとは「P(計画)⇒D(実行)、P(計画)⇒D(実行)」がバタバタと繰り返される状態です。
PPPDとは「P(計画)、P(計画)、P(計画)⇒D(実行)」が会議室で計画をいろいろ考えるのだけど実行してみたのはほんのちょっとだけという状態です。
それは何故なのでしょうか?
その一番の理由は「PDCAをやってみたら、思った以上にめんどくさい」に尽きると思います。
では、なぜPDCAは「めんどくさい」のでしょうか?
自分自身の経験でいえばCとAの部分、つまり「Check(評価)」「Action(改善)」を行うにあたり具体的にどうすれば良いのかが分かりませんでした。
KPTというフレームワーク
PDCAを実施するあたり「どうやればCとAが出来るのか?」と調べてみたところ
「これだけ! PDCA」という本のレビューにこんなコメントがあるのを見つけました。
その部分だけ引用してみます。
チームの成果を出すために必要なスキルとしてマネジメントがあります。
その一つの手法としてPDCAがあります。
社会人であれば大半が知っている言葉なのですが、あまり活用できていないのが現実です。
その問題はPD(計画-実行)の繰り返しに終わっている。その理由はP(計画)が良くないということです。
P(計画)を良くするには、C(評価)で確りと振り返り問題の根本を突き止める必要があります。それには「なぜ」5回の手法が良いです。またP(計画)は勝てるイメージか無いとダメです。
D(実行)を妨げる人間の特性として、学生症候群、必要以上の時間設定、掛け持ちなどがあります。
A(改善)は「しがらみ」から脱却が必要です。「しがらみ」は4つあり、評価制度、組織構造、習慣、考え方です。
本書と同じシリーズの「これだけ!KPT」もPDCAを扱っていて、それが良かったので、本書も期待して読んだのですが、作者が違うので若干考え方が違い読み辛かったです。
本書を読んでから「これだけ!KPT」を読むとスッキリすると思います。
このコメントで「KPT」という言葉を初めて知りました。
ということで「KPT」でググってみました。
これらの記事を読んだ時に「あ!これってPDCAのCheck(評価)とAction(改善)じゃん!」と思い、一気にKPTに興味を持ちました。
ということで、さっそくこの本を読んでみました。
ざっくりKPTを説明すると
KPT(ケプト)とは「ふりかえり」に効果を発揮するフレームワークです。
たとえば自分の昨日の仕事を振り返るにしても、そのまま考えると「○○という作業をした」という事実を思い出しただけで終わってしまいます。
それではただの日記にしかなりません。
そこで「ふりかえり」をする時にKPTの手法を取り入れてみましょう。
具体的には
・Keep(良かったこと、今後も続けること)
・Problem(困ったこと、問題となること)
・Try(今後の活動で試したいこと)
の3つに分けて付箋紙に書き出します。
このようにKPTはとてもシンプルです。
しかしシンプルだからこそ、実行しやすいとも言えます。
KPTでの「ふりかえり」の進め方
KPTでの「ふりかえり」は以下のような順序で行います。
①やった仕事(作業)を思い出す。
②上手くいったこと、成功したこと、を書き出します。
これがKeepになります。
③作業する中で困ったことやできなかったことなど問題点を書き出します。
これがProblemになります。
④今後も継続すべきことを書き出します。
これがTRYになります。
このように作業を書き出した時点で分類するので自動的に整理ができるのです。
そしてKPTの良いところは、まずKeepから書き出すので自己肯定感が高まります。
一般的は反省会は「上手くいって当たり前。問題点を解決する」というスタンスで行われるので、Keepにあたる部分はスルーされてしまいます。
しかしKPTではKeep「やってみて良かったこと」を個人の成功体験として自分の中に閉じ込めるのではなく、チームみんなに開示して共有することで、知の共有を行えます。つまり個人のノウハウではなく、チームのノウハウになるので暗黙知ではなくなるのです。
そしてProblemとして問題点をチームで共有するので、個人で問題を抱え込むのではなくみんなで解決策を考えるキッカケになります。
これは精神的にも楽になると思います。
そしてTryでは、Keepで書き出された「良かったこと」をチームのみんなでやってみる、あるいはProblemで書き出された「問題点の解決に取り組む」のです。
このようにKPTとPDCAを組み合わせることで、PDCAのCとAが動き出すので自然に「PDCA」が廻せるようになります。
KPTを行うタイミング
業績評価に合わせてPDCAを確認することは多いと思いますが、それに合わせてKPTを実行するには、ちょっとサイクルが長すぎると思います。
3ヶ月周期では「何をやったのか?」を思い出すのも大変だし、問題点は忘れないかもしれませんが、良かったことは自分の中では「当たり前の行い」なので忘れてしまうことが多いと思います。
そうなると「良かったこと=有益なノウハウ」を共有する機会を逸してしまいます。
それってモッタイナイですよね。
なので週に一回、可能であれば毎日の朝回など記憶の鮮度が高いうちに短いサイクルで実施する方が良いでしょう。
PDCAを廻す唯一の方法は「あきらめない」こと
PDCAが定着しない一番の理由は「なかなか効果を実感できない」からなのでしょう。
だってPDCAを継続することで効果が出るワケで、だから時間が掛かります。
なので短い周期で行うKPTを取り入れることで、結果としてPDCAを廻すことができるようになると思います。